中野RPG/ベンジー・グレッチ

■農夫の息子

『それなりの身分にはそれなりの義務と責任がつきまとう』
父さんの言葉。

３年前。
アルバートは探究心、バベルは野心、フーは向上心のために冒険者になった。
オレはただ死にたくなかった。

自身が輝けないのなら、輝いてる奴らの為に頑張ろう！

この自己弁護も３年の間に形を変えた。
何も持たない自分だから出来ることがある。
守りたいモノがあるから輝かせたいアイツ等がいた。
でも、それすら逃げだったことに気づかされた。
…アイツ等はもう自分で輝き始めている。オレも自身の存在を世に示した方がいいのだろうか？

この国に新しい道が欲しい。
ｶﾙﾏﾝｷﾞｱからﾓﾄﾘﾛﾒｵを貫いてｿﾚﾝﾄまで。人材と物がスムーズに流れる大動脈。
この望みは意外なことにカストロの自治を認めることで現実味を帯びてきた。

内戦と暗殺のニ択は防がれ二分化が選ばれた。人が存続するためには充分な結果と言える。

…そしてオレはアイツらと別れて一介の冒険者に戻る。
名を挙げる必要性はもう感じないけど、あえて言うなら
『農夫の息子』
かな。だからオレの役目は畑仕事と家畜の世話と蛮族退治。

…だから。母さん、子供とか気が早過ぎだから！

■豆の木の向こう側

闇トロルの渾身の一撃に意識が飛ぶ…
繰り返し凌いできたのに詰めにきて足がもつれるとは…
死神の娘を追いかけたから、死神の奴に足を引っ張られたか…

そして何故か見たことのある風景…

どっかの山ん中。崖の下で泣いてる子がいて、幼少のオレはそれをほっとけなくて。でも崖を降りるのは怖かった。
だから、勝手に持ち出した父さんの『豆の木』をその子の足元に投げたんだ。
その子は何とか上まで登って来たけど手が届かない。仕方なかったからオレも怖かったけど精一杯身を乗り出して…
一緒に落ちたんだ。幸い打ち所が良くて死なずにすんだけど。
でも体中が痛くて、その子も足を怪我したみたいで、二人とももう一度登ることは出来なかった。

そうこうしてる内に土砂降りの雨。オレはひたすらその子を励ますことしか出来なかった。自分の無力さが恨めしかった。
豆の木という道具だけで助けられると思い上がっていた自分の甘さを呪った。
やがて意識が朦朧とし始めたときに明かりのようなものが見えて、父さんの声が聞こえた気がして…
気づいたときには家の中。あの子はもういなかった。

ああ。これが走馬灯ってヤツか…ってことはこの先にキラキラした光…
…光輝く剛剣でバベルが闇トロルを葬っていた。どうやらオレはまだ生きているらしい。
採取の後で博識のアルに訊いてみた。あの子の顔が見れなかったのが心残りだと。
帰ってきた返答はこうだった。
「それ、顔まで確認できてたら間違いなく蘇生対象になってたよ」

□PC人物評

アルバート:

圧倒的に頭がいいのに加えて飽くなき探究心。
オレ達の中でいろんな意味で一番の大人。
英雄の息子の肩書きで執政官として中央に呼ばれるのがアルらしい。
…デスクワークに厭きたら何時でもソレントに来い(笑)

ヒルズブルク家のご令嬢にそれなりの気持ちを持ってたとは…
冷静さが邪魔してニコライに譲ったみたいだけど、納得してるみたいなのでまあいいか…

バベル:

感情むき出しの火山男。…のはずだったのが
自身の立場を自覚したのか、落ち着きが出てきたので、からかいがいが上がった。

…と思ってたら本来の繊細な部分が出てきてたのか。恋愛に関しては休火山だったし(笑)
『スカディの加護』と『格』を手に入れたお前に次に必要な物。それは『名乗りを挙げること』
…でもお前は家族を選んだ。否定はしない。

隠し子を言い訳にしないバベルは間違いなく強い。

フー:

『明るさ、素直さは強さに通じる』の父さんの言葉通り、一番成長したと思う。
純粋な強さを求め続けた結果だろうな…
死にかけてさらに必死になって鍛え続ける姿には頭が下がる。

邪念がないから訊きにくい質問しても門が立たない。おそらくカルマンギアでも上手くやってくだろうな。
気が向いたらいつでも遊びに来いよ－
けどクロ－ディアの前で余計な質問するのは止めてくれ…

■NPC人物評

クロ－ディア:

不器用で寂しがり屋な天の邪鬼。独りにしとくと危なっかしい。

死神の娘…悲しい二つ名を捨てて
本来のクローディアに…
…あの時フ－のために自らの命を絶った時、全てが終わったとオレは覚悟したよ…

戻って来てくれてありがとう。これから先は長いけど何とかなるよ。

タスカン:

直ぐにでも連絡をとりたかったけど会えずじまい。残念。

カムリ/セレナ：

次のソレントの中心はお前らだ。

リッジ:

生まれの良さから来る余裕、才能。
それに伴って持ちたくない物も持たされてたんだな。
ニコライの教育と護衛。仕事以外の暖かさを感じたよ。

フレッカ:

テラノからこっちに来てくれないかな…
バベルがそっち行くので宜しく頼む。
その気がなかったら盛大に振ってやって(笑)

ギブリ:

意外に管理職向きだと思ってたら騎士に成り上がるとは。
アルのこと頼む。同窓会の知らせは早めにな。

フィーラ：

おてんば姫が変人に恋をして化けた…振られてさらに成長した…まさかニコライを選ぶとは…

ニコライ：

性格良し、家柄良しのミニリッジ。
何度振られても恋愛を実らせた直向きさには拍手を贈りたい。 …おかげで大切なモノに気づけたよ。

ビクトール：

効率優先の冷血漢と思いきや、実は最も人間臭かった新国王。アリア様とお幸せに。
あと、たまにアルに休みをあげて下さい。

ギャラン：

穢れやｶﾙﾏﾝｷﾞｱの人間であることを差し引いても尊敬に値する人物。
無言が肯定と同義になるため交渉には不向き。

グラン：

そのギャランには負けないと豪語していたが、実力的には互角に近いことが証明されて一安心。
女性へのアプローチの方法にかなり問題のある、父さんの後輩にしてオレの先輩。
別名、恋愛の不死鳥(笑)
ザリザリ：

ｶﾙﾏﾝｷﾞｱの胡散臭い部分の象徴のような女性シューター。
貴重な情報源だが、その度に場が荒れるのが頂けない。

カストロ：

豪胆にして狡猾。ビクトールと足して割ると丁度よさげ。
死神の娘はもういないのであしからず。
フーのこと頼みます。