人物紹介 / 費イ


費褘

劉備の蜀入り後に仕えた人物の一人で、諸葛亮、蒋琬、董允と共に蜀の四相と称された実力者。

北伐の陣中で魏延と楊儀の喧嘩を仲裁し、この二人が使い物になったのは費褘のおかげというのが陳寿の評価である。
諸葛亮が没し魏延と楊儀が本格的に対立すると、まずは勇猛で傲慢な魏延を敬遠していた他の文官たちと共に楊儀を支持し、
その後結局蒋琬が諸葛亮の後釜になったため楊儀が不満を述べると、これを密告するなど穏健だけではない一面も持つ。

本作ではシリーズ通して文官イメージの強い人物となっているが、史実では軍才にも優れ、
曹爽率いる魏軍が蜀に侵攻した際は、前線の王平と協力して撃退している。
蒋琬の後を継いで自身が大将軍となっていた頃には、戦に逸る姜維を
「丞相でさえ成し遂げられなかったのに、丞相に遠く及ばない我々に北伐など出来ない」と冷静に諫めるなど、
抑え役のポジションが目立つ。

呉を訪問した際、孫権の意地悪で呉の重臣から揃って無視される仕打ちを受けたが、
「麒麟は鳳凰が来たら食事をやめたが、ここは驢馬しかいないの?」と言って諸葛恪を激怒させた。

仕事ぶりも優秀だったが同時にかなりの遊び人でもあり、尚書令として仕事をきっちりこなしつつ宴会や博打を楽しんでいたという。
後任の尚書令となった董允がこれを真似すると10日も持たず仕事が溜まってしまい、「人の能力の差とはこれほどか!」と嘆かせた。
しかしそういった豪放な大らかさが無警戒さにもつながっており、張嶷から注意を受けるほどだったが直すことはなかったようで、
宴会で酔っ払った所を魏からの降将・郭循に刺殺されてしまっている。

彼を殺した郭循という人物はその場で殺されたとされ、彼の真意は結局謎のままであり
郭循の行動に関しては様々な説が唱えられている。
・魏の愛国者として手柄を立てるためにわざと降った単独犯。
・北伐のために邪魔なので姜維が障害を取り除くために彼を刺客として放った。
・司馬一族が劉禅を諫める人間を除くために降らせた。
・その司馬一族に献策した賈充の策。
等、多くの憶測がなされている人物。
本当は直接劉禅を殺す気だったが、無理そうだったので費褘に狙いを変更したとも言われる、謎の多い人物。

費褘を最も有名たらしめているのは、前述にある姜維の北伐を諫める策の提案であろう。
彼は諸葛亮に出来なかった北伐は自分達では無理と考え、諸葛亮に匹敵する人材が現れるまで国力の充実に励むことを提案したが
結果的に姜維はそれを無視し北伐に敗れ、蜀を滅亡させてしまった。
それが姜維の北伐が無茶だと言われ、現在では蜀滅亡の戦犯と言われる要因でもあるのだが、
果たして費褘の献策が受け入れられた場合、蜀は歴史を変えていたのか。
それは皮肉にも自身の死とその後の宮中の腐敗が答えを証明したと言えるかもしれない。

今作では悲鳴にも聞こえるその名前から妙なキャラ付けになっているが、過去に似たような被害(?)に遭った張曼成等とは異なり
彼は前述の通り諸葛亮亡き後の蜀においては蒋琬・董允と並び後期蜀政権の重鎮の一人であり、れっきとした名政治家である。
決して慌てふためくようなキャラ付けが似合う人物ではないのだが…そこはSSQと割り切るべきなのか。