3. 書籍の検索


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■ ポイント

(a) インターネット時代の書籍検索の意義

  • インターネットの普及により情報収集は、WebやBlogからという流れができているが、WebやBlogでは収集できない情報もまだ多い。
  • 第一に、WebやBlogの情報は、無料で提供されることが多いため、有料になりうるような貴重な情報はWebやBlogからは得られない場合がある。
  • 第二に、WebやBlogの情報は、匿名で掲載される場合が多く、無責任な情報提供がおこなわれ易い構造をもっている(記名サイトは例外)。
  • 第三に、書籍が事前の編集者のチェックなどを経て情報提供されるのに対して、WebやBlogは個人ベースで情報提供されることが多いので、信頼性に欠ける場合がある。
  • 第四に、WebやBlog(特にBlog)の情報は、断片的な場合が多く、まとまった情報が手に入りにくい。
  • 書籍が、これらの限界をいまなお埋めている。
  • 書籍には、出版までに時間がかかる点や商業ベースにのらないマイナーな情報に関する書籍が出版されにくいなどのデメリットがあるが、ある程度「信頼できる」「まとまった」情報を提供する手段として、インターネット時代でも最も有力な手段である。
  • したがって、効率的な書籍の検索のテクニックについて学ぶ必要がある。

(b) テーマに即した書籍の検索

  • 書籍の検索といえば、調べたい書籍の書名や著者名を入力して、検索すれば良いと考えがちであるが、大学や社会での書籍の検索にはもう一段上のテクニックが必要である。なぜならば、大学や社会では、書名や著者名は分からない中で、調べなくてはいけない「テーマ」にあった書籍をいかにうまく探し出すかがポイントとなるからである。
  • 「テーマ」に即した書籍の検索をおこなう際の最大のポイントは、書名にテーマに関するキーワードが含まれていなくても重要な情報を含む書籍をいかに漏らさずに検索するかである。例えば、「トヨタ式経営」について調べる場合、書名に「トヨタ式経営」という語句が含まれていなくても、「トヨタ式経営」について有益な情報を含む書籍はたくさんある。こうした書籍をいかに検索するかが重要なのである。
  • そのためには、書名だけでしか検索できない検索サイトは使わずに、本の中身まで何らかの形で検索できるサイトを使うべきだ。
  • 本の中身まで検索できる検索サイトは、2種類ある。
  • 第一は、書籍の「目次」と「概要」を含めて検索できるサイトである。これらのサイトを使えば、書籍の書名には調べたいキーワードが含まれていなくても、章や節のタイトルにキーワードが含まれている書籍も漏らさずに検索できる。さらに、「売り上げ順」に並べ替えることのできるサイトを使えば、評判の高い書籍が何かを知ることもできる。
  • 第二は、書籍の「全文」検索ができるサイトである。これらのサイトを使えば、本文に調べたいキーワードを含む書籍を検索できる。但し、現在のところ、日本語書籍で全文検索できる書籍は限られており、網羅的な検索はできない。したがって、「目次」「概要」検索のできるサイトと併用する必要がある。

(c) 書籍の入手・閲覧

  • 書籍を入手・閲覧するには、2つの方法がある。
  • 第一は、図書館から借りる方法であり、第二は、自分で購入する方法である。
  • 図書館から借りる場合も、公共図書館で閲覧したり借りたりする方法と大学図書館で閲覧したり借りたりする方法がある。
  • 地元の公共図書館に目的の書籍が無い場合もあきらめる必要は無い。地元の公共図書館経由で都立図書館や国会図書館の書籍を取り寄せることができる(但し、貸し出し不可。館内閲覧のみ)。
  • 嘉悦大学図書館に目的の書籍が無い場合もあきらめる必要は無い。嘉悦大学図書館のカウンターで紹介状を書いてもらえば、他大学の図書館の書籍を館内閲覧できる(貸し出しは不可の場合が多い)。また、最近では、独立行政法人の大学(旧国立大学)の図書館を中心に紹介状無しで書籍の閲覧ができる図書館が増えてきている。
  • 図書を購入する場合、オンライン書店を使う方法とリアル書店を使う方法がある。
  • オンライン書店はクレジットカードが無いと使えない、送料がかかると思いがちであるが、クレジットカード無し&送料無しで購入する方法がある。7&Yというサイトを使って、セブンイレブンで代金支払い・書籍受け取りというやり方などである。
  • リアル書店で購入する場合も、探している書籍が見つからなかったということの無いように工夫する余地がある。紀伊国屋書店やジュンク堂書店池袋店などでは、インターネット上で、目的の本の在庫と売り場(何階のどの棚にあるか)を事前に調べることができる。事前に調べていけば、短時間で目的の書籍の購入が可能である。

(d) 書籍の評価

  • インターネットで本を検索する際の限界は、実際に書籍の中身を見てみることができない点である。
  • この限界をある程度カバーする方法がいくつかある。第一は、Amazonの「なかみ検索」のような本文検索・閲覧ができるサイトを利用する方法。第二は、Googleを使って、その書籍に関するコメントを収集する方法。第三は、Amazonの読者レビューなどを使う方法である。

(1) テーマに関係する書籍を網羅的に探す

(a) 目次・概要まで検索できるサイトを使う

(b) 本文まで検索できるサイトを使う

(c) Googleを使う

  • キーワード例 (テーマに関するキーワード) site:amazon.co.jp
    (テーマに関するキーワード) (文献 OR 教科書 OR 書籍 OR 資料) (講義要項 OR 講義概要 OR シラバス) site:ac.jp
    (テーマに関するキーワード) キーワード (文献 OR 書籍 OR 資料)

(2) 書籍を図書館から借りる


(a) 公共図書館から借りる

(b) 大学図書館から借りる

(3) 書籍を購入する

(a) オンライン書店で購入する

(b) リアル書店で購入する


(4) 書籍を評価する


(a) Amazonの「なかみ検索」を使う

まだ対象となる書籍は限られているが、Amazonの「なかみ」検索を使えば、一定の範囲内で書籍の本文を閲覧することができる。
読みたい書籍が決まったら、Amazonの「なかみ」検索で検索できるか確かめてみると良い。

(b) Googleのフレーズ検索を使う

Googleのフレーズ検索を使って、書名を""(ダブルクォテーション)で囲って検索する。
その書籍に関する書評やコメントを集中的に読むことができる。
(例) 梅田望夫『ウェブ進化論』(筑摩新書)の評価を調べる場合
Googleのキーワード → "ウェブ進化論"
さらに、ドメイン指定検索も併用すれば、その書籍に関する大学教員の評価に絞り込んで検索することができる。
(例) さらにアカデミックな評価に限定する場合
Googleのキーワード → "ウェブ進化論" site:ac.jp

(c) Amazonのレビューを見る。

Amazonの読者レビューをみて判断する。
Amazonで書名を入れて検索すればよい。
読者レビューを書いている人が他にどんな本をレビューしているかを見れば、関連する書籍を見つけることもできる。

(d) Webcat Plusで所蔵図書館数を調べる。

Webcat Plusで並び順を「所蔵図書館数順」に変更して検索すると、大学図書館での評価が分かる。


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