怪奇大作戦：第25話「京都買います」

『怪奇大作戦』第25話「京都買います」

つーかこの人は、なんていうのかなぁ。
説教してるっちゃあしてると言えるんだけれども、どっちかというとあんまし他人には興味がないっつー感じ？　なんか説教してる相手も幻想の中にいそうというか。。。
ぶっちゃけ、「なにをどうせい」という具体性がなんもない。

いや、そろそろ毎度御馴染みになりかけている実相寺監督ですが。
少なくとも彼の監督回にはあんまり脚本に意識がいきません、褒めてるわけじゃないですが、貶してるわけではないです、いやとにかく存在感がありすぎる。

京都の街から次から次へと仏像が消える。
さて誰が、いったいどんな目的で。

というような感じの話です。
であとは岸田森さんが（俳優名、一人も名前を覚えずに済ます気か）、まー、奇麗っちゃあ奇麗なんだけど雰囲気もあるんだけど、どう考えても己の魅力をばっちりわかってて敢えて男を振り回すタイプの女性に見事にひっ絡まってぐるぐるしてた感じです。
男にゃその手の女性の裏ってわからないものなのかな。。。
いや別に、それならそれでいいんだけどさー、そんなのって駆け引きの初歩というかその程度のことで叱られたら他人事でもむっとするようなもんだしさ。

ただ、ラストで美しく締められちゃな、ちょっとな...orz
不満とまでは行かないけど釈然としないものは残るかなぁ。；


要するに京都の若者らの不行跡っつーか、まあ作中でディスコで踊ってたりとかそんなシーンが挿入されていたんですが（あれは確かに音楽煩い）、だからなんなんだというか。仏像のある寺まで押し掛けてってそこでラジカセで音楽流して踊ってたらそりゃあものすごく問題だと思うよ。
私だってそんななら仏像に同情する（そこかよ）。

ちゃんと繁華街の店まで行って、そこで踊ることをなんで怒る。
それが醜いってんなら別の題材で描けよっつーか、「若者文化全般」をとにもかくにも蔑視してるのなら同調出来るのかもしれませんが、私にゃ無理。
いや別に、それを直接非難してるわけではないんですが。

そこでまー、仏像盗んでた教授ンとこの助手が「京都を売って下さいな」と証文書かせたりしてるんですよ。美女なんで署名集まっちゃうんですよ、これが。
（やっぱりそこでルックス悪いと難しいと思うの、冗談と思ってても。）

なんということだ、なんて様だと嘆かれましても。
いっそ京都人の癖にディスコなんて通うな！　と直球で叱り付けて下さったほーがナンボかマシだと思ってしまったりなんだり。いやなんでディスコに異様に拘っているかというと、実際にわりと尺取ってたからでしょうね。；
街中の若者の乱れとか見せられるよりはわかりやすいのかもしんないけど、「悪」と思うのには至らないというかなんというか。

いや、これでまだ、泥棒までしてなきゃいいんでしょうが。
実際に自分らが盗難に手ぇ染めてて、夜遊びする（京都人だから駄目！）（という）若者らに本気で怒られてもなぁ、というか。


いや、多分そーいうことじゃないんでしょうね。
この話がものすごく好きって人を見て、正直うーん、と唸っちゃってたんですが。そもそもの話のテーマに乗れてないんだと思うんですよね、自分で。
だからわりと些細なことが気に掛かるっつーか。

この話、仏像への愛をちゃんと描いてたかなぁ、、、というか。
確かに全篇、画像は美しかったんですけれど、坊さんの集団がすーっと通ってく様なんてのは非常に妖しく撮れてたんじゃないかと思うんですが（しかし意味がよく；）、肝心の仏像がなぁ。
あれって普通、下から上に見上げるものじゃないかなー、というか。
同じ高さに立って、真正面から写してたらなんというか、うーん、絵としては正しいと思うんだけど感情がないっつーか。
（むしろ慈悲の顔より色っぽい体に目が行って...orzなあおい）


まあ、女性に振り回される岸田さん視点で見ては？　という提案もあったんですが、それもちょっと難しいんですよ、そこはまあ女なので。
女性が描いてくれてたら良かったのかなー（私的に、ね）。

仏像しか愛せない女と、なんだったか人間嫌いの男が（そういう設定なのかな）京都の街をふらふらと彷徨う、というとちょっと美しいよーな気はするんですけどね。
（そしてどちらも、本当には相手のことを信じてなんかいない。）

（でも、全く情がなければそもそも「裏切り」なんて言葉は出てこないのかな。）
展開次第では好きになれたのかもしれないと思うと、やっぱり残念ですかも。