当ブースでの「SR4って何?」デモンストレーション、テキスト版~

原文"What is SR4" Demo, My booth demo in text format
 私は、二日間で10回以上も“スピーチ”を繰り返したので、ここにそのテキスト版を用意しました。これは長い思考の流れで、私がデモで喋ったことをそのまま載せています。あるいは皆さんは、私が基本的にはただ“変更点”チェックリストをなぞってその内容を詳しく説明しているだけだと気付くかもしれません。

 ええと、私はBull、今晩の皆さんのGMです。まず始めに・・・シャドウランの基本的な設定についてはご存知ですか? ええ、それなら1時間もかけて「これがシャドウランの世界だ」演説をしなくてもすむ分、話はずっと簡単になります。さて、最初にシステムの大きな変更点を説明しましょう。

 まず、今までの意味での“ダイス・プール”はなくなりました。コンバット・プール、アストラル・プール、ハッキング・プール、リギング・プール、カルマ・プール・・・全部です。現在の根本ルールでは、技能+能力値±ダイス数修正が、テストに使用する“ダイス・プール”と呼ばれるものになっています。
 目標値は5で固定され、成功したサイコロは当たり/Hitと呼ばれます。修正は、目標値ではなくダイスプールのサイコロ数に対して行われます。
 「1のルール」はより頻繁に発動するようになりました。皆さんの経験は知りませんが、何年も何年もシャドウランをプレイしている私ですら、参加しているセッションで「1のルール」が発動したのはわずか3回で、その内1回はそもそもプレイヤーがサイコロを2個しか振らなかったせいでした。性悪でプレイヤーいじめの大好きな我々は、「1のルール」はより頻繁に発生すべきだと考えたのです。
 さて「1のルール」は事故/Glitchと呼ばれるようになりました。サイコロの半分以上の出目が1ならば事故が発生しますが、事故には二種類あります。事故が発生してもなんらかの当たりがあれば、それは小事故/minor glitchであり、ちょっとした不都合なことが発生します。痛手には違いありませんが、大惨事ではありませんし、それでもなお試みていたテストに成功することがあります。例えば、誰かを撃つためにサイコロを8個振り、1が4個と当たりが3個出たら、「よろめいて次の行動に1点か2点のペナルティを受ける」などといった結果になりますが、目標に命中させて負傷させたり殺したりできるでしょう。
 事故が発生して成功数がなければ、それは致命的事故/Critical Glitchと呼ばれ、何らかの破滅的な大惨事が発生します。どちらの事故でも具体的な結果はGMが決定しますので、買収していい気分にさせてあげましょう。キャンディーやコーヒーやピザ、ビールなどが有効です。
 「6のルール」は、少し後で説明するいくつかの状況を除いては、適用されなくなります。目標値は5で固定なのですから、さらに高い目標値を求めて振り足しを行う必要はないのです。
 テストには三種類――対抗テスト/Opposed Test、基準値テスト/Threshold Test、連続テスト/Extended Test――があります。
 対抗テストはお馴染みの「こちらのサイコロ対相手のサイコロ」テストで、相手や抵抗対象よりも多くの当たり数を必要とします。
 基準値テストは、単純に行動を試みる際の、基本的には相手のいないテストです。登攀などは基準値テストになるでしょう。GMはテストの成功に必要な当たり数の基準を指示します。基準値が1〜2なら比較的簡単で、4〜5なら結構困難です。基準値の高低はGMが決めることなので、ここでも買収が極めて有効です。

 知力は直感と論理の2能力値に分かれました。その主な理由は、かつての知覚力が常に知力を基準としていたのがおかしかったからです。恐ろしいほど賢明でありながら周囲には鈍感であったり、逆に極めて注意深いけれども明晰さに欠けていたりすることが有り得るのです。
 敏捷力も二つの新能力値――敏捷力と反応力になりました。敏捷力は手と目の連携で、反応力は速度です。
 イニシアティブは、(旧版と似て)反応力+直感で算出される派生能力値になりました。
 キャラクターのターンごとのイニシアティブ・パスないし行動回数は、変動しなくなりました。代わりに、サイバーや装備や活性中の魔法に基づく固定の値があります。通常の非強化キャラクターは1個のイニシアティブ・パスを持ち、強化反射神経などで追加のイニシアティブ・パスが得られます。ですから強化反射神経:2の持ち主は、パスを2個追加されて、各ターンに三回行動します。
 「エッジ」と「共鳴」という二つの新しい能力値が追加されました。

 少し話がずれますけれど・・・(ここで、〈クラッシュ 2.0〉とアップグレードされたマトリックスについて、また強化現実やハッカーや新しいワイヤレス世界、そしてありとあらゆる物がそれとどう接続しているのかについて若干脱線しました)。そういうわけで〈クラッシュ〉の時の事件が〈オタク〉を“開放”しました。彼らは現在よりもある程度は一般的になり、もはや、かつてそうであったような「百万人に一人の都市伝説」ではなくなって、成長して「生身の男」になることができ、成熟によって能力を失うことはなくなりました。彼らは今では「テクノマンサー」と呼ばれ、「共鳴」という能力値(魔法使いやアデプトにとっての魔力と似ています)を持っています。
 テクノマンサーは、必要とあらばハードウェアを使わずに巧妙なハッキングを行うことができます。彼らの脳は強化現実を認識し、他のシステムにワイヤレスで接続できるするよう設定されています。データの保存と接続のためにコムリンクは必要ですが、プログラムの類は必要としません。
 テクノマンサーは、スプライト/Sprites(助力を行うことのできる一時的なマトリックス・コンストラクト)を生成することができます。これらはバラバラのコードに戻る前に一定回数や一定期間の助力を行えるという点で、シャーマンの召喚する精霊と似ています。彼らは魔法使いが呪文を使うようにフォーム/formを使用し、その際に呪文によってドレインを受けるように一時的な脱力/Fadingを受けます。

 もう一つの新規能力値は「エッジ」で、カルマ・プールの代わりとなりますが、更に柔軟です。以前のデモでは若干の混乱があったため、エッジには能力値の「エッジ」と「エッジ・プール」の二つがあるという点を明確にしておきましょう。エッジの使用によってエッジ・プールは減少しますが、能力値の方は変化せず、そのためこのセッションで3点のエッジを使用した場合でも能力値のエッジは4のままです。エッジで行えることはいくつかあります。
 判定の後にエッジを使用することで、エッジ・ダイスだけを振ってその当たりをテストに追加することができます。振り足し(訳注:第四版では、達成値の上昇ではなくサイコロの追加です。6→5の出目は、これまでのような「達成値:11」ではなく「2個当たり」になります)が行えるのはこのエッジ・ダイスだけであり、本来の判定で出た6の目は振り足せません。これは成功数が足りない時、またテストに成功するためのサイコロ数が足りない時に有効です。
 1点のエッジを消費して、第三版でカルマ・プールを使った場合と同様に、失敗したサイコロ全てを振り直すことができます。
 修正によってダイス・プールがゼロ以下になった場合、エッジ・ダイスだけで判定する大穴テスト/long shot testを行うことができます。これらのサイコロは振り足し可能です。
 1点のエッジを消費して、あるイニシアティブ・ラウンドで最初に行動することができます。複数のキャラクターが先手を取るためにエッジを使った場合、イニシアティブ値を比較します。
 1点のエッジを消費して、現在の戦闘ターンにおけるイニシアティブ・パスを一つ追加することができます。
 1点のエッジを消費して、事故の影響を相殺することができます。
 エッジは使い方次第で非常に強力なので、サイバーも魔力もないキャラクターでもエッジさえ伸ばせばそうした相手と渡り合うことが可能になります。
 エッジは、カルマ・プールと同様に、ゲームセッションや冒険の終了時に回復します。また、賢明な行動や印象的なロールプレイでGMを圧倒したり大きなストーリー上の目的を達成したりといった、プレイ中にエッジ・プールを得る方法についての提案もあります。これはGMの専断事項なので、今度もGMを法外な代価で買収しましょう(私はGM買収ネタが好きで、大抵はウケを取れます)。

 魔力の開始値は6ではなくなりました。代わりに、他の能力値と同様に購入します。メイジやアデプト等になるためには有利な特質/Positive Qualityを取得して、それから他の能力値と同じ様に魔力を購入します。共鳴も同様です。
 魔法使いの魔力を引き下げたのは、ゲームがより低レベル嗜好になり、また他のキャラクターとのバランスを保つ必要があったからです。それでも、プレイ中にイロイロなことができる選択肢は残っています(それについては後でちょっと触れましょう)。更に、今まで「ランナーとしてのキャリアを始めてから〈覚醒〉したり自分が魔法的に活性であると気付いたりするキャラクター」というアイデアを採用した小説等がいくつかありました。今までは、魔法使いになった時点で魔力レーティングと呪文ポイント一式が得られたため、このアイデアを本当に再現することはできませんでした。
 今では、魔力や呪文を無視して魔法使いの特質だけを購入することができます。あなたのキャラクターは「魔法の素質」を持っているけれど、それに気付いていないのです・・・そしてゲームプレイとロールプレイを通して己の魔法の才能を“発見”し、カルマの消費などによってそれを開発していくことができるのです。
 バイオウェアとサイバーウェアは両方ともエッセンスを消費するようになりましたが、低い方のコストは半分になります。ですから4点分のバイオウェアと2点分のサイバーを持っているならば、消費エッセンスの合計は5点になります。
 排他行動/Exclusive actionはなくなりました。

 技能群/Skill Groupというものがあります。総合的な技能リストに追加された新技能がいくつかあり、また乱用された技能の多くが技能群にまとめられました。ただし、全ての技能が技能群に属しているわけではありません。開始時の能動技能の最大レーティングは、「レーティング:6が1個」か「レーティング:5が2個」で残りは4以下です。キャラクター作成時に技能群を4を超えて上昇させることはできません。キャラクター作成時に技能群を踏み台にしてその中の特定技能を上昇させることはできませんし、技能群の技能を専門化することもできません。
 キャラクター作成後にカルマによって技能群を分解してその中の特定技能を上昇させることは可能です。ですが、一度そうしてしまったら、単一の技能群としてカルマで上昇させることはできなくなります。再び技能群にまとめるには、全ての技能レーティングを最大のものに統一しなければなりません。

 コンディション・モニターは10マス固定ではなくなりました。今では8+能力値(身体ダメージでは強靭力、精神ダメージでは意志力)の半分(端数切上げ)です。微傷、軽傷、重傷といった負傷レベルはなくなりました。代わりにダメージの3マスごとに−1の修正を受けます。3マス単位なので、最初の2マスでは影響を受けません。
 戦闘関係のテストは全て対抗テストです。
 接近戦闘では、攻撃者は武器技能や素手戦闘技能と適切な能力値で判定します。防御には三つの選択肢があります。武器とそれ用の技能があれば、受け/parryを試みることができます。素手戦闘技能があれば妨害/blockを試みることができますが、場合によってはGMが認めないこともあるでしょう。トロールがモノソードで切りかかる時に、腕で妨害しても意味があるとは思えません。そして最後に、攻撃の回避/dodgeを試みることができます。ええ、つまり回避は能動技能になったんです。
 銃弾の場合、弾を避けるのは難しい(全力で注意していないなら尚更)ため、少し込み入ってきます。基本的に射撃戦闘に対して回避技能は使えませんが、抵抗するための反応力のサイコロは常に得られます。また自分の手番で回避を選択した場合、そのターンの終了時まで回避+反応力で判定を行うことができるようになります。自分の手番でないときでも回避は宣言できますが、その場合は次の行動を消費してしまいます。
 負傷レベルがなくなったため、武器のダメージもそれとは関係なくなります。アレス・プレデター4を例に挙げると、そのダメージは「5P(−1)」です。これは、この武器の基本ダメージ値/Damage Valueが5で、文字はP(身体ダメージ)かS(精神ダメージ)、そして括弧内の数字は貫通修正/armor penetration modifierです。武器のダメージ値は、修正がない場合に武器がもたらすダメージの量です。
 さて、サンプル戦闘はこんな感じになります。私はアレス・プレデター4を持ち、あなたは防御レーティングが「8/6」のアーマー・ジャケットを着ています。私があなたを撃つ場合、私のピストル技能は4で敏捷力は4なので8個のサイコロを振ります。あなたは回避していないので反応力だけで防御し、3個のサイコロを振ります。私は2個当たり、あなたは1個当たりだったので、差し引き1個命中しました。この差し引き当たりをダメージ値に追加して、修正したダメージ値は6になりました。私の貫通修正である(−1)があなたの防具に適用され、防御レーティングは7になりました。そしてここで、私が気に入っている第四版変更点です・・・
 私の修正ダメージ値があなたの修正防御に勝てなかったので、銃弾は貫通して身体ダメージを与えることはなく、代わりに衝撃が浸透して打撃を与え、ことによっては肋骨を折るかもしれません。抵抗しなければならないダメージ量に変わりはなく、身体ダメージであれ精神ダメージであれ負傷修正は同じです。そして昏倒した敵は死んだ敵と同様に戦闘不能なので、このルールで戦闘がぬるくなることはありません。
 いずれにせよ、あなたはダメージ値:6で撃たれました。そこで強靭力+修正防御レーティングで抵抗します。強靭力:4で防御レーティング:7としましょう。4個当たりを出して、ダメージを2マスに減少させました。

 ダメージ呪文も同様の処理をします。但し、魔法を過剰行使/Overcastすることができます。基本的に、呪文の習得時にフォースを指定する必要はなくなり、単純にその呪文を習得して、唱える時に魔力の倍を上限としてフォースを指定します。フォースが魔力を超えるならばドレインは精神ダメージではなく身体ダメージになります。
 魔法に関する大変更が一つあります――系統の違いが若干曖昧になりました。過去5年間で、新技法によるものにしろ上昇した魔力濃度によるものにしろ、二つの主要系統は相手の特技をいくつか吸収し、その結果メイジもシャーマンも従属精霊/Bound Spirits(かつてメイジが召喚していた精霊)と非従属精霊/Unbound Spirits(シャーマンが召喚していた精霊)の両方を召喚できるようになりました。一度に支配できる非従属精霊は1体だけで、従属精霊の数は魅力が上限であることに変わりはありません。
 ただし、従属精霊を支配している魔法使いには制限があります。それぞれの従属精霊の支配を維持するにはある程度の精神集中が必要です。そのため活動している(呼び出されて実際に利用されている精霊のみ、待機中の精霊は含みません)の1体ごとに、全てのテストに−2の修正を受けます。

 他にもありますが、今はとても疲れている上に少し酔っているので、いくつか抜けがあるかもしれないけれど寝ることにします。以上の内容が有用であれば幸いですが、そうでなくても文句を言わないでください。

 Bull

 (翻訳 Janus)

ジェンコン2005:ジェンコン・セミナー続報――ファンプロは今どうなってる?~

原文[[GenCon 2005: Follow-Up - GenCon Seminar: What's Up With FanPro?: http://www.gamingreport.com/article.php?sid=18353]]
筆:ウェイン・トニーズ
 シャドウラン・デベロッパーであるロブ・ボイルは、シャドウラン第四版――このショーに陳列された最新商品からセッションを開始した。これの開発には、愛されている世界設定があまりにも煩雑なルールに飲み込まれているという問題を解決するために、2年間を必要とした。第四版は、サイバースペースなどの難解な要素に対するよりよい解決方法を模索しつつシステム全体を整理した。新ルールと設定の一部を導入するために、時代設定も先送りされた。
 『システム・フェイラー/System Failure』が、ジェンコン前に出版される予定ではあったものの、そのすぐ後に続く。これは現行のシャドウラン・システムでは宙に浮いていた三つの主要な筋書きを解決する舞台を提供する。この作品については大量のネタ晴らしが存在するため、出席しなかったファンは知る機会を逃した。
 第四版の新製品にはDMスクリーン(ゲームマスターが好きな情報を掲示できるように、空白のページが一つある)がある。『オン・ザ・ラン/On the Run』は初心者プレイヤーとゲームマスターへの導入用シナリオだ。『ランナー・ヘイヴンズ/Runner Havens』は、代替キャンペーンの舞台を二つ提供するシリーズの第一弾として、旧版の主要な領域を超えて設定を拡張する。第一巻は昔ながらのシアトルと新規の香港に焦点を当てている。
 『ストリート・マジック/Street Magic』は新システム用の上級ルールブックとしては最初のものとなる。これは魔法と世界におけるその使用の影響を集中して扱う。これらのルールはルールを複雑にするが、ファンプロは新コアルールの新しい機能性と使いやすさを維持するよう努めるだろう。その他のソースブックには、サイバネティクスと一般的な肉体改造を扱う『オーグメンテーション/Augmentation』と、サイバースペースとテクノマンシーを扱う『アンワイヤード/Unwired』、一般装備や機体やテクノロジーといったゴツゴツしたもの全てを扱う『アーセナル/Arsenal』、そして大量のクリッターと一般的な作成システムを収録する『ランニング・ワイルド/Running Wild』がある。

 (バトルテック関連の記事については省略)

 ウィズキッズのシャロン・マルヴィヒルは、シャドウラン小説シリーズの再開を宣言した。先鋒を切るのは三部作で比較的新米のシャドウランナーをこの世界に案内する、スティーブ・ケンソンだ。ジェイソン・ハーディ、ジョン・ヘフナーズ&ジーン・レイブ及びステフェン・デッドマンは、それぞれ1冊を執筆して最初の6冊を提供する。時代設定は現在の第四版とずれているが、続刊はゲーム・シリーズとより密接に結びつく予定になっている。古いシャドウラン小説の雑学コンテストで、一部の執筆済みプレビューが手に入る。
 出席した執筆者達は出版される本について大量のネタ晴らしを提供した。三部作の仮題は『ボーン・トウ・ラン/Born to Run』『ポイズン・アジェンダズ/Poson Agendas』『フォーリン・エンジェルズ/Fallen Angels』となっている。残りの小説はタイトルの命名に至っていない。詳細については6冊目に付いてしか述べられなかったが、ここでネタ晴らしを行うつもりはない。
 その後、ファンプロの新旧プロジェクトに関する短い質疑応答が行われた。
 (翻訳 Janus)