第一の習慣:主体性を発揮する


7つの習慣

主体性を発揮する

自己責任の原則

人間には「自覚」という能力があり、自分の考えそのものについて考えることができる。
この能力を使って、自分自身が自分のことをどう見ているか、そして他人をどう見ているかを理解しなければ、他人が自分のことをどう見ているか、あるいは世界をどう見ているかを理解することはできない。

  • 「センスあるよね」
  • 「君が成功するなんて、信じられない」
  • 「どうしてこんなことも理解できない?

こういった言葉は、本当の姿ではなく発言した人のパラダイムを投影しているだけである。
(パラダイム=反応のしかた)

刺激、反応、選択の自由

人間は、刺激と反応の間に「選択の自由」を持っている。

自分の身に何が起きるかではなく、それにどう反応するかが重要なのである。
なので本当は、自分の身に起こる出来事によって傷つけられるのではなく、自分がその状況を容認するという選択によって、傷を受けるのである。
害を受けて悲しむことがあっても、それによってアイデンティティーや人格が害される必要はない。
むしろ、つらく厳しい経験によってこそ難しい状況に対応する能力が高まり、人格の形成や内的な力の育成につながる。

そして困難に直面した人は、従来と全く違った見地から世界・自分自身・周りの人を見るようになる。

主体性

主体性とは、自分の人生に責任をとるということである。
私たちの行動は周囲の状況からではなく、私たち自身の選択によって決まる。
主体性のある人は自分の行動に対する責任をとり、状況や環境のせいにしない。
彼らの行動は自らの価値観に基づく意識的な選択の結果であり、状況によって起きる一時的な感情の結果ではない。

反対に反応的な人は、周りの環境から大きな影響を受ける。
その時折の感情、状況、条件づけ、環境などに左右される。
それによって自分の責任を否定してしまう。
また決定づけられているというパラダイムをさらに強く持つことになり、その信念を支える証拠を自分で作り出してしまう。
するとますます被害者意識に陥り、生活のコントロールを失い、自分の人生を自分で作るの雨量をなくしてしまう。

そうではなく、水から深く考え、選択し、内面化した価値観に基づいて自らを支配するのが主体的な人である。

また、人にきちんと責任を取らせることは、その人の主体性を肯定することになる。
人の主体性を認め、それを尊重するとき、その人の本来の姿を正確に映し出す社会の鏡になれる。

主体性と、単なるプラス思考、前向きな姿勢とは違う。
現在の状況と今後予測される厳しい現実を直視し、それでいてその状況や予測に対して積極的な反応を選択することができるという現実も認識することが、主体性である。

ちなみに、愛は動詞である。愛という行動の結果、愛という気持ちが生まれる。

影響の輪、関心の輪

関心の輪の中で、影響の輪に努力と時間を集中させる。
関心の輪に意識を集中させると、自分の無力感と物足りなさをさらに痛烈に感じてしまう。

すべての問題は

  • 直接コントロールできる問題(自分の行動と関係している問題)
  • 間接的にコントロールできる問題(他人の行動と関係している問題)
  • 全くコントロールできない問題(過去の出来事など)

に分けられる。
直接の問題→第1,2,3の習慣
間接の問題→第4,5,6の習慣
コントロールできない問題→自分の態度を変える。気に入らなくても変えられない状況に対して、笑顔を作り、穏やかな気持ちでそれを受け入れる。

主よ、変えるべき変えられることを変える勇気を、変えられないことを受け入れる平和を、そしてその区別をつける知恵を与えたまえ


インサイド・アウト

関心の輪が「持つ」ことに意識を集中させるのに対して、影響の輪は「なる」ことに意識を集中させる

問題が自分の外にあると考えるならば、その考えこそが問題である。
なぜならそれは自分の外にある事柄に支配されることを容認することであり、変化に対するパラダイムがアウトサイド・インになることを意味しているからである。
つまり、私たちが変わることができる以前に、あるいは状況を改善することができる前に、外にある事象が変わらなければならないという考え方である。

主体的なアプローチでは、自分のあり方(自分の内にあるもの)を変えることにより、自分の外にあるものをプラス方向に転換させることができる。

本当にその状況を改善したいのであれば、コントロールできる唯一のもの―自分自身―に働きかけることである

  • 相手を正そうとせず、自分の欠点を取り除くように働きかける
  • 無条件に人を支えるようにする

コントロールできない要因を受け入れて、コントロールできるものに努力を集中させる。

成功は失敗の彼方に

行動は選択できるが、行動の結果は選択できない。それは関心の輪の中に入っている。
過去の失敗、間違いはすべて関心の輪の中のものなのだ
なので、後悔するのではなく、すぐに間違いを認めてそこから得られる教訓を学ぶ。
このアプローチによって、失敗は成功のもとになる。

約束

自分自身や人に対してする約束とそれに対する誠実さが、私たちの主体性の本質であり、そのもっとも明確な表現である。そこで

  • 約束をし、それを守ること
  • 目標を設定し、それを達成するために働くこと

''自他に対する約束を守ることによって内的な誠実さが育成され、自制心と自分の人生に対する責任を引き受ける勇気と力が湧いてくる。

幸も不幸も、主体的な選択の結果にすぎない