電気電子設計/リニアレギュレーター

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電気電子設計

電源(リニアレギュレーター) †

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1.電源とは
2.非絶縁オンボード電源の種類
3.　1.リニアレギュレーター動作原理
4.リニアレギュレーター実際の回路_動作検証
5.リニアレギュレーター実用回路
6.リニアレギュレーター発熱

1.電源とは？ †

基板への入力電源をマイコン等の供給先デバイスに合うように電力を供給する回路です。
AC入力をDCへ変換するものもありますが、ここでは実際の基板で頻出のDC-DCのみ扱います。

代表的なものは、非絶縁タイプのものです。
絶縁タイプのものもよく使いますが、時間の都合上、非絶縁タイプのものとします。

違いはGNDの接続の仕方にあります。

・図1 非絶縁DCDC

・図2 絶縁DCDC

上図のように、絶縁タイプは基本的にトランス内蔵となります。入力側と出力側の電流が独立していますので"絶縁"です。
非絶縁タイプはトランスが不要なため、方式によって小さくできます。

2.非絶縁オンボード電源の種類 †

電源というと、ユニットで動作させるATX電源のようなものもあります。
基板上に実装して使用するタイプのものはオンボード電源といいます。
オンボード電源には発生頻度の高い下記3種類（①、②、③）を覚えておくとよいでしょう。

１．リニアレギュレーター （またはドロッパー、シリーズレギュレーターなどと呼称）－－－－－－①
２．スイッチングレギュレーター 
　2-1.ダイオード整流レギュレーター　－－－－－②
　2-2.同期整流レギュレーター　－－－－－－③

ここではまず1だけを扱います。

3. 1.リニアレギュレーター動作原理 †

１．リニアレギュレーター（またはドロッパー、シリーズレギュレーターなどと呼称）

入力5[V]から2.5[V]を生成することを考えます。
回路はどのようにしたらよいでしょうか？

・図1-2　電源仕様

知っているものとして、抵抗分圧があります。この2つ抵抗の真ん中あたりから電圧が取り出せないでしょうか？

・図3抵抗分圧での2.5[V]出力回路

できました。これでよいでしょうか？
しかしこの回路には落とし穴があります。実際これは稀でめったにみかけません。（たまに見かけますが...）

それはなにかというと、負荷をつなぐと2.5[V]出力を維持できないということです。

ここで、実際に負荷抵抗RLをつなげてみます。
下図参照ください。GND側抵抗R2の値が変化しますので、2.5[V]出力ではなくなってします。

・図4抵抗分圧2.5[V]出力回路　負荷RL追加

GND側は、R2とRLの合成抵抗です。出力は確かに変化しそうですが、この値がいくつか調べる必要がありそうです。

"並列に抵抗を入れると電流の流れるルートが増える"から、つなげればつなげるほど抵抗値が下がるイメージです。

R2とRLの合成抵抗は下図の通り求められます。

・図5 R2,RLの合成抵抗求め方

R2,RLの合成抵抗の算出方法がわかりましたので、出力電圧を計算してみます。

・図6抵抗分圧出力回路出力電圧算出

このように、負荷が増減すると、出力電圧が変わってしまうことがわかりました。
これでは困ります。

そこで少し工夫します。
唐突ですがトランジスタを入れます。
理由は下図中に記述しました。

・図7抵抗分圧にトランジスタTr1追加

しかし、これだと、出力側にも5[V]が出てしまいます。
これを2.5[V]に抑えたいです。
さて、思い出してください。

いままで、あった素子の中で、 "出力電圧が高くなると小さくするように、出力電圧が低くなろうとすると高くなるように"働く素子がなかったでしょうか？

2.5[V]を基準に、その動作をしてもらえばよいのではないでしょうか？

・図8 オペアンプ追加

つまり下図のようにいれます。

・図9　オペアンプ追加2

これで、動作としては問題ないです。
これが、リニアレギュレーターの正体なのです。

4.リニアレギュレーター実際回路_動作検証 †

さて、設計した回路をシミュレーションで確認してみます。回路は下記の通り。

・図9-1　非絶縁DCDCコンバーター　回路図

シミュレーションは下グラフの通り。ちゃんと2.5[V]出力されているのがわかります。

・図9-2　非絶縁DCDCコンバーター　リニアレギュレーターシミュレーション結果

電圧精度を見てみますと、下記の通りでした。

・図10 出力電圧精度

またR2=99[Ω]とする(-1%ずれ)とどうでしょうか？

・図11 R2=99[Ω]回路図

出力精度は下記の通りとなりました。

・図12 出力電圧精度

抵抗-1%のずれで、出力電圧は、2.5000275[V]→2.487456[V]なので約-0.5%です。
リニアレギュレーターの精度の高さが良くわかります。

実例として。
下記ROHMのリニアレギュレーターは、1.5%の精度だと謳われています。

・図13 ROHM製リニアレギュレーターdatasheet抜粋

このようにリニアレギュレーターの出力は大変精度が良いですので、たとえば3.3[V]→3.1[V]程度(約-6%のずれ)でも相当怪しいです。

これは根本的に設計値自体が3.3[V]ちょうどでない可能性が高いか、
不具合がある可能性があることを示唆しています。

5.リニアレギュレーター実用回路 †

実際の回路に近づけます。

・図14　非絶縁DCDCリニアレギュレーター

電源IC内部を隠しますと、みなれたレギュレーターの形となります。

・図15　非絶縁DCDCリニアレギュレーター

5.リニアレギュレーター実際回路の発熱 †

上記みてきたように、リニアレギュレーターの動作は、平衡状態(瞬時に出力を指定電圧に収束)です。
つまり、負荷が変わらない限り、一定の電流が電源ICの中を流れますが、これがすべて損失(発熱)の要因となります。

・図16　非絶縁DCDCリニアレギュレーター発熱

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