六門世界 / 夜空から乙女が墜ちてきて


夜空(そら)から乙女が墜ちてきて

※は未完


プロローグ


 私は戦っていた。
 彼を、アーサを守るため、私はすべてのものを薙ぎ払った。
 敵の召喚した同族《ワルキュリア》、そしてそれを召喚した《人間》を……
 それがどういうことかも判らぬまま。

星降る夜に


 その夜は久しぶりに晴れていた。それも空から星さえも落ちてきそうなぐらいに。
 僕はいつもの様に家への帰り道を歩いていた。
「本当に星の降りそうな夜だなぁ」
 そう呟き、澄み切った夜空を見上げたとき……
「ん?本当になんか降って来たぞ?何だろう……、女の子!?」
 僕は慌てて落下地点付近まで走り《ストロー・ウエイト》の魔法をかけ彼女を受け止めた。
 降って来た女の子は本当にとても綺麗で伝説で聞く《ワルキュリア》のようであった。

時は流れて、といっても7日後


 わたしはアストリッド。他のことは覚えてない。そう、わたしには記憶がないの。
 わたしの時間はあの夜にヒイロに助けられてから始まっていた。
 ヒイロはとっても綺麗な翡翠色の瞳をした青年で剣と召喚術が得意らしい。
 剣の腕は何度が練習してるのを見たことがあるけど本当にうまい。
 あれなら闘技場とかでも結構なところまでいけるんじゃないかな。
 でも、召喚術のほうはわたしが何度頼んでも見せてくれない。
 だから本当は使えないんじゃって疑っている。
 そうそう普段は剣の腕を生かして町の警備隊で働いているらしい。
 かくいうわたしはというと、記憶もなく帰る当てもないということでヒイロの好意に甘えて町の外れにあるヒイロの家に居候させてもらっている。
 もちろん、ただで居候させて貰うのは申し訳ないので家事の手伝いをさせてもらっている。
 ……、といってもまともに手伝えるのは料理だけであとはぜんぜんだめなんけどね。あはははは……
「うん、この焼き魚おいしいよ。さすがだね。焼き物はうまいね!煮物とは大違いだ。」
「う゛〜、それは言わないで……」
 訂正、料理も煮物とか手の込んだものはだめ……。
「まあ、頑張ればそのうちおいしく作れるようになるよ。」
「うん、がんばる♪」
「よし、明日はいい天気だそうだし少し遠くの山まで行ってみようか?」
「え?いいの。用事とかはないの。」
「うん。用事どころかすることがなくって困ってたくらいだよ」
「やった〜、じゃあ頑張ってお弁当作るね。」
「簡単のでいいよ。折角の青空の下だから美味しいのを食べたいし……」
「うん。ってそれわたしが凝ったの作れないって暗に言ってない?」
「あはは、バレたか。」
「ひっど〜い。頑張ってすごい弁当作ってあげるんだから。」
「青空の下真っ黒な煮物とか食べたければ別にそれでもいいけど?」
「う゛っ。」
 それを言われると……。
「わかった……。サンドウィッチにする。」
「じゃ、それで決定ってことでw」

翌日


 うん。見事に晴れた。あとはアスの作る弁当だけど……。
 アスが今日持っていく弁当を作ってると思われる台所の様子を見てみるよう。
「どう?お弁当出来た?」
「うん。もうちょっと♪」
 ちらっと弁当の中身が見えたけど問題無いみたいだ。
 目の端に見えた真っ黒になった鍋以外はだけど……。
 さすがに弁当に入れるのは諦めたらしい。
 けど、今晩はあれを食べる事になるんだろうな……。
「完成っと♪」
「じゃ、いこっか?」
「うん♪」


ハイキング※


※ここのつなぎがうまくかけないので適当(おい
 わいわいと山へ行った。
 普通の女の子が苦労しそうなところもアスはひょいひょいと着いていく。
 ヒイロはそれを別段不思議とも思っていない。
 そんな描写があっても良いかも。
 頂上に着いて弁当食べようとしたら不審な人物が話し掛けてきた。

邂逅


「ほう、まさかこんなことろであえるとはな。“深紅眼(ブラッディ・アイ)のヒイロ”。いや今はただの“ヒイロ・レクンドル”だったか。」
 あれ、“深紅眼”って?ヒイロって両眼とも綺麗な翡翠色だったはずだけど……。
 わたしは横目でヒイロの目の色を確かめてみた。そこには何時もと変わりない翡翠色の瞳がありなんだがほっとした。
「グラハトール!なんでここにいる!もう係わり合いにならない約束だったはずだぞ!!」
「おまえにゃ、用はないさ。今用があるのはそっちのお嬢さんだ。」
「え?わたし?」
「そうさ、お嬢ちゃん。あんたの持っているあるものを渡して欲しくてな。」
 えっ?私何も持っていないよ。
「しかし“深紅眼のヒイロ”ともあろうものが、人間じゃないかどうか気づかなかったわけじゃあるまい?」
 どくん。ワタシハにんげんデハナイ?
「ん?支配していないところを見るとほんとに気づいてなかったのか?」
 どくん。しはいッテナニ?
「ちょうどいい。そのモンスター貰っていくぜ。」
 どくん。もんすたーッテナンノコト。ワタシ……。
 頭を振り迷いを追い払う。
 気づけばヒイロがグラハトールと呼んだ男はまっさらな召喚符を出しなにやら書き込んでいた。
「よし。聖門より来やがれ“φλκψρια”」
 どくん。ダレ?ワタシヲヨブノハ。イヤ、ワタシハココニイタイノ。ワタシヲヨバナイデ!!
 不意にグラハトールが手にしていた召喚符が火を出し燃え尽きた。
「ち、やはり言われてた通り召喚は出来んか……。投げなしの召喚符が台無しになりやかった。」
「いい加減にしろ。いくら僕でも彼女に手を出すというなら容赦はしないぞ?」
「おぉ、こわ。俺も差しであんたに勝てるとは思っていないよ。まあ、居場所を掴んだことだし一旦引かせてもらうとするわ。」
 というと言い残しとっとと去って言ったらしい。……らしいと言うのはあとからヒイロから聞いたから。
「アス、大丈夫?」
「ねぇ。わたしってナニ?人間じゃないの?わたしはモンスターなの?」
「アス、落ち着くんだ。」
「ヒイロなら知ってるいいてったよね?ねぇ、ヒイロ教えてよ!」
「分かった。教えるから今は落ち着くんだ。……、仕方ないかな?ごめんねアス。《ピュプノシス》」
「わたしはだれ……。」

おはようで始まる夜


 あのあと僕はかなり後悔した。アスを落ち着かせる為にかけた《ピュプノシス》が効き過ぎたのだ……。
 なんせアスは一向に目覚める気配がないから結局家まで僕が連れて(抱えて)帰ることになった。
 荷物は召喚したポケット達にお願いしたけど……。
 さすがに遠いと文句を言われたけど珍しい本と弁当の残りをあげたら喜んで帰っていった(笑。
 さて、いくらなんでもそろそろ『眠り姫』が起きてもいい頃なんだけど……。
「うみゅ〜。」
 あ、起きた(笑。
「おはよ。アス。」
「はみゅ〜。おはよ〜。……、おやすみ〜。」
「こらこら、寝るんじゃない(笑」
「ふみゅ〜、あれ?ここは?」
 お、やっと頭が回って来たのかな
「僕の家だよ。アスがなかなか起きないから連れて帰ってきたんだよ。」
「え〜と……、ごめんなさい?なの?」
 いや、眠らせたのは僕だからアスは悪くない……
「え〜と何と言うか……」
 ほおをぽりぽり。
 ぐぅ〜。真っ赤になっておなかを抑えるアス。
「と、とりあえずご飯食べよっか?」
「そだね。でも、今から作ると遅くなるよね?あ、お弁当の残りある?」
「あ、それは運ぶのを手伝ってくれた人たちに上げちゃった。」
「ざんね〜ん。じゃあどうしよっか?」
「大丈夫、今日は僕が用意して置いたから。」
 もちろん、鍋の中にあった黒い物質は処分済み(笑
「ほんと!?じゃあ久しぶりにヒイロの手料理食べれるんだ♪」
 実はアスより僕のほうが料理がうまい。まあ、長年一人暮らししてきたから当然かな?
 それでも普段アスが料理してるのは彼女なりのケジメらしい。
 他の家事が全くダメだけど居候させて貰っているお礼にせめて料理だけでもいうことなのだ。
 アスが案外頑固なとこもあり今は甘んじて受けてる。
 下手に断って出て行かれたら気が気でないし(笑

乙女の真実?


「やっぱり、ヒイロの料理ってわたしよりおいしい……」
「当然、年季が違うから。でも、アスの料理も最初に比べたらかなり美味しくなってると思うよ?」
「ほんと!?」
 アスはその言葉が嬉しいのか目を煌かして喜んでいる。
 ……、ちょっと意地悪言って見ようかな?
「もちろん。……、煮物を除いてね。」
「う゛〜。いじわる〜。」
 昼のこともあるし、そろそろアスの正体について話しておいた方がいいかも……
「ねえ、アス?ワルキュリアって知ってる?」
「う〜ん、聞いたことある様なない様な……」
「英雄の魂を導く女戦士、いや正確には戦乙女って言うんだけど……」
「うん」
「僕が思うにアスはそのワルキュリアじゃないかと思うんだ。」
「え?」
「だって、アスって空から降って来たでしょ。それって飛んでる間に何かが起こって落ちてしまったって考えると妥当てきでしょ。」
「そうだけど……」
「で、今まで黙っていたけど僕も召喚術師だから分かるんだ。その……モンスターの《真の名》が。」
「……、うん。」
「で、実は前からアスの《真の名》にも気づいてたんだけど……」
「……、やっぱりわたしモンスターだったんだ……」
「うん。……、続き聞くの怖い?」
 落ち着いてるように見えたから、覚えてないんだと思ってけどやっぱり覚えていたんだ……。
「怖い。怖いけど大丈夫。続けて?」
 アスはアスなり覚悟してたんだ。ならば僕がしてあげることは1つ。彼女に僕の気づいていることをすべて教えよう。そしてそのあとどうするか、それを2人で考えよう。彼女が忘れたいと言うなら忘れさせることは僕にはできるし。
「分かった。で、アスの《真の名》何だけど《ワルキュリア採魂隊》のものとよく似ているんだ。」
「じゃあ、わたしはその《ワルキュリア採魂隊》なんだ……」
「いやよく似ているけどちょっと違う。なんというかもう1つ別の《真の名》が混じっている感じなのかな。」
「でも、モンスターには違いないんだよね?じゃあわたしっていつか召喚されちゃうかもしれないの?」
「たぶん。それは大丈夫。《真の名》が二つあるから簡単には召喚できないんじゃないかと思うよ。」
「そういえば、昼も召喚されそうになってけど結局失敗したもんね。じゃあ、ヒイロもわたしを召喚できないの?」

わたしの英雄


「ん〜、しようと思えばできる。でも僕はアスのこと支配しようとは思ってはないから。」
「えぇっ〜!!わたしってそんなに魅力がない?」
 予想外のアスの反応に僕はちょっと動揺してしまった。
「い、いや。そうじゃなくって。……、昔ちょっとあってね。簡単な召喚術しかしないようにしているんだ……」
「あっ、ごめん……」
「い、いや、いいよ……」
「じゃ、じゃあさ。無理には言わないけどもしもわたしが他の誰かに支配されそうなときだけは、わたし、その前にヒイロに支配して欲しい。」
「……、分かった。約束できないけど約束する。」
「うん、約束できないけど約束ね♪」
 その一瞬、アスの笑顔が本当の女神のそれに見えたんだ。
「……、ヒイロちょっと恥かしい。」
 アスが顔を真っ赤になって言ったその言葉で僕はアスの顔をぼ〜眺めていたのに気づいた
「あっ、ごめん。」
 僕も思わず顔を赤くして謝る。
「ぷっ、あははは、なんか可笑し〜い♪」
「あ、あははは」
 そして照れ隠しにも似たしばらくの笑い声。
 ひとしきり笑い終わった後……
「ねぇ、ヒイロ?」
「なに?」
「本当にわたしが《ワルキュリア》なの」
「うん、それは間違いないと思うよ。」
「そっか……。なら、ヒイロ、わたしの英雄になってくれない。」
「えっ!?」
 僕はアスのいきなりのお願いに目を白黒させる。
「たぶん、ううんきっとヒイロにはその資質があると思う。」
「乙女の勘?」
「それもあるけどどちらかと言うと戦乙女(ワルキュリア)の勘かな……。」
「……、アスが良ければいいよ。本当に英雄になれるかどうかは別だけど。」
「ありがとう。」


襲撃


 次の日の朝、いつもと何ひとつ変わらない朝の始まりだった。
 だからこそわたしが《ワルキュリア》だったこと、それが分かったところでヒイロの態度が変わらなかったのが本当に嬉しかった
 でもそれも長くは続かなかったけど……

※すみません、ここのつなぎも無理。後で考えようそうしよう。
 待ったりと朝食を食べてるところにグラハトールが傭兵(人間)とモンスターを引き連れてやってきた。
 グラハ「その娘をおとなしく渡さないと町の人たちにヒイロの過去について話すぞ」と脅しをかける。
 ヒイロ、そのことに冷や汗を書きつつも断固拒否。
 アス、ヒイロや町の人に迷惑掛かる様ならと「ついていく」という。
 それを止めようとするヒイロと痴話ケンカとなる。(笑
 それにしびれを切らしたグラハトールが「いい加減にしやがれ」とばかりに襲い掛かる。
 剣を抜いてアスを守ろうとするヒイロと(無意識に)鎌を出してヒイロを守ろうとするアス。
 自分が出した鎌を見て何か思い出すアス(勢いで敵を切ってしまった為血がついていたでも可)。
 アスの叫び声と共に暗転。

白昼夢


 私は戦っていた。
 彼を、アーサを守るため、私の放った旋風はすべてのものを薙ぎ払った。
 敵の召喚した同族《ワルキュリア》、そしてそれを召喚した《人間》を……
 それがどういうことかも判らぬまま……。


 すべての敵を倒して私は彼の方に振り返った。そして私は見てしまった。
 私が導いてしまった最悪の結果を、私の放った旋風が何を意味していたかを……。
「アーサ……」
 彼は私が倒した敵と同じように大量の血を流していた。
 私の技は敵だけでなく彼さえもその命を奪おうとしたらしかった。
 私は急ぎ《リザレクション》を唱えたがなぜかうまく行かない。
 確かに既に《ウエホン・ブレイク》を使ってはいたが聖属性の魔法を使う余裕はまだあったはずだ。
 私は何度も《リザレクション》を唱え直してみた。だか、そのすべてが私の意に反し《リザレクション》は型を成さなかった。
「な、なぜ……」
「ダメだよ。今の君じゃ使えない」
「どうしてだ!まだ魔力が残ってるはずだ!私はそれをちゃんと感じてるのに……」
「君は変異してしまったんだ。たぶん魔属性の因子を持つ僕に感化され、アスタロトの魂が目覚めてしまったんだ。げふっ」
「わかった、わかったからもうしゃべるな。」
「いや、もう僕は助からない。だからこれが最初で最後の“命令”だ」
「っ!!そ、そんなこと言うな。」
 分かっていた。もう助からないということは……。
「僕は君に人間の様に生きて欲しい。幸か不幸か今の君を“支配”できる人間はあまりいないだろう。だから……」
 嫌な予感がした。
「だから、僕のことを忘れて人の様に生きるんだ。」
 彼の言葉を聞くと同時に私は逃げ出した。いまの私には彼は助けらない。それは判っていた。
 自分が認めた英雄の死を見守るのが《ワルキュリア》としての義務。それも判っている。
 だけど私は怖かった。人として生きていくことが、いや彼のことを忘れてしまうのが怖かった。
 だから逃げた“翼”を出すのも忘れ、空を駆けた。遠く離れれば彼の声は聞こえないと思ったから。
 でも私は彼に支配されていた。どんなに遠く離れていても意思を伝えられる結びつきで。
 ――僕のことを忘れて人の様に生きて……

覚醒


 思い出した。私は間違いなく《ワルキュリア》だ。いや《ワルキュリア》だった。しかも先代のパートナーに感化されて魔に墜ちた《ワルキュリア》。そしてその力でパートナーであるアーサを殺した《ワルキュリア》。
「どうした。怖気ついたか?」
 逃げ出したかった。でも分かっていた。
 いま自分がしないといけないのは逃げることではなく戦うことなのだということを。
 大丈夫、わたしは戦える。自分が何者が知った今なら、ヒイロを巻き込むことなく戦い抜くことができる。
 だからお願いもう1人の私。わたしに力を貸して。
「おい、なんとか言いやがれ!」
「黙れ。」
 私の一言でその場が凍った……。

旋風※


 その一瞬にして彼女の雰囲気が変わった。いや、その場の空気自体が変わったと言うべきか。
 そして一声でその空気に飲まれ彼女を除くすべてのものが止まってしまった様だった。
 そして最初に時を動かしたのもやはり彼女だった。
「ヒイロ・レクンドル、“わたし”は大丈夫だ。“私”は“わたし”だ。心配しなくて良い。だから、いまはただ待っていてくれ。」
「分かった。」
 僕が迷うことなくそう答えると彼女は微笑み返した。そして不意に……。
「水よ、いま一時この者に偽りの姿を。《ポリモルフ》」
「なにを!?」と言おうとするものの言葉は意味を為さない。どうも僕は鳥に変化させられたようだ。
「すぐに片付けるが念のため空に逃げていろ。」

※ここ以降もできてなかったりw
 ワルキュリアが使うはずのない魔のスペルとアスの放った旋風を見てアスの中にあったもう1つの真の名が
 伝説の六皇子のそれだと確信する。
 戦闘が終わり、アスが元に戻る。戦っている間の記憶は残っているようだ。
 でも、頑なに自分の正体を隠そうとしているアスに何も言えないヒイロだった。

出会いと別れ


 アストリッドはこれ以上ヒイロに迷惑かけれないからと、その日の夜に出て行くことを決意した。
 もちろんヒイロにはなにも言わずにだ。
 思うところがあったが特に何も言わなかった。
 それは言うまでもないことと思ったからだ。

 アストリッドはヒイロが寝たのを確認した上で書置きを書き始めた。
 確かにヒイロはぐっすり眠っているように見えた。
 書置きをし終えたアストリッドが外へ出るとそこにはやはりヒイロがいた。
「ヒ、ヒイロ!?なんでここに!?」
「確かに寝てたのにって?」
 こくこく。思わず、アスタリッドが首を振る。
「いや、なんかあの後からアスの様子がおかしかったから、もしかしてと思っていたら案の定で……。」
「ごめんなさい。で、でももうこれ以上ヒイロに迷惑かけたくないの。だからわたし1人だけで……」
「ちがうよ。“2人だけで”だろ?」
「え!?」
 アスタリッドは一瞬、ヒイロが何を言ってるのか分からないと言う風な顔をして訊き返した。
「だから、アスとアスの中の死の女神の“2人だけで”出て行こうとしてたじゃないか。」
 やはり気づいていたか……
「気づいてたんだ……。」
「さすが、アストリッドが見込んだことがあると言うところか」
「もちろん、僕はアスが認めた認めた英雄だろ?」
 私は2人の間に口をはさんだ。
「ちょ、ちょっといきなりしゃべんないで下さいぃ。」
いきなり、自分の口から自分の以外の言葉が出たことに驚いたアストリッドが私に怒る。
「すまんな。」
「で、でも、話しちゃって良かったんですか?秘密にして置くことになってたはずじゃ……」
「ここまで正体を掴まれてたら隠すも何もないだろう?」
「そうですけどぉ……」
そこへ、アストリッド1人で話す光景を別段驚いてる様子もなくヒイロが口を挟んできた。
「ね、とりあえずまだ寒いから中で話さないかな?」
「そうだな。」
「で、でも……」
「既にバレてるのだ。いまさら逃げでもしょうがないと思うが?」
「そうですね……」
 1人渋っていたアストリッドだか私のその言葉に観念したのか渋々家の中に戻って行った。
 後ろで、ヒイロがくすっと笑った。


告白※


※ごめんなさい。これ以降できてません。
 

《後書きというかなんつうか》


 未完な上にまだまだ雑い。
 しかも六門世界の世界観知らないと分からないことがちらほら(汗



















番外:力への意思


※本編に出ない(と思われる)場面というか没場面です。入れる場所がなさそうなんで……

「ヒイロ、力を貸せ。」
「えっ!?」
「隠さなくてもいい。お前なら出来るはずだ。私を召喚しろ。」
「い、いいのか。」
「私が良いと言っている。そうでないとお前を守れない。」
「わ、分かった。でも時間が……」
「了解した。では時間を稼ごう。それぐらいなら何とかなるだろう。」
 そう言い出すと彼女は駆け出していた。
 虚を突かれた傭兵たちも最初こそ何人か切られたもののさすがにプロすぐに反応していた。確かに今の彼女は強い。だがいくらなんでも多数に無勢だった。時間が経つに連れて彼女が不利になる。
 そしてそのあとは……。どうも、僕には選択の余地も時間もないらしい。
 意を決した僕は瞳を閉じ呪を唱え始める。だかそれは彼女を召喚するものではなくまったく別の呪文。
「翡翠に封じられし深紅よ。我れ戒めの楔(くさび)を解(かい)するなり。いま一刻、我が力蘇らせん。」
 僕は目を開く。そこにあるのは翡翠の如き碧ではなく、血の如く昏い紅、深紅。
 そしてそこに在りしは六亡星……。
 『万物を支配する深紅眼』。原理は知らないが僕の目はそう言われる品物だ。
 この瞳は僕に強烈な支配能力を与える。そう、力の弱い魔物なら召喚した瞬間に意思を持たない人形に成り果ててしまう。そしてその影響は送還後も……。
 だが彼女なら大丈夫。だって彼女は……。
「早くしろ!!」
「わかってる!!」
 僕はそう答えて今度こそ彼女を召喚する呪を紡ぎ始めた。


《番外:後書きというかなんつうか》


 サブタイトルてきとー。
 まあ、(封じ込めた)力への(開封するぞという)意思(表示)とでも読み取ってください。



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これは夢オチシリーズ
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参考資料

参考資料(創作用)

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