人物紹介 / 郭槐

郭槐 †

司馬一族の腹心・賈充の後妻で、賈南風の母。
諸葛亮らの北伐に立ち向かった名将・郭淮の姪に当たる。

賈充との間に男児２人・女児２人を設けているが、男児２人は彼女のせいで早世している。
長男が乳母になつき、賈充にあやされているのを見て乳母と夫の姦通を疑い乳母を殺してしまった。
なついていた乳母を失った長男は悲しみのあまりに死んでしまった。次男もほぼ同じ顛末で死んでしまう。

晋王朝が成立すると、賈充はその功績に免じて先妻と復縁し二人の正室を置くことを司馬炎から許されるが、
郭槐は賈充の胸ぐらを掴んで猛反対して辞退させた。
また賈南風を司馬衷の妃にするため、皇后・楊艶に賄賂を贈って司馬炎を説得してもらっている。
賈充が先だった時には上述の通り男子がいないため家系断絶の危機だったが、周囲の反対を押し切って姓が異なる外孫(賈謐)を強引に養子として家督を継がせた。

物騒で傍若無人な逸話ばかりが残る彼女だが、そんな人物ゆえか人を見る目はあったようで、
自身が死去する際には賈南風に「皇太子(司馬遹)は自分の子と思って大事にしろ」「妹(賈午)と趙粲(司馬炎の側室)は役に立たないから信用するな」と遺言している。
（しかし賈南風はこれらの言葉を聞き入れず、やがて妹共々破滅を迎えることになる）
宜城宣君と諡されたが、「宣」は徳のある故人を称える美諡とされるため、彼女の傍若無人を知る当時の人々は陰で嘲笑していたという。