BSA / Common Software Business Models / Time-Based Access or Usage


時間ベースのアクセス、または利用

このモデルでは、ライセンス保有者はOSを買うときのように、明確に定義された期間ソフトウェアを利用できる。コアビジネスモデルはソフトウェアのアクセスや利用にもとづく。時間ベースのアクセス、または利用のための期間には以下が挙げられる。

永久

ソフトウェア所有者は永久にソフトウェアを利用するライセンスが与えられる。アップグレードまたはアップデートは通常含まれずに別々に販売される。バグ修正やパッチは元料金に含まれるかメンテナンス料金(通常は15〜30%)を支払う必要がある。永久ライセンスで気をつけたいのは、サポートやメンテナンスコスコが増大してしまうことである(全バージョンを永久に(!)サポートする必要がある)。

永久ライセンスはその潜在的な欠点にも関わらず驚くほど一般的で、多くの市場において必要とされている。消費者向けソフトウェア、ワードプロセッサやプレゼンテーションソフトなどの生産性向上ツール、OS、多くのエンタープライズアプリケーションはこれらにもとづいている。永久ライセンスは、他システムに埋め込まれるシステムや技術を提供する場合に必要になることがある。例えばシステムへのプログラミング言語ベンダによる、ハードウェアデバイスや情報家電のコンポーネントになるランタイムライブラリ(例: Cランタイムライブラリ)。

年間

ソフトウェアはライセンス発行日から1年間アクセスまたは利用できる。ソフトウェアがインストールまたは初めて利用された時をライセンス有効日として定義される。年間ライセンスは多くの場合アップデートやパッチが含まれる。技術サポートやコンサルティング料など他サービスは含んでいる場合も含んでいない場合もあり、通常は更新可能である。更新は自動である場合があり、元の年間ライセンスとは異なる価格である場合もある。

年間メンテナンスを持つ永久ライセンスと年間ライセンスの違いは微妙だが重要である。永久ライセンスはバグ修正や新規リリースなどの追加サービスをメンテナンス料金として追加する方法がある。年間ライセンスの場合、もしライセンス保有者が支払わずソフトウェアを使い続けるとライセンス違反になる。最終的にライセンス期間や条件を決定する必要があり、この章の後半で詳細に検討する。年間ライセンスはエンタープライズシステムにおいて一般的である。

永久、年間ライセンスは最も一般的な定義済み期間だが、他の期間(例: 9ヶ月)やソフトウェアがアクセスされる時間帯(例: 月〜金の9時〜17時)というのは定義できない。難しいのはターゲット市場に最適なものを定義し、適切にビジネスモデルとライセンス期間を強制できるようにすることである。結局のところ、市場セグメントは9ヶ月間、それとも月〜金の9〜17時のみのアクセスを見つけるか?

以下にいくつかの追加時間ベースの利用モデルを紹介する。

レンタル

レンタルは、ライセンスが付与された時に利用許可期間が設定される時間ベースのモデルである。実際は、ただの異なる期間の年間ライセンスである(あるいは年間ライセンスはただの1年間のレンタルである)。レンタルはソフトウェア自動化や電子設計自動化(EDA)を含む特定の業種において人気が高まっている。ライセンス管理技術が成熟するにつれ、レンタルは全ての市場セグメントに渡ってどのアプリケーションもレンタルで利用できるようになると予測している。

レンタルのビジネス動機は説得力がある。一つは、新たな市場に伸ばすことができる。例えばハイエンドのプロのビデオ編集システムをシングルユーザ向けで5万ドルで借りるとする。ホームユーザ市場に届ける一つの方法は、このシステムのより少ない機能でシンプルなバージョンを作ることである。もう一つの方法はレンタルシステム(例えば1時間ごとに100ドル)を提供することである。仕事でシステムを学んだが家で使いたいユーザに対して、レンタル価格は実にお買い得だ。

レンタルモデルで解決すべき重要な問題はレンタル開始時期(ライセンスを払った時?ソフトをインストールした時?ソフトを使い始めた時?)、レンタルが終了する際のソフトウェアの対応方法(プログラムを完全に停止 or いくらかの猶予期間を与えて作業を保存できるようにする)、および価格(2995ドルでグラフィックデザインパッケージの永久ライセンスを購入できるならば1時間のレンタル料金は?)

サブスクリプション

レンタルの対極に位置するのがサブスクリプションで、顧客はソフトウェアにアクセスするため定期的に料金を支払う。サブスクリプションはレンタルや年間ライセンスと似ており、違いは期間と権利である。例えば、レンタルはアップグレードまたはパッチを受け取る権利が含まれない場合がある。ほとんどのサブスクリプションと年間ライセンスはこれを確実に含んでいる。レンタルやサブスクリプションは技術サポートを含んでいる場合がある一方、年間ライセンスは多くの場合追加契約を購入する必要がある。サブスクリプションはバックエンドサービスと関連付いていることがあるため、それらを定義するライセンスモデルは比較的簡単に強制できる。単にバックエンドサービスへのアクセスを遮断するだけ!


後払い

時間ベースの利用モデルで興味深い疑問が発生する。承認期間後にアプリケーションにアクセスしたらどうなるの?この質問の答えようによっては、あなたの顧客との関係またはあなたの銀行口座を壊すことになる。もしくは猶予期間無しのビジネスモデルの絶対的な実施である。期間が終了すると、ソフトウエアは動作不能になる。この非常に厳しい選択はほとんどのターゲット市場にとって適切ではない。新たなビジネスモデルは顧客の利用期間を追跡することでソフト利用後に請求するものである。このモデルはターキテクチャ(下記参照)上の複雑な問題に直面するが、企業はソフトウェアの利用で料金を受け取っていることを確かめることができる。

例えるならばカーレンタルがある。通常車をレンタルする日ごとに請求する。元の契約を超えると、自動車会社は請求を継続する(会社はクレジットカード情報を持っており請求率はあらかじめ定義されている)。この後払いモデルはビジネスモデルやライセンスモデル、課金システム間の関係が成熟するにつれ、マーケテクトが強制的な「後払い」ソリューションを作る新しい機能を学ぶにつれ、より一般的になってきている。

ユーザごとのライセンス

時間ベースのアクセスおよび使用ライセンスを使うソフトウェアの特別なカテゴリとして1台のパソコンやワークステーション、携帯端末で動作するアプリケーションがある。グループとしては、これらのライセンスは「ユーザごと」と呼ばれ、500ドル未満の料金がかかる。パブリッシャーが1ユーザに1コピーをライセンスする場合には上手く機能するが、企業に500から5000のライセンスを売ろうとする場合にはあまりよくない。

この問題に対処するため、ほとんどの主要ソフトウェアパブリッシャーはより効果的にエンターブライズ(企業、慈善団体、学術機関)に届けられるようボリュームライセンスプログラムを作成している。ボリュームライセンスプログラムは基本的に新しいものではないが、アクセスまたは使用ベースのビジネスモデルにもとづいて洗練した価格モデルである。彼らはエンタープライズ向けに複数ライセンスを割引価格で得る方法を提供している。ライセンスが増えるとより割引される。

トランザクションボリュームライセンスプログラムにおいて、ハイエンドの高級な製品は5ポイントでローエンドの安価な製品は1ポイントのように各製品はいくらかのポイントを付けている。企業は発注書を作成(このソフトには500ライセンス、あのソフトには230ライセンス)し、合計ポイントは動的に計算される。適用可能な割引はトランザクションによって得た合計ポイントにもとづいて計算される。

契約上のボリュームライセンスプログラムでは、企業は予定期間分のライセンス数を推定し、契約にて指定された時間による最低限のライセンスを取得する。最小数のライセンスを購入すると割引の権利が与えられる。追加ライセンスを取得するとおまけの割引があり、十分なライセンスを持ってない場合は罰則を与える。

トランザクションと契約のライセンスプログラムは、それらを提供する企業によって高度に統制している。1つの企業に同じソフトを複数コピー売る場合について考えてみよう。このようなライセンスは企業で使用できるアプリケーションに適している(ゲームはおそらくボリュームライセンスは良い選択ではない)。ターゲット市場が単一ユーザや単一マシンであるパーソナル資金管理プログラムをボリュームライセンスとして提供したくない場合もある。よって、マーケテクトは、ボリュームライセンスプログラムが顧客や製品ラインに提供できる利点というのを認識しておく必要がある。

OEM

時間ベースのアクセスまたは使用の別カテゴリとしてOEM(Original Equipment Manufacture)または使用料マーケットがある。ビジネスモデルはソフトウェアのアクセスである。価格モデルはなんでもあり(OEMの場合)、または使用料が適性に定義されている。

担当者のつぶやき

  • そろそろOSを「買う」というのがマイノリティになっている昨今、時代を感じる。

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