フローティングスタティックルート


ネットワーク

フローティングスタティックルート

フローティングスタティックとは
アドミニストレイティブディスタンスの高いスタティックルートを
設定することによって実現するバックアップ手法の1つ。

正常時のルーティング

デフォルトでは、スタティックルートはルーティングプロトコルで学習したルートよりも
アドミニストレイティブディスタンスが低くなっている。
フローティングスタティックルート、つまりアドミニストレイティブディスタンスを
高くしているスタティックルートのネクストホップをISDN経由に設定する。

すると、通常時は、プライマリ回線を通じてルーティングプロトコルで学習したルートを
利用してパケットをルーティングする。
フローティングスタティックルートは、ルーティングプロトコルで
学習したルートの下に隠れている状態。

floating_static1.gif

障害発生時のルーティング

プライマリ回線がダウンすると、ルーティングテーブルからプライマリ回線を
通じてルーティングプロトコルで学習したルートが消える。
すると、そのルートの下に隠れていたスタティックルートが浮かび上がってきて、
ルーティングテーブルに載せられるようになる。

プライマリ回線が利用できないときは、
フローティングスタティックルートにしたがってバックアップ回線(ISDN)を
通じてパケットをルーティングできるようになる。

ダイアルするトリガーは、インタレスティングパケットとして設定している
通常のデータパケット。

floating_static2.gif

フローティングスタティックの注意点 フローティングスタティックでは、ISDN回線経由でルーティングプロトコルを動作させない。
また、双方向通信を行うためにはISDN回線に接続されている両方のルータで同様の設定が必要。

この例では、R1だけでなくR2にもフローティングスタティックの設定がないと、
プライマリ回線がダウンすると192.168.1.0/24と192.168.2.0/24のネットワーク間で双方向の通信ができなくなる。

さらに、R2の先に他のルータが存在するような場合、
プライマリ回線がダウンしているときもR1へのルートを通知するために、
フローティングスタティックルートをルーティングプロトコルにリディストリビュートしなければいけないこともある。

フローティングスタティックの設定

フローティングスタティックルートの設定は、
通常のスタティックルートの設定にアドミニストレイティブディスタンスの指定を行う。

(config)#ip route [network-address] [subnetmask] [next-hop] [A.D]

Ciscoルータでのアドミニストレイティブディスタンスのデフォルトは下記の通り。

直接接続 0
スタティック 1
EBGP 20
EIGRP 90
IGRP 100
OSPF 110
Integrated IS-IS 115^ RIP 120
外部EIGRP 170^ IBGP 200
不明 255

フローティングスタティックでのアドミニストレイティブディスタンス値を利用しているルーティングプロトコルのものよりも大きく設定する。