ストテラを物凄い勢いでクロニクる原稿置場。


 骨を粉々にするぐらいの威力の炎を出せたらいいと思わない、とキラガシは言う。暗室。ようやくの目覚めなのに、頼むのはそれか、と影王はかなりうんざりした調子で返す。コウノトリは二度笑う。唇は蔦の様にしなり、絹のような身体は影王に纏わりつく。ハッピーバースデー影王。女狐が、と影王。狐は狐でも、花よ。花は花でも、狐という訳か。ふん、と影王は不満げに息を漏らす。ハッピーバースデー影王、ううん、四十二番目の法王様。あなたの力は法となる。法なんてそんなものよ、あなたの言論は全て認められる。あなたがたとえどんなに支離滅裂な論をふりかざそうとも、あなたの発言は全て認められる――ここでキラガシは口を閉ざす、いえ、もうそれを認める人も居ない、ということなのかもしれないわね……あなたがひとつの街を荒野にして、そしてあなたがどのような法を振りかざせるのかしら……ねえ法王、その名は止めろ、と影王、あらため四十二番目。……ふふ、と。笑うのか? 笑いましょう。壊すのか? ならば壊しましょう。祭るのか? ならば祭りましょう、王、祭の王様。王は不満そうながらも、まんざらではない、と言い、シガラキの身体に寄り掛かる。いくら暗くとも、闇は城ではない、と法王。光あれ、と。我が世に光あれ、と。空蝉の者達の夢が終わるとき、わが世に光あれ。

  • さっそく飽きたので一時保存。