Gibbs の自由エネルギー


熱力学入門


Gibbs の自由エネルギー

熱力学ポテンシャル

Gibbs の自由エネルギー G を次のように定義します。

therm11_01.png

前の例に習って定温、定圧下では第二法則より次式が得られます。

therm11_00.png

この式は化学的仕事をするにはそれ以上に自由エネルギーを減少させなければならないことを示しています。

さらに、化学的仕事がゼロだとすると反応の向きはいつも自由エネルギーが減少する方向であるとも解釈できます。

定温、定圧下では反応は Gibbs の自由エネルギーが減少する方向に進み、系から取り出せる化学的仕事は減少分より小さい。

Gibbs の自由エネルギーを微分すると

therm11_03.png

となり、可逆変化の時のエネルギー保存則を

therm11_02.png

これに代入すると、

therm11_04.png

となります。 G が N, τ, p の関数であるので以下のように書けます。

therm11_05.png

これは可逆の式ですが比較すると次のようになると思われます。

therm11_06.png

よって 等温、等圧下では G は化学ポテンシャルに粒子数をかけたものになります。

therm11_07.png

水素原子は室温ではほとんど水素分子になります。( H + H ->H2 ) 粒子数の減少はエントロピーの減少を招きます。これをδσs(<0) とします。 しかしながら、同時に反応熱は大きくそれが外界のエントロピーを増加させます。(δQ/T>0) 全体のエントロピー収支が増加する時反応は進みます。

therm10_06.png

反応熱は内部エネルギーの減少を意味します。(δU=-δQ) 上式を変形すると

therm10_07.png

確かに、自由エネルギーが減少する時に反応が進むことが分かります。


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