小説と映画で大ヒットした『電車男』が、ドラマ版でも高視聴率をマークしつづけているとか。
そして、雑誌などがこぞって『オタク』について取り上げはじめ、あたしはなんだか心配になってきた。
だって、その取り上げ方、「これからはオタクの時代だ」
みたいなものなんだもん。で、内容はオタクにインタビュー取材するだけ。「今、なにに凝っているんですか」みたいな。
ねえ、いいの。そんなにオタクをモテはやしちゃって。
オタクでいいのは一部だよ。芸術家や研究者となって成功している人間だけでしょ。
女からしたら、最高とゴミ、それがオタクの世界である。その現実をきちんとオタクに伝えないと。それがマスコミの仕事だろうが。
信じられない。少子化問題を扱っていた同じ雑誌で、オタクをモテはやすなんて。
一部のオタクに親切に教えてやるけど、ドラマのオタクは君らの仲間じゃないからね。大勢の人々の観賞に堪えられるよう作られたオタクなんだから。
実生活ではちゃんとモテてるだろう俳優さんがオタク役をやっていて、メークさんもついてて、スタイリストさんもついてて。
そういった現実から目をそらしちゃならない。
がしかし、ほんまもんのお宅は、あたしの意見なぞ「フンッ」ってな感じなんだと思う。
そもそも一般論に耳を貸さず、我流で生きているのがオタクだからね。
だっから、アニメのTシャツを堂々と街で着るやつがいたりするんじゃん。
「気持ち悪い」とか、「恥ずかしい」とか、絶対に一度は親切にまわりからいってもらっているはずである。でも、聞かない。
マスコミの役目は、そういった意固地なオタクをこんこんと説得するところにあったと思う。なに反対のことやってんだか。
どうする? アニメTシャツを着ているオタクが、雑誌の記事を鵜呑みにして、
(俺に彼女がいないのはたまたまなんだ)
とか生意気なことを考え出したら。
(運命の人が現れるのを、ひたすら待てばいい)
なんて余裕をぶっこきはじめたら。
アニメTシャツを脱がなきゃ、女があたるわけないんだよ。変わろうという気持ちがなきゃ、一生童貞のままでいる率は高いね。
数年後、安易にオタクをモテはやした雑誌を出していた出版社は、「話と違うじゃんか」と童貞たちに恨まれ、火をつけられることも覚悟しておくべきであろう。
話は変わるが、リメーク版『赤いシリーズ』、あっちの視聴率はほどほどだったんだって?
リメーク版は観ていないけど、子供の頃に観たやつは覚えている。たしか百恵ちゃんが骨肉腫になったり、記憶喪失になったりするの。今考えれば乱暴な設定だけれど、とても面白かった。
ってことは、『電車男』こそ、現代版『赤いシリーズ』だってことね。オタクが完璧な美女と? ありえねー。