BSA / How to Install


インストール方法

要約

ソフトウェアをインストールするアルゴリズムは以下のような感じ。

  1. インストールデータの収集および前提条件の確認
  2. インストール
  3. インストール後の確認

各ステップを詳細に見ていこう。

インストールデータの収集および前提条件の確認

このステップではインストール時に必要なデータを文字どおり「全て」収集する。1時間のインストールプロセスを開始し、ランチに出かけ戻ったら些細な質問でインストールが止まっていて、まだ50分もかかるより最悪なことはない。全データを確実に収集できるよう、技術ドキュメンテーション部門に依頼して文書で必要情報を全て記録する簡単なフォームを作ってもらおう。顧客や技術サポートグループにて後で参照できるファイルに情報を記録するのも良い。データベース接続文字列やプロキシサーバなどの情報をファイルに保存しておくと企業インストール環境にてサポートしやすくなる。

必要なデータを集めたら、実際にインストールする前にできる限り沢山検証しよう。全て動作すると分かるまで開始してはならない。検証には以下のいくつか、あるいは全てを含める必要がある。

空き容量

ストレージシステムに十分な空き容量があるか。インストール環境がPDAや携帯電話、ラップトップ、サーバなのかは関係ない。

接続

ソフトウェアが別のエンティティを接続する必要がある場合、インストール前に確認し、有効な接続が確立できるまでインストールプロセスは中断した方が良い。


必要エンティティの設定

インストールが特定データベースに依存している場合、アプリケーションが正確に構成されていることをも依存しているかもしれない。インストール前に設定をチェックしておけば、デバッグにかける時間を抑えられる。

アクセス権

洗練された権限機能を持つオペレーティングシステムは多くの場合、適切な管理者権限を持つユーザのみソフトウェアがインストールできるような制約を持っており、企業で組織に対してソフトウェアをインストールする場合に適しているが、エンドユーザに対しては上手く機能せず混乱する。双方を満たす簡単なソリューションは存在しないが、特権アクセスの要件を最小化するアプローチを選択できる。

インストール

実際にインストールを開始し、適切な場所にファイルをコピーするシンプルなものもあれば様々なシステムパーツを再構成する複雑なものまである。以下にインストールプロセスにおいて検討すべき事項を挙げる。

進行状況の表示を提供する

ユーザはインストールが進行していることを知る必要があり、一般的なエンドユーザアプリケーションではプログレスメーターを、複雑な企業向けアプリケーションではCUIを通じてフィードバックを得られる。

ビジュアルマップを提供する

非常に複雑なアプリケーションではインストールを複数の段階に整理し、ユーザにフォームやマップを提供し主な処理の完了をチェック可能にする。


進行状況をログファイルで追跡する

ログファイル(第14章を参照)はインストール中に行われた操作や処理を記録するために有用である。インストール失敗時のリカバリだけでなくインストールしたソフトウェアを削除しやすくする。少なくともカスタマー/技術サポートの担当者は何が起きたかを知ることができる。インストールにてあげられた問題に対するユーザ応答を記録しておくのを忘れないようにする。

インストール中断を可能にする

多くの企業アプリケーションのインストールプロセスにて、インストールする人(通常はITシステム管理者)は全てを行いインストール作業につきっきりでいることを想定してしまうが、ITシステム管理者は非常に忙しい。そのため、少なくとも一度は中断されることを想定してインストールプロセスを作成することをお勧めする。

この観点は重要で、最善方法はインストールを中断なしに行いハンズフリーにすることで、次に良いのは必要に応じて途中再開できることだ。各ステップを追跡するインストールチェックリストを提供したり、インストールプロセスを小さく分割し検証しやすくしたりできる。

プラットフォームのガイドラインに従う

ほとんどのプラットフォームはインストールプロセス/プログラムの設計に関するガイドラインを持っているので、学び従おう。

強制再起動を避ける

ユーザに再起動を強制する必要がある場合、いつ行うかの選択肢を与えよう。

不要な質問を避けること!

実行時に質問やパラメータ設定を適切な方法で解決できるならそうしよう。インストール担当者の多くはプログラムに精通していないので、不要で難解な質問は良く言っても無駄だし悪く言うと有害だ。適切なデフォルト値を選択し、後から変更できるようにしよう。

もし質問をしなければならない場合は、ユーザは理解に十分な情報を持っているか、回答でどのような影響がああるか、その回答が他の質問と矛盾していないかを確認しよう。多くはデフォルトの回答を選ぶので、それが最も適しているかを確かめよう。

クロスプラットフォームのガイドラインは無い

特定プラットフォームのガイドラインに従うことの例外の一つに、様々なプラットフォーム下で実行するソフトウェアがある。この場合、基本的に開発チームにとってクロスプラットフォームのインストーラーを書くのは簡単で、サーバサイドのソフトでPerlを使ったことがある。クライアントサイドのソフトでは、時間と労力がかかることになってもプラットフォームガイドラインに従う方が良い。

インストール後の確認

インストールは正しく行われたことを確認するまで完了しない。インストール後の検証は実際のシステム実行に焦点を当てるべきで、インストール後の確認から結果を記録することで正しい結果を得られたか等の問題を解決できる。

多くのインストールプログラムは一時ファイルを作成するので、インストールが検証できたらクリーンアップすること。

うまく動作しクリーンアップしたら、製品のユーザビリティを向上させるために以下の事項を検討しよう。

  • READMEまたは注意事項のファイル:ほとんどの人は読まないが、とりあえず書こう。そうすることで製品に重要な洞察を得られる。
  • ユーザ登録:インストール後、ユーザ登録プロセスが行われることが多い。インターネット接続を確認し、ユーザ登録ができるよう自動的にWebページを立ち上げる。マーケティングの観点から、スパムにならないよう何らかのインセンティブを与える必要がある。

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