カウンセラーの3条件モデル


カウンセラーの3条件モデル

  • かうんせらーの3じょうけんもでる
  • counselor's three conditions [model]

 ロジャース(C.R.Rogers)は、1957年に『治療的パーソナリティ変容の必要十分条件』(ロージャズ全集第4巻収録)を発表した。そこで、自己一致(congruence)、共感的理解?(empathic understanding)、無条件の肯定的配慮(unconditional positive regard)といったカウンセラーの態度を述べている。これが、来談者中心療法(Client-Centered Therapy)の基本仮説となっているカウンセラーの3条件である。

 この仮説のインパクトは、必要かつ十分な条件という点にある。それは、この3条件が治療的人格変容の本質的な条件である事を表す。ただし、どの条件も完全に実現できるような容易なものでなく、実現されている程度が重要になる。さらに、これ以外の条件は、本質的な条件ではないという事も表す。例えば、カウンセラーの心理学・精神医学的専門知識や心理診断、来談者の種類やカウンセリングの立場などである。

 このモデルは、他のカウンセリングの立場にも大きな影響を与え、十分条件かは別にして、必要条件としては、概ね共有されている。また、ウイスコンシン・プロジェクト?(Wisconsin Project)など、この仮説の科学的検証のため、様々な研究が行われている。

 カウンセリングだけでなく、あらゆる成長促進的人間関係にも共通の条件としているこのモデルの発想には、のちのPCA?(Person-Centered Approach)の萌芽がみられる。