LABYRINTH II


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※原則的に、来生たかおは“来生”に省略、来生えつこは“来生えつこ”と表記。

概要

1991年にリリースされた企画アルバムである。

提供曲のカヴァーで構成された、歌手デビュー15周年記念の1枚でもあり、来生は、一般的にはポピュラーではない楽曲も多く地味な印象であるが、遜色はないと自負している*1

選曲は、来生えつこの意向も鑑みつつ、来生自身が選んだ楽曲の中から、更に歌いたいものを決めて行ったという*2。また、ファンレターに書かれたリクエストも参考にしており、H2Oに提供した「僕等のダイアリー」や、薬師丸ひろ子に提供した「語りつぐ愛に」をバラード調にしたもの、オリジナルアルバム未収録の楽曲「空色の渚 〜時よ ゆっくり〜」が収録候補に挙がっていた*3(その後、上記3曲は類似企画で『追憶』『夢より遠くへ -melodies & stories-』『THEME SONGS』にそれぞれ収録されている)。

編曲や演奏でポール・モーリア楽団の若手アーティストを起用しており、来生は、自身の楽曲には生のストリングスが合い、前作の企画アルバムLABYRINTH』と同様、爽やかさや郷愁を有すると語っている*4。なお、ジル・ガンブス(Gilles GAMBUS)は、1984年に開催されたポール・モーリアの日本公演『PAUL MAURIAT JAPAN TOUR 1984』にキーボード奏者として参加しており、来生と同じステージに立っている。

スタッフの竹内隆によれば、『LABYRINTH』と同様、パリでのレコーディングも企画されていたが、スケジュール的に叶わず、その代わりギルバート・オサリヴァンとの共演が現実味を帯びて来たという*5

提供曲のカヴァーで構成した初めての企画アルバムVisitor』に続く第3弾という事で、制作当初は『VISITOR 3』とも呼ばれており*6、『Visitor』と『LABYRINTH』のどちらの「II」にするか、または全く別のタイトルにするかが検討された*7。なお、元々は1990年にリリースされる予定だった*8

罪な雨」は、元々「罪な雨 〜so sad rain」として早川英梨に提供された楽曲だが、本アルバムの帯には、後にカヴァーした倉橋ルイ子への提供曲として記載されている。

CD版のジャケットは山本容子の銅版画によるアートワークだが、CT版のそれはピアノに向かう来生の両手の写真が使われている。

収録曲

※各曲の収録時間はCD版に記載がないので通販サイト等に準拠

トラックタイトル作詞作曲編曲収録時間トラックタイトル作詞作曲編曲収録時間
CTCDCTCD
SideA-11With来生えつこ来生たかおGilles GAMBUS4:17SideB-16鏡の向こう側来生えつこ来生たかおGilles GAMBUS4:35
SideA-22ひと月ののち来生えつこ来生たかおBernard ARCADIO3:33SideB-27まぶしい二人で来生えつこ来生たかおGilles GAMBUS3:16
SideA-33めざめ来生えつこ来生たかおGilles GAMBUS4:12SideB-38罪な雨来生えつこ来生たかおGilles GAMBUS3:37
SideA-44すべて霧の中来生えつこ来生たかおBernard ARCADIO3:55SideB-49シルエット来生えつこ来生たかおBernard ARCADIO4:04
SideA-55いとしい あした来生えつこ来生たかおGilles GAMBUS4:32SideB-510出会えてよかった来生えつこ来生たかおBernard ARCADIO/星勝4:55

参加ミュージシャン

  • Drums:Andre Ceccarelli、小田原豊(10)
  • Bass:Philippe Chayeb、Masayuki Suzuki(10)
  • Guitar:Jean Claude Chanavat、Raymond Gimehes、土方隆之(10)
  • Keyboards:Gilles Gambus、Bernard Arcadio、松田真人(10)
  • Percussion:Gilles Gambus、ペッカー(10)
  • Flugel Horn:Eric Giausserard
  • Violin:Alain Kouznetzoff、Jean Gannet、Chantal Vienet、Paul Toscano、Victor Krasnoff、Jacques Charrier、Frederic Laroque、Christian Tetard、Pierre Bachialoni、Daniel Dato、Philippe Pouvereau、Stephane Henoch
  • Viola:Remi Brey、Michel Varron、Michel Renard、Gerard Massias
  • Cello:Hubert Varron、Jean Lamy、Michel Lacrouts、Florence Wilson

参加スタッフ

  • PRODUCED BY 来生たかお & 来生えつこ
  • Sound Producers:Gilles Gambus、Bernard Arcadio、星勝
  • Directors:本間一泰、高橋良一
  • Assistant Director:加瀬丈裕
  • Recording Engineers:Christophe Dubois、清水高志(Mix)
  • Mixing Engineer:Dominque Poncet
  • Assistant Engineers:Marc Vielfaure、Junichiro Hata(Mix)
  • Mastering Engineer:高城賢(Mix)
  • Recording & Mixing Studio:Studio des Dames, Paris、Studio Key-Stone, Tokyo
  • Artist Manager:竹脇隆
  • Public Relation:榛葉成倫
  • Art Director:永井裕明(N.G.Inc.)
  • Designer:飯田京子(N.G.Inc.)
  • Cover Aritist:山本容子
  • Photographer:市川勝弘
  • Stylist:Hiromi Hase
  • Hair & Make Up:Chisako Ohira(masculin)
  • Production Supervisers:Valertin Coupeau(VAL Productions)、宗像和男
  • Recording Co-ordination:VAL Productions
  • Exective Producer:多賀英典
  • Special Thanks To:寒河江千代(for her excellent translation)、Anne Molloy(VAL Productions)、Hideaki Takezawa、Ryo Takagi、Junko Nakamura(東芝EMIミュージック)、Hiro kadoma(東芝EMI)、Mikiko Hayashi、Yumi Hayakawa

録音

  • 1991.04-09/Studio des Dames、キーストーンスタジオ(ミックス)

初出 & 復刻

発売年月日メディア:規格品番発売元/レーベル備考
1991.10.25CT:KTTR-1127キティレコード○CTのジャケットはCDのブックレット内の写真を使用
○CT:オリコン最高59位(売上累計3,300枚)/CD:オリコン最高68位(売上累計12,350枚)
CD:KTCR-1127
2007.03.21CD:UPCY-6375ユニバーサルミュージック○21枚組CD-BOX『来生たかお大全集』に1991年版を収録
○帯なし

アルバムタイトルの表記

ジャケットケースの側面部
CT※帯がないので該当なしLABYRINTH IIラビリンス II
CDオリジナル版ラビリンス IILABYRINTH IILABYRINTH II
2007年版※帯がないので該当なしLABYRINTH IILABYRINTH II

パッケージの体裁

  • オリジナル版CD:ジュエルケースにブックレットを挿入
  • 2007年版CD:ジュエルケースにオリジナル版CDのものを基調としたブックレットを挿入

帯のコピー

  • オリジナル版CD:小堺一機、市川染五郎、平井菜水、高橋真梨子、雪村いづみ、桑江知子、中森明菜、倉橋ルイ子、伊東ゆかり、ギルバート・オサリバンに提供した名曲たちが甦ります。フランス録音


*1 『DODA』(1991.11.14)
*2 『DODA』(1991.11.14)
*3 オフィシャルファンクラブ「TAKAO CLUB」の会報『égalité』vol.13(キティ・ミュージック・コーポレーション/1990.05)
*4 『DODA』(1991.11.14)
*5 オフィシャルファンクラブ「TAKAO CLUB」の会報『égalité』vol.19(キティ・ミュージック・コーポレーション/1991.12)
*6 オフィシャルファンクラブ「TAKAO CLUB」の会報『égalité』vol.14(キティ・ミュージック・コーポレーション/1990.07)
*7 オフィシャルファンクラブ「TAKAO CLUB」の会報『égalité』vol.19(キティ・ミュージック・コーポレーション/1991.12)
*8 オフィシャルファンクラブ「TAKAO CLUB」の会報『égalité』vol.14(キティ・ミュージック・コーポレーション/1990.07)