はぁぁぁ隊

目が覚める。当然のように天井が見える。
時計に目を止める、12時のようだ
「あぁ～また寝過ごしたか・・・・。」
家には自分以外の人間はいない、一人暮らししているのだから当たり前と言えば当たり前だ
ふと今日なにか予定あったような気がして携帯を片手に持つ。
そしてスケジュール見ようとしたら突然携帯がわずかに震えた。
ﾎﾟﾁｯ
「おう、やっと起きたか♪」
「おはようっと、・・・・・「やっと」ってなんだ？」
「やっぱり気づいてなかったか・・・。俺が何回お前の携帯にかけたかわかるか？」
「・・・・・・・・・・・・・」
何回・・・どうやらコイツは俺が寝ている間に何度もかけたらしい。
しかしその記憶は一切ない。
記憶の片隅にも残らないほど深い眠りに入ってたらしい。
（昨日そんなに体動かしていないはずだが・・・）
とりあえずその思考をやめて次のことに入り始めた
「っで用件はなんだ？」
「おお、とりあえず近くのｹﾞｰｾﾝに来いよｗｗ」
気楽な声が聞こえる・・・。ｺｲﾂはなにごとも楽な考えしているから少しうらやましい
「近くの？近くって言えばコード１しかないだろう」
「そう、だからそのコード１に来いって」
少し考えて・・
「あぁ・・30分後には着くわ」
「ＯＫ、お前に勧めたいゲームが入ってるから急げよ」
ﾋﾟｯっとボタンを押して考える
（俺に勧めたいゲーム？まぁ行ってみればわかるか・・）
重い体を起こしながら着替える。
財布の中身はﾊﾞｲﾄの給料が入ったばかりだから心配することはない。
（しかし生活費ことも考えなくては・・・・）
少し思いふける
彼はトモダチの間ではカズと言われている。
両親とは離婚騒動が起こりその時自分のことしか考えない親の考え方に耐え切れず家を飛び出した。
今は近所の学校に通いながらﾊﾞｲﾄして生活費を養っている
「しかしなんでまたこの町でこんな奴に出会ってしまったのだろうかｗｗ」
苦笑しながら支度を終え玄関に向かう。
（本当、いつになったら俺は物事に熱中できるようになるのだろうか・・）

30分後　ｹﾞｰｾﾝ｜λ…….ﾄﾎﾞﾄﾎﾞ
「おう来たか♪」
陽気な声はよりいっそうテンションを上げて聞こえてくる。
「っでどれなんだ？ユウイチが紹介したいゲームってのは」
とりあえず店内を見渡す、他のゲームはチラホラ人が居るけど一つだけ店の奥ににぎわっていたものがあった
（あれか？・・・やけに人多いが・・・・・・）
「しかしお前もタイミング悪いよな～、今さっき遠征の人が来て対戦ムードに入ったばかりなんだよ」
「遠征？ふ～ん、そんなに人気あるのか？あのゲーム・・・・・ゾイドってやつは」
「おぅ、お前もやってみればわかるけどかなりはまるぜ」
うお～っとゾイドの固体を囲む人たちは叫んでた
（そんなに熱中する物か？ゲームってやつは・・・・）
今までゲームとは暇つぶししかできないと思っていたカズにとってみたらかなり異様な光景だった。
「とりあえずこっち来てみろよ」
そう言いながらユウイチは歩いていく。とりあえず付いていく俺はベンダーってやつの目の前に来た。
「これでこのゲームのカードを買うんだよ。一枚300円だからな♪」
「カード？」
この場ではふさわしくない言葉に耳を疑う
「なんだお前、カードのことも知らないのかよ。いいか？最近のゲームってやつはカードで記憶を保存することができるんだよ」
それは初耳。これじゃ家庭用ゲームと同じじゃないかと思った
「っでお前も買ってみなって」
「まぁ給料日後だから金は大丈夫だけど・・・・。つまらんかったら承知しないぞ！」
うっ、っと退くユウイチ。たぶんコイツの頭の中でもその光景はよくイメージできたに違いない。
「大丈夫だって、もしつまらんかったら俺がそのカード買ってやるよ」
「OK、だったら買ってみるよ。え～とタッチパネル式か・・・・」
300円を入れる。なにやら登録とかめんどくさいことが画面に映っているが適当に飛ばしていく。
「そういやお前名前はどうするんだ？俺は一応「ゆう」って名前にしているけど」
名前かぁ～、どうやらみんなは本名は載せないらしい。
まぁよく考えてみても本名の名前をつけるのは小学生ぐらいかと思った。
「う～ん・・・・じゃこれにするか・・」
ﾄﾝﾄﾝﾄﾝっと画面に指が動く。
「ビート？鼓動って意味か？」
「そうだよ・・・・・英語苦手だからカタカナにしたけどな・・」
そう、いっつも英語は赤点ギリギリのところを彷徨っている。
進めていくうちに機体を選ぶ画面に来た。
（ん？これって昔アニメでやってたよな？・・・・じゃこれかな）
ポチっと押した俺を見てユウイチの顔がゆがむ。
「コマンドウルフ？やめといたほうがいいぜ。それって今わかっている中で最弱だから」
「強キャラ使ってもつまらんだろう？だったらちょうどいいよ」
そう言って俺は出てくるカードを手にした。
実際弱いと知っても何も後悔もない。
（どうせただのゲームだろ？弱くても強くても関係ないよ）
っと思っていたからだ。
「おっ、ちょうど空いたみたいだぜ。ちょい俺入ってくるわ」
そういいながら財布からカードを取り出すユウイチ。
それを後ろから眺める俺。
1コイン入れてカードを入れると画面にはディバイソンが映る。
（重火力系？ユウイチらしいな・・・。っで相手は・・・）
相手は例の遠征の人らしい、さっきから俺がカード買っている間にここに居る人全員を倒していたのを横目で見ていた。
（相手の機体は・・・・ブレードライガー？懐かしいな）
昔アニメで見てた時もこの機体は確かに居た。
画面は移り変わり場所は中央に穴がある円形型のステージ。シドニア
前足で地面を引っかくＤＢの姿をじっと見ていた。
「見てろよカズ、俺が軽く捻ってやるよ」
その言葉をカズは無視した。
（すまんがユウイチ。お前が勝っても負けても興味ないんだよね・・・）
それより操作方法を見たかった。
画面にはスタートという文字が出た。同時にユウイチの腕は動き出す
じょじょにステップで間合いをつめていくＤＢ。しかし相手のＢＬは動かない・・・
「なめてんのか？だったら叩きのめしてやる！」
興奮するユウイチ。しかし相手はまだ動かず。
そしてついにＤＢのロックがＢＬを捕らえた。3連衝撃砲とＬＲパルスがＤＢから放たれる。
そこでＢＬは動き出した。
相手もロックできてるようでＤＢの攻撃を避けながらハイデンを構えた。
そしてブレード展開しながら詰め寄る。
「そんなところからブレード開いてたら格好の的だ！」
ＤＢの武器が切り替わる。
「これでも食らっとけ」
17連をばら撒いたＤＢはそのまま横にステップする。
そして前までＤＢがいた場所にはハイデンの弾がとうりすぎていく。
「はっ！そんなもの」
っと次の瞬間ＤＢは倒れた。
「！！！・・なっ、ノーダメージでここまでブレードを・・・・」
そうユウイチが驚くのも無理もない。
ハイデンを避ける前にＤＢは17連をばら撒いていた。
その17連を潜り抜けてきてブレードで当ててくることなんてかなり難しい。
そしてユウイチはそのまま相手のペースに乗せられたまま負けていった。
「なんで17連をあそこまで避けられたんだ・・・・」
悔しがるユウイチ。あの後の試合も17連、シェルキャノン、3連ともにほとんど相手には当たっていない。
当たらなければ勝てない、それは機動力のないＤＢにとってはとても痛いことだ。

「なんで当たらないんだ・・・・ｸｿｯ！」
固体からへろへろと立ち上がるユウイチ
「あのなぁ、ユウイチ・・・・お前ステップの時何処見てる？」
「ステップの時って・・・・あ！」
やっぱり・・・・コイツはステップの時自分の機体を見ていた。
おかげで相手の動きが全然わからず対策も練られないまま終っていた。
「じゃああいつ・・・・え～とＫＡＭＩＮＡＲＩはなにをしてたんだ？」
間の抜けた声が俺の中で響く・・・・。
今頃相手の名前を確認するコイツは・・・・
（こいつは前から知っていたけど天然がひどすぎるんだよな・・・・）
下向きながら言葉を発する
「いいか？お前があの17連とやらをばら撒いてた時相手はジャンプしてたんだよ」
「ジャンプ・・・・？あ、それでジャンプのときもエネルギー回復もされているからブレードも開くのか・・」
にしては到達が早すぎる・・・それが全然わからないユウイチはさらに混乱した。
「はぁぁぁ～、まったく。ジャンプって言ってもあの・・え～と・・・・ブレード？とやらはお前の牽制だ。お前がブレード開いたら17連撃つ。しかし撃つ前にあいつはジャンプしていたんだよ。ちょうど17連が過ぎる時に着地できるようにそしてあの・・・・ハイデンとやらもよけることもわかっていた。だったら後は簡単、お前のステップ先にブレードを置くだけ」
つまり・・・
「お前の行動は全て読まれていた・・・ってかユウイチ、お前の動きはバカ正直すぎだよ」
ユウイチはぼーっとしている。無理もない、ちょっと言いすぎたかな～と思いながら視線を泳がす。
そして目線の先にＫＡＭＩＮＡＲＩがつまらんそーにＣＰＵを流している。
（ＣＰＵは慣れた奴には軽すぎるのか？・・・・）
なぜかその姿を見るとここ全員を見下しているようでムカついてきた。
少し考える・・・・・・・そしてさっき買ったカードを片手に固体に向かっていった
「えっ？・・・おい！カズ!」
ぼーとしているユウイチは驚いた
「お前まさか乱入しようって考えはもってないよな？」
「ん？わかった？」
「わかったって・・・お前のその殺気だった顔見ればわかるよ。ってかやめとけ。このゲームは始めての人にはかなりきついんだって。しかも対戦なんてもってのほか・・・」

あせった声で俺に怒鳴りつけるユウイチ。しかしそんなこと知らないと思った。
「なに、操作方法はさっきのを見てて覚えた。あとは対戦しながら自分の機体の性能を覚えるだけだ。」
「覚えたって・・・・・・」
（さっきの対戦で覚えたって言うのか・・。だってまだ6分ぐらいしかこのゾイドインフィニティを見てないんだぞコイツ・・・・）
「それに・・・・・・・」
カズは財布を開きながら言った。
「それに俺はまだこのゲームの初心者なんだ。失うものなんてなにもない・・・だから気楽にいくさ・・・。気楽なのはお前の専売勅許だろ♪」
そう陽気な言葉を発しながらもカズの顔はゆがんでいく
１コインをゲームに入れる。
「ふぅ～、まぁカズのことだからやるって言ったらやるんだろう？いいよ、だったらとことんやられてこい」
微妙な会話が二人の間では流れていた。しかしこの二人はいっつもこういう風な会話に流れていってしまう。

ＫＡＭＩＮＡＲＩの画面に「挑戦者現れる」との文字が出た。
（さっきのＤＢのツレか・・・・まぁさっきからうるさい会話を聞くと初心者らしいがつまらんなぁ・・・・）
ＫＡＭＩＮＡＲＩは今２３連勝して、立った今２４連勝を確信した。
（せっかく隣町まで来たってのに・・まったく“アイツ”を超える・・・いやせめて近いＬｖの奴はいないのか？）
画面が進んでいく。
「はっ！コマンドウルフ？なめるのをたいがいにしろ！」
どんどんイライラしていくＫＡＭＩＮＡＲＩ。
ステージはまたもやシドニア、ここコード１ではＣＰＵ２セット対人３セットとなっている。
（この３セットのうち２セットでどれぐらいこのゲームを理解するのが勝負の鍵か・・・）
カズはそう思いながらステージで吼えるＣＷを見る。
「武器は・・・３つだけか・・・まぁそっちの方が混乱せずにすむからいいけど・・・」
そして始まった。
「え～と左のボタンがっと・・・ええ！！？？」
押してびっくりした。ただＣＷのケツから煙がでるだけなのだから。
「じゃ右は・・・・ミサイルか・・・真ん中は・・・う～ん弾微妙」
そして実験するうちにＢＬはロック範囲に入った。
「つまらん！早めに終わりにするぞ」
そういいながら８連をＣＷに撃つ。
「えーとステップは横か」
カズはぼやきながらスティックを横に倒す。
８連をサイドステップで避ける。しかしステップの先には２連がやってくる。
そしてまともに被弾。いっきに減っていくＣＷのＨＰゲージ
「うお！こんなに減るのか？こりゃあんまり受けられないぞ・・・」
今更という感じで周りの人々が見る。
ＢＬがブレードの射程範囲に入る前に台の上から降りて走り出すＣＷ。
そこの前にブレードを開いたＢＬがいるがいとも簡単にガードされた。
ＢＬはブレード閉じると同時にステップ近接をやるがそこには黒い煙しか残っていなかった。
「くそっ・・・・あいつ本当に初心者か？」
ブレード→ステップ近接の流れはさっきの試合ではしてないはず。
そして暗い画面から逃げるように煙から出るＢＬしかしＣＷはＢＬの後ろに居て８連をばら撒く。
「そして・・・」
そうつぶやくカズ
ステップで必死に逃げるが全部は避けきれず。
「これでも食らってダウンしろ！」
相手が初心者だと思って油断して、そこに不意打ちされたように期待を裏切った相手の動きに焦るＫＡＭＩＮＡＲＩの声。
ハイデンを撃つがなにも用意されてないただ撃つだけの動作は簡単にも避けられる。
ＣＷの５０ｍｍが撃たれ、ＢＬはまともに受けた。
そのままＢＬの横を過ぎていくＣＷを見て
「くそ・・・頭の中が整理できない・・・」
ＫＡＭＩＮＡＲＩはそんなぼやきを呟きながらＢＬを走り出せる。
（相手は・・・相手は初心者じゃないのか？）
ＨＢするＢＬはＣＷの姿を捕らえた。
（おちつけ・・相手は今ステージの上だ・・・ＨＰはじゃっかんこっちが負けているがＣＷの装甲を考えればまだ十分勝てる）
一呼吸を入れたあとブーストボタンを押し前にスティックを倒す。
「だったら簡単！さっきのＢＤと同じ用に沈めてやる！」
ＢＬはダッシュステップをしながらＣＷの間を徐々につめていく。
ハイデンを構え撃つが当然相手のＣＷは避ける。

そして２連をステップ先に撃つがジャップされ避けられる。
「よし、舞台から引きずり落としてやった。あとは・・」
「８連をばら撒いてこっちが反撃しながら避ける先にブレードだろ？」
「！！！！？？？」
ＣＷは横に向きを変え８連を避ける。
「お前はむやみに武器を使いすぎなんだよ・・・。今のお前はたぶんリロードで近づくことしかできないはず。だったらそこを叩くだけ。」
ＫＡＭＩＮＡＲＩは冷や汗をかいた。
まさにそのとうり。そしてもう遅かった。
ブレードを真正面から行くしかないＢＬはブレードをガードしたＣＷの格闘に沈んでいた。
「っく、完璧に読まれていたわけか・・・・」
８連の追い討ちをうけたＢＬのＨＰは残り５０００弱。
立ち上がったＢＬはＨＢをすぐにしてＣＷを捕らえる。
（またさっきと同じ舞台か・・・なら）
「今度はお前に言われたように注意しながらやるよ、ビート」
ＢＬはステップしながらまたもや間を縮めていく。
「だがね・・・」
ビートは近づいていくＢＬを見ながら
「ただ馬鹿正直に相手の言葉を受けてもつまらんよ・・・相手がそれを言うってことは」

それの処理の仕方も理解しているってことだよ・・

近づいていくＢＬに８味噌を放つ。
それを避けながらＢＬは走りながらブレードを開いた。
それはブレードの射程範囲に入ったことだ。
「それがブレードの範囲か・・・なら」
バックステップするＣＷ、その手前でブレード閉じたＢＬがくる。
「くっ・・・・」
「８連をばら撒くと同時に他のウェポンの発射を恐れブレードを開く。」
だったら目の前で閉じるのが背一杯なはず、そう考えたカズはバックすることを選んだ。
「さっきのこいつの格闘性能なら当たるはず」
そしてトリガーを退く。
しかしＣＷが向かった先にはＢＬはいなかった。
ＢＬはシールド開きながらジャップしている。
「なっ・・・・なんだこれ？」
そしてそのままＨＩＴ、倒れるＣＷにＢＬは８連、２連を追い討ちする。
「ジャンプ格闘ってやつだ、ガード不能でこいつのジャンプ格闘は判定が強い。さっきの試合ではしなかったから知らないのも当然だろう」
微笑むＫＡＭＩＮＡＲＩ、
「あぁ～もう無理か～」
その言葉に周りの人間が気づいた。
残り時間は４秒。
追い討ちなどの食らってＣＷのＨＰは残り４０００強。
そしてタイムアップ。
「かぁ～せっかく相手が油断してくれたのに・・・・」

この攻防を見ながらユウイチはあぜんとしてた
（カズの野郎・・・あいつ本当にあの一試合だけで操作方法を覚えたのかよ・・）
驚くべき才能、いくら見ていたとはいっても誰も最初は焦る。
しかしカズは当たり前のようにどんどんスキルの幅を広げていく。
（ステージがシドニアってのも何かの運か・・・あいつには数秒だけ練習時間が与えられている・・・）
「だけど・・・」
（ＫＡＭＩＮＡＲＩのさっきの動きはここにいるやつらと変わらない動きだ・・。さっきはカズが初心者だと思って思わぬ動きに焦って終った。だったら次はＫＡＭＩＮＡＲＩは本気をだすはず）

（ってかあいつなんでこのゲームの特性を知っているんだ？）
そう疑問思いながらこの試合を見ていくユウイチでした。

そして始まる２セット目。
（あいつはもう落ち着きを取り戻している。さっきのような読み合い攻防はあいつの方がこのゲームを長くやってる分だけ戦略が練れるはずだ。だったら・・）
「あいつの読みを逆手にとってやる」
台から勢いよく走り降りるＣＷ。
ダッシューステップのやり方は覚えたようでちゃくちゃくと間合いを詰めていく。
一方ＢＬは台の上でＣＷ見下ろしている。
（これじゃさっきと逆じゃないか・・・・。つまり攻守交替ってやつか？）
それ見てユウイチは焦る。
さっきの試合はＫＡＭＩＮＡＲＩが油断して安易に攻撃をしてたところをカズはそこをついた。
だが自分との、ＤＢｖｓＢＬの戦いではＢＬは見事な読みをし、ＤＢを叩きのめした。
こんどはその読み合いで後手となる戦い方をビートは挑んでいる。
（それに不安材料はそれだけじゃない・・。アイツはまだあのコマンドを出していない）
そう、自分との戦いにも見せなかったＢＬの命綱のウェポン。
誰もが知っているウェポンだがカズは知らないはず。
先手にも後手にも使えるウェポン。
「カズ！！」
「・・・・・・・・。」
なにも答えないカズ。それほどの集中力を物語っている。
（あぁ・・・・・コイツ始めてこっち来た時から集中力だけはよかったっけ？）
そしてユウイチはこの試合をおとなしく眺めることにした。

近づくＣＷがＢＬにロックした。
（まずは・・・・コレ！）
８連をＢＬに向かって放つ、
（そして避けてきたところで・・・・）
しかしＢＬはただ前に走りだすだけ。
「なっ・・・ならこれもついでに食らっとけ！」
５０ｍｍも撃つＣＷ、しかしＢＬはシールドを開いてそれらを防いだ。
「えっ！！？？」
焦るビート、そしてＢＬはシールドからブレードを開きＣＷに向かった。
「お前をもう初心者とは思わない・・・しかし初心者であるところを俺は攻める！」
SDしながならもブレードがＣＷにＨＩＴする。
「おいおい、あんなのありかよ・・・」
チラリとCWのHPを見ると６７００弱になっていた。
「あのブレードはダメージもでかいし範囲も見た目以上に広い・・・。本当やっかいだな・・」
立ち上がるCW、BLはその４馬身後ろで構えていた。
（ん？なんだ？・・・・・・・）
カズは一つの疑問を持った。
「ふっ、こんなものか」
カズは煙をばら撒き台の上に上った、その途中８連をかすかにくらい残りHPは６０００弱。

「いくら逃げようと無駄だ！」
KAMINARIは台のすぐ下までBLを走らせ、
「その位置！ブレードで行っても避けられることはあっても反撃できまい！」
ジャンプするしかしその場にCWの姿はいなかった。
「くっ、こっちがジャンプする前にサイドステップで避けながら当ててくるとは・・」
しかしダメージは８連と５０ｍｍがかすった程度なのでまだ８７００はある。
即座にレーダーを見るが相手の機体はどんどん離れていっている。
「まともに戦えないんでね、ちとカッコワルイがヒット＆アウェイでいかせてもらうよ」
こんどはCWはステージの一番内側を走っていた
「ふん、HPはまだこっちが勝っている。だがこのまま逃がすのは許さん！」
そして走り出すBL、８連を相手に向かって撃つ。
しかしCWも同時にHB→８連発射の行動に移っていた。
交差する弾。お互いステップで避ける。
次の瞬間KIMINARIの画面は黒く包まれた。
「なっ・・・くそ引っかかってしまったか・・」
弾の発射音が聞こえる。KIMINARIはシールドを開きそれを防ぐ。
「発射の瞬間が見えないのは相手も同じ、なら弾速が早いハイデンなど避けれまい！」
ハイデンと２連を撃つが当たる音はしなかった。
「そんなこと考えずに俺がエサを巻くとでも思ったのか！？」
近づいてくる音、BLは薄くなった画面でブレードを開いてCWに向かった。
「おっと、危ない。」
サイドに避けるCW、BLはブレードをしまってステップする。
「そこぉ！」
カズはBLのステップに合わせて８連、５０ｍｍを放つ。
「くっ、シールド張るしかない・・」
そしてシールドに８連が当たった瞬間BLのシールドは消えてしまった。
「なっ・・・しまった・・・シールド使いすぎてシステムダウンしてしまった・・・」
それをわかっていたように撃った瞬間走り出したカズのCWの格闘ロックが表示されていた。
「これで沈め！！」
KAMINARIは焦りバックステップするが間に合わなかった。
しかし、そこで異変が起きた。
「！！！？・・・」
ガタッと音がして皆が振り向く。
CWは格闘せずその場で立ち尽くしている。
「おい、カズー。」
カズはなにも言わず走っていた。
トイレへと・・・・・・・
ﾄｲﾚ｜λ………….ﾄﾎﾞﾄﾎﾞ
あわててユウイチも後を追う。
そして店内では呆然としているKAMINARIと観客が残っていた。

「おい、どうしたってんだよカ・・・うわっ！」
トイレのドアを開けたユウイチは驚いた。
カズは洗面器に顔を沈め吐いていた。
「お、・・おい大丈夫か？・・・・」
恐る恐るたずねるユウイチ。
ふーっと深呼吸するカズはげっそりとして言った
「そういえば昨日シンが来てたんだった・・・！！？」
そういったあとまたも洗面器に顔を向ける。
「シンって・・・・あぁ・・また飲んだのか・・アイツと・・」
ユウイチはリアルに想像できた。
そのシンって奴は豪酒で誰もがつき合わされると次の日は２日酔いと吐き気に襲われてしまう。
「バトル中集中してたらなんか酒の臭いがして昨日のこと思い出して・・・」
そう言ってる途中で洗面器に顔を鎮める。
（あぁ、そういえばさっき酔っ払いが店員に積み出されていたような・・・）
「とりあえず先言っといてくれユウイチ・・・当分ここから出れそうにもない・・」
「ああ、わかった・・・」
そう言ってユウイチはトイレから出る。

１０分後　　　λ……..ﾄﾎﾞﾄﾎﾞ｜トイレ
あの後６回ぐらい吐いてだいぶマシになった・・・・・。
みんなの顔が歪む・・・。そんなに今の俺の顔はやヴぁいんだろう・・。
「カズ、もう大丈夫か？」
ユウイチが走りよる。こいつは性格は気楽だが身内になにかがあるとかなりの心配性になる。
「あぁ、たぶんな・・・っでアイツは？」
店内を見渡してもＫＡＭＩＮＡＲＩの姿は見えない。
「ＫＡＭＩＮＡＲＩは帰ったよ、なんでも次行くとこがあるらしい。」
・・・・なんとなくムカムカしてきた。
これが吐き気ではないことをすぐに気づいた。
「勝ち逃げ・・・されたか・・・」
さっきの攻撃が当たっていればまだ勝機はあった。
「っていうかなんか悪いことしちゃったな～、せっかく盛り上がってきたのに」
なんとなくイラつきが収まってきて申し訳ない気分に変わっていく。
「いや、そうでもないよ。」
ユウイチが口を開く。
「あいつから伝言、“こんどはもっとマシな機体に乗って俺の前に来い。その時にこの勝負の結果を決める“だってさ」
まぁ・・・なんつーか・・・
「あいつ固いよな～、考え方がちと古いってゆーか」
ユウイチはなんも抵抗もなく言い放つ。
「そうか・・・じゃ俺もがんばんにゃきゃな」
なんとなくやる気になってきた。
たった①プレイ・・・しかしなぜかものすごく楽しく燃えた。
（今までゲームってやつはツマランっと思っていたけど。なんか本気で取り組むのも悪くねぇな）
そう思いふけていた、そして次の瞬間俺の横腹になにかが勢いよく当たってきた。
「ぐほっ・・・・・」
ユウイチが横腹を殴ってきたのだ。
「おい、聴けってばよ！なんでお前あんなにうまかったんだ？おい」
ユウイチがうるさく言ってくる。
「おい、起きてるかー？・・・・・あ、ごめっ・・・」
俺の殺気に気づいたのかユウイチは自分がなにしたかよく理解した。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

２分後

ｺｰﾄﾞ1｜｛ｳｷﾞｬｱｱｱｧｧｧｧｧ　Σλﾅﾆ

「っでなんだ？ユウイチ」
「・・・・・・・・・（泣）」
「いつまでも倒れてないで起きろ」
「うぅ・・・・いててて・・いきなりジャーマンスープレックスかけてくるんじゃねえよ・・なんでお前がそんなにうまいか聞きたかったんだよ」
まぁ、コイツの頑丈さはわかっているからジャーマンけたんだけどな・・。
ってかなんだそんなことか。
「ああ、俺さぁ・・・その親父がこういうゲーム作っているんだよ。それでさぁ昔ガキのころよく親父の会社でゲームを一日中してたんだ。」
「へぇ～初耳」
そりゃそうだろう・・・。あんまり親父・・あの野郎のことを思い出したくないから・・。
「っでそのうちあの手のゲームはやりつくしたんだよ、バーチャロンは簡単すぎるし・・・」
「簡単って・・あ、前初めてやった新シリーズ1コインでクリアしてたよな・・」
「まぁそんなとこ・・・げっ。やべﾊﾞｲﾄの時間だ。ゴメン今からいかなくちゃ・・」
「いってら～♪がんばって生活費稼いでこい♪」
「てめー人事と思って・・・うっ・・また吐き気が・・」
そして彼らはコード１を後にした。
次なる道へと走り出す為に。

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