同軸線内ではTEM波しか存在しないので電場はr方向のみ磁場はθ方向のみです。 同軸の電場は電磁気演習書などに書かれているように
磁場は
です。電場と磁場の比は上記の式の比をとればわかるように場所に依存しません。どこでも、電場と磁場が運ぶエネルギーは等しくなっています。これが同軸線を使う理由です。
1/2ED=1/2HB に代入すると
特性インピーダンスが導出できます。
特性インピーダンスとは電場が運ぶエネルギーと磁場が運ぶエネルギーが等しくあるためには電圧と電流の比がどうあるべきかの答えなのです。
もちろん同軸線につながれた負荷が特性インピーダンスに合っていない時には十分な時間が経てば、I=V/R の電流が流れ、電圧、電流の比が特性インピーダンスとは違うではないかと思うかもしれません。
しかし、電磁波は波であり、波は変化を知らせるものです。変化を知らせる電磁波はつねに、特性インピーダンスで決まる電圧、電流値で伝わっていて何回も往復して定常な状態を作っていることに注意する必要があります。これについては後に見ることとにします。
ちなみに電場と磁場の比は
です。
電磁波によって運ばれる単位時間あたりのエネルギーはポインティングベクトルを積分して、
とおなじみの式になります。
電圧と電流は電場と磁場の 別の顔 です。
ちなみに一般の同軸線は絶縁にポリエステル(比誘電率2.2)を使っていて半径比が 3.44 で 50オームになります。
このとき単位長さ当たりの容量は
より、100pF/m で、単位長さ当たりのインダクタンスは
より、2.5nH/m です。
また、ポリエステル同軸線では電磁波は
より、1mを5nsec かかって伝搬します。
また、特性インピーダンスは L と C を使って
と表されます。
そろそろ反射にいきましょうか
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