陸遜の次男にして孫策の外孫。
二宮の変で陸遜が憤死すると、早世していた兄に代わり二十歳の若さで軍を継ぐ。
父を埋葬するため故郷に戻る途中で建業に立ち寄り孫権に拝謁すると父の疑惑について詰問されるが、
一つ一つ丁寧に疑惑を晴らし、孫権を納得させている。
(判断力が衰えていた当時の孫権を説得した、というだけで大したものである)
この一件は孫権にとってかなり堪えたようで、この後陸抗が病気の治療のため建業に戻り回復すると、別れ際に
「私はかつて讒言を信じて、君の父の信義を裏切ってしまった。このことは本当に申し訳なく思っている。
どうか、君の父に送った詰問状は全て焼き捨てて欲しい」
と頼んでいる。
孫皓の代になって荊州方面の総司令官になると、終生の好敵手となる羊祜と対峙する。
羊祜とは互いに認めあう仲で、自身が病気に罹ったと聞いた羊祜が薬を贈ると疑うこと無く飲み、
回復後に返礼として酒を贈ると、羊祜もこれを迷わずに飲んだという。
あまりの無警戒ぶりから、どちらも主君に怒られはしたのだが、陸抗が病死するまで晋呉の国境付近は平穏であったという。