自然科学基礎論


授業関連

1:以下について200字以内で解答せよ。

・観測における理論不可性について

・エイリアシングとサンプリング定理

  • サンプリング定理(標本化定理) 信号中に存在する最大周波数がfmaxであるとき、 サンプリング周波数fsampleを以下の様にとることで元信号の情報が復元できる。
2f_{max}<f_{sample}
  • エイリアシング

サンプリング周波数をfSとしたとき,入力信号の周波数(fIN)がナイキスト周波数(サンプリング周波数の1/2の周波数)より大きいと,その信号周波数がfS−fINとして標本化されてしまうこと.例えばfS=44kHz,fIN=30kHzとすると,14kHzの信号として標本化されてしまう.

・中心極限定理

大数の法則によると、ある母集団から無作為抽出された標本平均はサンプルの数を大きくすると真の平均に近づく。これに対し中心極限定理は標本平均と真の平均との誤差を論ずるものである。多くの場合、標本の分布がどんな分布であっても、その誤差はサンプルの数を大きくしたとき近似的に正規分布に従う。

2:雑音の大きさについて計算せよ

ボルツマン定数

k_{B}=1.38\times~10^{-23}~[J/K]

素電荷

q_{e}=1.602\times~10^{-19}[coulomb:A/s]

・ショットノイズ

一定の電圧閾値から電流が流れ出るとき、電流の流れ方は電子の熱運動の揺らぎに よって変化する。この揺らぎをショットノイズと言い、電流ノイズは以下の通り。

\frac{I_{s}}{\sqrt{B}}=\sqrt{2qI_{dc}}=5.66\times~10^{-10}\sqrt{I_{dc}}

・熱雑音

理想的な純抵抗から発生する実効雑音電圧は電流に依存しない。以下の式の通り。

\frac{e_{n}}{\sqrt{B}}=\sqrt{4kTR}=1.3\times~10^{-10}\sqrt{R}

ワット単位では以下の様になる。[W]

P=4kT\Delta~B

デシベル単位では以下の様になる。

P=-174+10\log{(\Delta~B)}

3:Dirac巨大数仮説と人間原理について説明せよ。

・巨大数仮説  水素原子の中心にある陽子とそのまわりをまわる電子との間に回る電子とのあいだに働くクーロン力と万有引力との比は10^39程度。この値は水素の原子核の値と宇宙の大きさの比くらいの値になることにDiracは気がついていた。  しかしビックバン理論の膨張宇宙論によれば、宇宙の大きさと水素原子核の大きさの比は大きくなるはずである。どこでDiracは重力定数Gが時々刻々小さくなっていると主張した。

ディラックの巨大数仮説とは、エディントンの提唱した巨大数に対してディラックが解釈を与えたものである。 エディントンは様々な物理定数の中で、 ‥甜力定数÷重力定数≒10の40乗 宇宙の観測半径÷電子半径≒10の40乗 の2つに特殊な関連性を見出し、 「10の40乗」という非常に大きな数字が何らかのカギになっていると思われ、エディントンの巨大数と呼ばれた。 しかしこの△砲弔い討榔宙の膨張を考慮すると成立しなくなるという批判があったが、 その後ディラックは,砲ける物理定数も時間とともに変化しており、巨大数は成立しているとの仮説を立てた。 これがディラックの巨大数仮説と呼ばれるものである。  人間原理とは、宇宙の物理法則や物理定数などが全て生命(人間)を生み出すのに都合よく設定されていることから、 結果的存在である人間を基準として宇宙の状態を説明したディッケ、 「宇宙は人間を生み出すよう設計されている」としたカーターらによって唱えられたものである。  ディラックの巨大数仮説は後に出てきた人間原理に先駆けるものであるが、 このような人間原理については「事後説明の寄せ集めであり、予測可能性がないため科学とは言えない」(ページェルス) といった批判的立場や、宇宙の平坦問題に関する人間原理の極めて精度の高い成立性(10のマイナス60乗以下の精度) を根拠とするホーキンスなどの肯定的立場など、現在でも賛否が分かれている。