オーディオ


究極の自己満足趣味

オーディオは所詮自己満足

 6畳間に住むオイラは、それなりのお金をかけ、6畳間での最高レベルの音を目指す。というとかっこいいけれども、オーディオっってやつは、まず予算があって、それに見合ったシステムを探すという事になる。で、ちょっとシステムを組もうと思ってWebサイトを巡っていたら、おお、素晴らしい世界。オカルトがこれだけ跋扈している世界はちょっと珍しいのではないか。

非科学的オカルトオーディオ

 聴覚というやつは最終解釈は脳みそでおこなうから、いろいろな先入観によって音が違って聞こえてくるという事があり得る。僕がオカルトと思っているものを挙げる

  • 電源の極性によって音が変わる
  • スピーカーケーブルを変えると音が変わる
  • CDプレイヤーによって音が違う
  • 電源ケーブルを変えると音が変わる
  • 光ケーブルを変えると音が変わる
  • CDのはじっこを削ってフエルトペンで周りを塗ると音が良くなる
  • スピーカーケーブルの向きはすべて揃える。そうすると音が良くなる
  • 半導体(トランジスタ等)よりも真空管の方が音が良い

 電源の極性、それとスピーカーケーブルは「信じられなかったけれど本当に音が変わった」という話を非常に良く耳にするので、オカルトと断定しているのではなく半信半疑の部分。それ以外はオカルトと思っている。真空管神話については完全にオカルトの領域なのです。残念ながら。光デジタル転送のケーブルを変えると音が変わるという話になると、これはもう分かりやすいオカルト。聞き分けられるという人は、プレス工場の違いも聞き分けられるに違いありません。

 「オーディオ入門」的な本の中に、ぶっとい電源ケーブルをウン万円もかけて購入した人の体験談が乗っていた。無意味に太い電源ケーブルを顔の横に持った写真がステキだった。コンセント〜機器間の数メートルを良くしたところで、それがいったい何だというのでしょうか。たしかに、電源が悪いとハムやノイズが乗ることは理解できる。だが、なぜ電源ケーブルなんだ?ホントに二重盲検テストに耐えられるほどの違いなの?うーむ。

 Webページを巡っていると、やはり同じようなことを言う人は多い。電気的に等価なのに、「聞き比べると違いがある」とか堂々と言う人がとても多いのはなぜなんだろう。

なぜこんなにもオカルトが跋扈するのか?

 話は簡単、聴覚は脳で判断するから(聴覚だけじゃないけれど)だ。音を判断するときに脳がバイアスをかけるのである。だから、そのバイアスが効かないようにしてから、例えば2つの機器をくれべて判断しなくては本当の判断にならない。科学の世界では二重盲検という手法がかなり以前から確立されている。にもかかわらず、二重盲検で判断されることはいままで全くなかった。少なくともそんな例を僕は知らない。

 人間心理を考えるのに非常におもしろい教材だと思う。「その人が良い音とおもうようになればそれで良いのだから、べつにどうでもよいじゃん」という人が居るけれども、それは間違っている。代替療法や新興宗教などで、不治の病がなおったときに、「その人が直ったのだからそれでよいじゃん」と思う事と一緒である。全然良くないのだ。この場合は「なぜ直ったのか」という肝心のところが不明確なまま、代替療法や新興宗教に騙される人が多くなる。社会的に損失だし、オーディオの場合で言うと、本当に良い音を追求するというメーカーの態度が欠ける方向になる。如何に消費者をだまして高価なものを売りつけるか、という態度になる。これは非常にうざったい。

 もう一つはオーディオ評論家達の態度だろう。本当に耳に自信があるのならば、1万円のオーディオと100万円のオーディオを間違いなくブラインドテストで見分けられるはずである。でもそれは絶対に行わない。簡単なブラインドテストなら実例はあるけれど、二重盲検で行った例は知らない。しょせん、オーディオ評論家とは自分の耳にではなくて、詩的な音の評価文を作るのに才能があるだけなんだろう。

オーディオの選択方法

雑誌やWebのレビュー記事等は全く参考にならないので全く参考にしない事。


スピーカーの選択

 スピーカーの違いはそのまま音の違いになる。これはオーディオ店でスピーカーセレクターをかちゃかちゃやれば明らか。気に入ったスピーカーを予算の範囲内で選ぶ。スピーカー選びには慎重に慎重を期する事。試聴できるなら必ずする。ただし、部屋の違いで音が違ってくるので、試聴したそのままの音では自室ではならない事は覚悟する。試聴して、試聴して、そして一番自分が良いと思ったものを買う。試聴時も出来ればセルフブラインドで。(メーカー名など見ずにスピーカーセレクターをいじるのがよい。むずかしいけれど)

アンプなどの選択

 そしてアンプその他は欲しいものを買う。

セッティング

 自室でセッティングは徹底的に追い込む。これはオーディオ界ではどうすればいいかはある程度確定しているのでそれを参考にする。はい、これであなたのシステムは完璧になりました。

オカルトは無くならない

 マスコミからオカルト番組が無くならないのと同様、オーディオでもオカルトは消えないんだろうな、と思っている。オカルト好きの僕としては、ある意味面白い世界だと思っている。

 さて、小学生だか中学生だかのころ、オーディオ屋で1メートルウン万円もするスピーカーケーブルを買おうとしてたオッチャンがいた。「このケーブルは1.5メートルの長さの物しか在庫がないが、3メートルの物はないのか?」と店員に問い合わせていた。中学生の僕は頭の中にはてなマークが4つくらい浮かんだ。「????」そもそもそんな高価なケーブルが売られていること自体不思議だったし、それにそもそもこのオッチャンは何がしたいのか疑問であった。きっとその高価なケーブルは抵抗がとても低いことをウリにしているはず。そのケーブルも、長さを倍にしたら抵抗値はほぼ倍になるだろう。で、そのウン万円もするケーブルを何のために買っているんだろう?そんなケーブルを探す努力をするならもっと短いケーブルで取り回す努力をすべきだ。もしくは自分で太い電線を作っても良いだろう。このとき浮かんだ中学生である僕の疑問は、いまも解消されていない。

プラシーボ効果を逆手に使う

 究極の良い音がするアンプは、やっぱり自作アンプじゃないかと思っている。自分で設計し、製作したアンプから出る音は、何百万もするメーカー製アンプよりもいい音と脳が判断するであろう事は想像に難くない。自作、しかもアンプを設計できる人は本当に幸せなオーディオセットを持っているんだろうな、と思うとかなりうらやましいのだ。(キットから手始めにやってみようと画策中)→ やってみました。ヘッドフォンアンプ自作