第二量子化をトバエ君が勉強中です。
次回更新を待て!
次回よ早くこい!トバエ!!
彼は言った。
「ほら、こんな簡単なことなんだ。」
そうして2つのフェルミオンから6次元の波動関数を生み出した。
しかも見事に反対称だ。さらにはN個のフェルミオンでだって
できるらしい。行列式で表すのだそうだ。さすがスレーター。
…問題は僕が高次元をうまく理解できないことだった。
しかもこいつを使っての計算は手強そうだ。
ちなみに後日パーマネントというものも風の噂に聞いた。
こっちはボソンに対応する行列らしい。
あてどもなく彷徨っていた僕の前に光明が見えたのは
街角の巨大ディスプレイを見ている時だった。
ある場所のLEDがついたり消えたり…
『待てよ、同種粒子は本質的には区別できない。そうか、そうだったんだ!』
多体系の状態表すのに、何番目の粒子がどこにいるか考えるなんて無意味。
むしろ全体の状態を指定するのは「どこにいくつの粒子がいるか」
次の瞬間僕は不思議な場所に立っていた。
ここにもあっちにもトバエくんがいる。隣で消えたトバエくん。
遠くに突如現れたトバエくん。
あれはここで消えたトバエくんなのか?
彼は移動したのだろうか?
全体の状態はトバエくんが
この"場"のどこに存在しているかでしか指定できない。
全てが対等。
『囲碁みたいだな。どの石を使うかではなく、
どこに石があるかが働きを決める。』
そのときトバエくんがあちらこちらで笑い出した。
どこにつぼがあったのか励起状態になったようだ。
この場をあらわすのに、
どんな状態に何人のトバエくんがいるか
を使うこともできるな。
…それにしても、どうすればこのトバエワールドから抜けられるのか。
少し不安になってきた。