Word frequency analysis reveals enrichment of dinucleotide repeats on the human X chromosome and [GATA]n in the X escape region
タイトル
単語頻度解析によってヒト X 染色体には2塩基リピートが豊富にあり,また X 染色体の不活性化を逃れる領域には [GATA]n リピートが豊富にあることが明らかになった
概要
長さ 9 の塩基文字列を word と定義し,ヒトゲノム中における word の使用頻度をカウントした.それにより,ヒトゲノム全般に CpG が現れにくいこと,ヒト X 染色体には常染色体よりも [AT]n,[AC]n,[AG]n が多く出現すること, ヒト X 染色体のうち不活性化を逃れる領域には [GATA]n が多く出現することが明らかになった.
Alu-mediated 100-kb deletion in the primate genome: The loss of the agouti signaling protein gene in the lesser apes
タイトル
霊長類における Alu 配列を媒介した 100-kb の欠失: テナガザルにおけるアグーチシグナルタンパク質遺伝子の欠失
概要
霊長類におけるアグーチシグナルタンパク質の分子進化的な解析を計画していたところ,テナガザルにおいてアグーチシグナルタンパク質が欠失していることが明らかになった.この欠失の機構について調べたところ,Alu 配列が介在した 100-kb の欠失が起こっていることが判明し,このことは,霊長類ゲノムの進化のダイナミズムにおいて Alu 配列が重要な役割を果たしている証拠となった.
Genetic variation in the zebrafish
タイトル
ゼブラフィッシュにおける遺伝的バリエーション
概要
モデル生物として主に発生学の研究に重宝されてきたゼブラフィッシュであるが,未だに変異体については詳しく解析されていない.そこで EST データと全ゲノム配列とを照らし合わせ,高品質の SNPs 候補を同定した.それによるとゼブラフィッシュのヘテロ接合体間の変異が 37% にも及ぶ領域も観察され,ゼブラフィッシュは非常にバリエーションの度合いの大きい生物種であることが判明した.この事実は,ゼブラフィッシュは他のモデル生物とは大きくことなった特徴を持っていることを表しており,実験計画のデザインや,実験結果の解釈に取り入れてゆかねばならない.
X chromosomes and autosomes evole at similar rates in Drosophila: No evidence for faster-X protein evolution
タイトル
ショウジョウバエにおいては,X 染色体と常染色体は同じ速度で進化している: X 染色体上に位置するタンパク質の進化速度が速いという証拠は得られない
概要
古くから X 染色体上に位置するタンパク質は,常染色体上に位置するタンパク質よりも進化速度が速いと考えられてきた.当該研究では,ショウジョウバエの近隣の4種の X 染色体の進化速度と,常染色体の進化速度を比較することにより,古くからの考えを実際に検証した.その結果,古くからの考えを裏付ける証拠は得られず,X 染色体に位置するタンパク質も,常染色体上に位置するタンパク質と同等の進化速度で進化していることが明らかになった.
Evolution of exon-intron structure and alternative splicing in fruit flies and malarial mosquito genomes