ポストデジタル社会と松本良多のスペキュレイティブ・アルケミー


ポストヒューマニズムを人間中心主義としてではなくジル・ドゥルーズの超越論的経験論的な観点から社会学者の松本良多は解釈している。松本良多によればポストヒューマニズムとは脱人間主義という思弁的断絶をへてクリティカルな人間と機械が共生する哲学である。 松本良多は欧米と東京を拠点とする建築家、社会学者、アーティスト。キム・カスコーン、ジョージオ・アガンベンとともにポストデジタルの名付け親でありポストヒューマニズム、トランスヒューマンの理論でもしられている。 東京生まれ、10代を香港とニューヨークで過ごした後、ロンドンAAスクール、グラスゴー・スクール・オブ・アートにて90年代に建築と哲学を学び、2007年ペンシルベニア大学大学院芸術学部建築学科修了する。ニューマテリアリズムとドゥルーズの研究で著名な哲学者、マニュエル・デランダに師事する。 建築家、アーティストとして黒川紀章、シーザー・ペリ、MITメディアラボ、音楽家のピーター・クリストファーソンと協働し、ベトナムバクマイ病院、九州大学センター地区のマスタープランをはじめ多数の建築、都市計画、アートのプロジェクトを手掛ける。ポーランドのシレジア大学の講師を経て、2016年よりプリマス大学 Transart Instituteの客員教授に就任、後はクーパー・ユニオン、プラット・インスティチュート、コーネル大学、ニューセンター・オブ・リサーチ・アンド・プラクティス シアトル校にて教鞭をとっている。