ウルトラマンティガ：第30話「怪獣動物園」

『ウルトラマンティガ』第30話「怪獣動物園」

借り物のダイゴくんになーにエロいことしてるんじゃぁっ！！
みたいなことは、むろん、言ったほうがはるかに微妙なわけなんですが、いや、そこそこに名の知れた俳優さんとかでも“借り物”っつー気がするけど、個人的にジャニーズさんは特にそう感じますな。
（なんかトータルコーディネート品っつー気がしない？）

とか、特撮を見下してるっぽい言い方いきなりしてるわけですが。

この辺は去年は思ってても言えなかったわけで、それはなんていうか自嘲というよりは嘲笑い（しかも自分が含まれてるのに、「こんなヤツらとは違う！」みたいな楽しげ主張）になりかねないのが怖かったわけなのですが。
まあ地位が低くてなんぼじゃね？　と本気で思えるようになって言い出すことが。


ティガさんもエロい格好させられてたね、お好きですか！
とか、名誉毀損モノなことを喚き散らすっつー感じなので進化なのか退化なのか、単純に受け狙いなのかわかりません。ところでウルトラマンのお尻ばっかり追う方が一人いらっしゃるような気がしてしょうがないわけですが。あれですか、カメラマンが悪いのかしら。
（監督氏の仕事は“＝演出”でございます。）
すみません、別に責めてません、そもそも気付く時点で同罪っていうか。

いやいやいやいや、違うんですよ。
怪獣を「生かす／殺す」、そーして、なにが怪獣であり、なにが動物であるのかという。怪獣自体はこの世にいないんだけれども、殺さなきゃならない、という立場の重みを、ちゃんと子どものわかる範囲で描いている時点で良い話だったと思うんですよ。
説教臭いとも思わなかったし。
主張が煩いとも思わなかった、ちゃんとしてたんじゃないかな。

ただ、なんつーか、まあ、楽しいとか面白いとか、考えさせられるとかそういう仕組みが私にとっては発動しなかったというか。それだけのことです。
好悪のみで判断つけるとあんまり上がらないけど（標準より下げるつもりはない）。
出来の良し悪しなら結構高め、ある程度難しい題材を使っていながら、というポイントを付けることも可能なのですが。

ぶっちゃけ、レナちゃんダイゴくんの組み合わせじゃなかったら許さない。
そーして、多分、このタイミング以上の好位置ってのもなかったんじゃないかしら。

正直に言うと、レナちゃんの言葉が、単なる同情にしか。
そして単なる甘えにしか聞こえないんですよ、けれどだからこそ逆に、防衛隊の人間、武器を振るう人間にも「揺らぎ」ってものがあるんだなと感じることが出来た。揺らいだり、迷ったりすることが悪いわけではないんだと思うんですよ。

んでそれを受ける側のダイゴくんが、ティガとして、ちょっと贔屓めに出血大サービスをしたってのも悪くなかった。なんてーのかな、彼、レナちゃんの博愛っぽいところを好きなよーに描かれてる気がするし。
そもそも当人が異形に躊躇いなく手ぇ差し出すという前歴いっぱい。ｗ

助けてたっていえば、レイロンス助けてたんだねー、やっぱりねー。あまりの可愛さにときどきくらくらしてたもんねぇ。


つーか、「可愛いから」「可哀想だから」という理由で殺しを躊躇っちゃあ、そもそもなんで怪獣殺しが基本的に描かれるのかわからない。でもねぇ、たまにゃあそのくらい迷ってもいいんじゃあないかとも。
だって今までさんざ頑張ってるじゃん、みたいな。

ある日、ダイゴくんとのデートの最中に、動物園の地下から現れた「怪獣」を。
レナちゃんは最初にそう思っちゃったから、もう動物としか思えなくなってしまった、「彼」はそもそも夜行性なので昼はじっとして動かない。暴れるまで待って欲しい、暴れた時には自分も止めるからと、レナちゃんはイルマ隊長に頼みます。

隊長が考えていたのは多分、レナちゃんの気持ちであって。
別にその個体にだけ同情したってのじゃないのかなぁ、そーしてティガさんも（レイロンスの時は実際に対峙したあとでくらっと来てたがｗ）（しつこいて）。

あとは、牛が可愛いー！
と暴走するあまり、避難もろくにせんと（牛が動いてくんなかった）、ＧＵＴＳの作戦に文句を垂れるおっちゃんとかいたりしたわけですよ。

偽善なんだろうし、じゃあ、他のは？　とかけらも思わないわけじゃない。

しかしそれでも、なーんとなく、「全ての命」のことを考えているようにそれでも見えたというのは、素晴らしいとかいうよりなんだか面白いんじゃないかしら。
ティガ世界って枠も少ーし越えて。
こっちの、我々の世界の命のことも。ちょっとだけですね。

ちょっとだけってのがフィクションの担う比率として一番好きっす。ｗ