新曲である「頬杖の幸福」が披露される事は、事前に告知されていた*1。
5日間行われたリハーサルの内、最初の3回は一通り練習し、後の2回は楽曲の間合い等を練習した。まずは皆で原曲のCDを聴き、松田が譜面を見ながらポイントを説明、実際に来生が歌いながら演奏の修正点を改善するのと同時に、開幕のタイミング、来生の登場の仕方等の演出、照明、音響等の機材を決定して行った*2。因みに、リハーサルにおいて来生から、読売ジャイアンツのチョ・ソンミン選手が自身の楽曲をよく聴いているとの情報があり、スタッフは本公演の招待状を送付する事にしたという*3。
当日は、ステージに地絣(じがすり=舞台上に敷く布)を敷き、ライトバトン(照明を吊るす棒状のもの)に照明機材を吊るし、スピーカーを設置し、客席にはミキサーや周辺機器を運び入れ、スピーカーのチューニング、照明のシュート(当たりを合わせる作業)を経て、リハーサルを開始した。まずはバンドと共にリハーサルをし、その後、弾き語りの練習をした*4。
松田真人が全曲のアレンジを担当した。ほとんどの楽曲がオリジナルの編曲に準じたものだったが、「頬杖の幸福」「檸檬」「あなたの色彩」「はかなさのしくみ」「めざめ」において山崎教昌が制作した打ち込みの音源が使用された*5。また、「めざめ」は平井菜水版を基にアレンジされた。
オープニングは、椅子に腰掛けた来生の姿が浮かび上がる斜幕が「頬杖の幸福」のイントロと共に上がり、間奏以降はステージの前方に移動して歌った*6。
「窓辺の女(ひと)」「おだやかな構図」、「1/2の二人」から「二人の場所」、「不意の出来事」から「めざめ」はスタンドマイクで、「思い出の時差」は椅子に座って披露された*7。また、「どこまでも恋心」はハンドマイクで歌われた*8。
観覧に訪れた来生えつこは、コンサートでは余り歌っていない楽曲に、忘れていた歌詞の内容やヒントにした映画のシーン等が蘇ったと語っている*9。
公演後、楽屋には夫人から山形県産のさくらんぼ「佐藤錦」が届けられていた*10。
公演の前々日(6月25日)には「スタートル」と共に日本テレビ『FAN』(放送:1998.07.10)の収録があった。
主なMC |
主催:東京労音/企画制作:ベイシック/後援:日本コロムビア/協力:SOGO東京、ANY、KMミュージック
日付 | 会場 | 開場/開演 | 料金/席種 | 備考 |
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1998.06.27(土) | 東京都・渋谷公会堂 | 18:00/18:30 | 5250円/指定席 |
※21:アンコール
※9,10:Piano Solo/11〜13,18〜21:Piano