ONLY YESTERDAY

来生たかお大百科 ＞『ROMANTIC CINEMATIC』←自作曲→『I Will...』

※原則的に、来生たかおは“来生”に省略、来生えつこは“来生えつこ”と表記。

概要 †

1985年にリリースされた11枚目のオリジナルアルバムである。

当初は10月25日にリリースされる予定で、来生自身もインタビューにおいてその旨を述べているが*1、別の紙面では1箇月遅れる可能性を明言しており*2、実際に11月25日に変更された（下記「帯のコピー」欄の但し書きも参照）。

本作は前作のオリジナルアルバム『ROMANTIC CINEMATIC』の延長線上にあり、「青春の思い出」っぽいイメージで*3、来生が一貫して考えているノスタルジックな部分を前面に出して制作された*4。

アルバムタイトルは、サブタイトルにもある「つい昨日の事のような」という意味合いで、ノスタルジックな来生自身の青春のイメージから名付けられ*5、35歳という年齢は、まだ若いと思いつつも、年を取ったという感覚もあり、「あの頃は良かった」という場面がつい昨日のように思い浮かぶ事が多くなった心境が表されている*6。なお、姉弟共、今よりも昔の方が良かったという感覚が強く、来生が忘れてしまった事柄を来生えつこが憶えている場合もあるだろう事から、楽曲のイメージ作りの段階でも、特に昔の体験談や思い出話等はしなかったという*7。しかしながら、大事なのはやはり「今」で、過去に縛られてばかりにならないよう、サブタイトルの考え方の基になった「たかが昨日」「されど昨日」という意味合いの、前者の意識を持っておく必要があると説いている*8。

レコーディングされた楽曲は全部で15曲で、来生が“矢倉銀”名義で編曲を手掛けた楽曲は、バックバンドであるスタートルが演奏を担当している*9。来生は、久し振りに編曲をするに当たり、イメージを作るのが難しく、ヒントを求めて日課のように映画を観賞したという*10。

アルバムの冒頭には「オーバーチャ」と名付けられたイントロダクション的なギターのインストゥルメンタルが収録されており、最終曲「夢みる頃を過ぎても」（LP版、CT版では「Wonder Night」）の後にも幾分異なる編曲で再登場する（但し、どちらも1曲目や最終曲と同じトラックに含まれ、別個の収録曲としては明記されていない）。この楽曲は、アメリカ、イタリアの合作映画『Once Upon A Time In America／ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』（1984）にインスパイアされて作ったものだという*11。なお、1995年以降の復刻盤CDは、冒頭のみで最後には収録されていない。

CD版には「もう少し遠く」「夢みる頃を過ぎても」の2曲がプラスされ、CT版やLP版とは全体の曲順も入れ替えられている。また、2019年の復刻盤CDはLP版を再現したものだが、ボーナストラックではなく追加曲として上記2曲が収録されている。

LP版の帯では、既出のオリジナルアルバム『ROMANTIC CINEMATIC』や企画アルバム『Visitor』『LABYRINTH』、ベストアルバム、第18弾オリジナルシングル「はぐれそうな天使」が写真入りで宣伝されている。

1995年版CDの帯には「夢見る頃を過ぎても」との記載があるが、正しい表記は「夢みる頃を過ぎても」である。また「オリジナル発売日：85年10月25日」とあるが、実際の発売日は「11月25日」である。

収録曲 †

LP・CT †

CD †

※各曲の収録時間はCD版に記載がないので通販サイト等に準拠（12：括弧書きの収録時間はエンディングのインストゥルメンタルを含めた場合）

参加ミュージシャン †

※記載なし

参加スタッフ †

• PRODUCER：多賀英典
• DIRECTOR：本間一泰
• Sound Produced and Engineer by 清水高志 for MIX
• Second Engineer：脇田貞二 for MIX
• Assistant Engineer：MIX ALL Staffs
• Recorded at：KRS Recording Studio, Tokyo and Kitty Izu Studio, Shizuoka
• Design, Photography and Illustration by 田島照久
• Thanks：Mutsumu Nakajima for Half Tone Music、Mieko Shinohara、松田真人、宮崎真哉、中野薫

録音 †

• 日付の記載なし／KRSレコーディングスタジオ、キティスタジオ、伊豆スタジオ（リミックス）

初出 & 復刻 †

アルバムタイトルの表記 †

※サブタイトル“-つい昨日のこと-”は歌詞カードでも用いられているが、各種ディスコグラフィーによっては割愛されている。

パッケージの体裁 †

• オリジナル版CD：ジュエルケースに2つ折りのカード（及び、歌詞カード）を挿入
• 1991年版CD：ジュエルケースに2つ折りのカード（及び、オリジナル版CDのものを基調とした歌詞カード）を挿入
• 1995年版CD：ジュエルケースに2つ折りのカード（及び、オリジナル版CDのものを基調とした歌詞カード・既出オリジナルアルバムのディスコグラフィー）を挿入
• 2007年版CD：ジュエルケースに2つ折りのカード（及び、オリジナル版CDのものを基調とした歌詞カード）を挿入（及び厚紙製ケース付き）
• 2019年版CD：紙製ケースにLP版のものを基調とした歌詞カード（及び、追加曲分の別紙歌詞カード）を挿入

帯のコピー †

• LP：くりかえし、くりかえし…。
  オリジナル版CD：くりかえし、くりかえし…。 LP未収録曲2曲を含む全12曲のCD特別編集。
• 1991年版CD：※記載なし
• 1995年版CD：ノスタルジックな気持ちを五線譜に託して…。 「夢見る頃を過ぎても」、「もう少し遠く」を加えての、CDedition。
• 2019年版CD（復刻LP版コピー／新版コピー）：くりかえし、くりかえし…。／来生たかおオリジナルアルバム18タイトル　紙ジャケット・コレクション くりかえし、くりかえし…。ONLY YESTERDAY―つい昨日のこと― 曲目：Times Go By／Far Away／About You／Only Yesterday Dream／風の忘れもの／暗闇にあやふや／はぐれそうな天使／P.S.メモリー／緑の正午（まひる）／Wonder Night／もう少し遠く／夢みる頃を過ぎても CD盤に収録された「もう少し遠く」「夢みる頃を過ぎても」を追加