2002 / 02 / 17 野々替え玉殺人(あいりん替え玉殺人事件)


2002/02/17 野々替え玉殺人(あいりん替え玉殺人事件)

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2002年4月、石川県野々市町役場に病死と届けられた加藤善一郎さん(77)の遺体が、
全くの別人であったことが発覚。さらに大阪府内で頭蓋骨が見つかった、もう1人の
人物も、加藤さんの替え玉に仕立てられ、死亡届けを出されていたことが分かった。
加藤さんの妻である尹麗娜(イン・レナ)容疑者(46)が加藤さんの遺産を不正に
相続しようと2人の男性を替え玉にしたことが分かった。
公正証書原本不実記載、使用容疑で指名手配されていた容疑者の1人は石川県で
逮捕するも、替え玉事件の主犯と見られる尹麗娜容疑者は現在も逃走中。
加藤善一郎さん本人も、いまだ行方が分かっていない。

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事件は加藤さんの娘に、住民票の移転先の市役所から問い合わせがあったことから発覚。
尹容疑者は2月16日、加藤さんの健康保険証を持っていた男性が死亡後、身を寄せていた
野々市町の知人宅を離れたが、同月24日にいったん戻り、その後行方不明だという。

石川県野々市町で今年2月、病死した男性が、死亡届に記載された戸籍上の男性(77)と
別人だった事件で、戸籍上の男性の娘3人のうち2人の住民票が大阪市内に、また戸籍上の
男性の住民票が石川県に異動させられたのは1月31日から2月1日だったことがわかった。

男性は約2週間後に死亡したことになっており、大阪、石川両府県警の合同捜査本部は、
戸籍上の男性の妻の尹麗娜容疑者(公正証書原本不実記載・同行使容疑で指名手配中)が
男性名義の土地相続に絡んだ計画的な犯行だったとみて捜査を進めている。
調べなどによると、戸籍上の男性の長女と次女の住民票は2月1日付で東北、関東地方から
いずれも大阪市内に無断で異動されていた。
三女については四月上旬に大阪府内から大阪市内に異動、転入先は二女と同じ住所だった。

中央区の加藤善一郎さんが石川県野々市町で死亡した男性と身元を偽装された事件で、
加藤さんと中国人妻、尹麗娜容疑者(指名手配)の住民票が大阪市中央区のアパートから
野々市町に移された1月末、尹容疑者が大阪のアパートの管理人(81)に解約を申し出たが、
契約者の加藤さん本人でないことから断られていたことが18日、関係者の話でわかった。

その際、尹容疑者は「(加藤さんは)入院している」と話したが、加藤さんの入院先は
教えなかったという。家賃は転居後も尹容疑者らが直接、支払いながら、男性死亡の
ことには一切、触れておらず、大阪、石川両府県警はアパートの不可解な契約状態が
今回の替え玉事件に関連しているとみて調べている。
関係者の話によると、大阪市中央区日本橋のアパートは加藤さんが平成12年頃契約。
毎月の家賃45000円は、加藤さんが納め、昨年12月末にも1月分を直接支払っていた。
しかし、今年1月末には尹容疑者が2月分の家賃の支払いに訪れ、解約を申し入れた。
管理人が「契約者本人の承諾がいる」と告げると、「入院している」と答えた。
見舞いと解約の確認も兼ね本人に会おうと入院先を尋ねたが、尹容疑者は教えなかった。

尹容疑者はその後も、3、4月分の家賃の支払いに直接アパートに来たが、2月15日に
野々市町で加藤さんとされる男性が死亡したことは一切話題にしなかった。
加藤さんの姿は、野々市町に転居する1カ月前の昨年末ごろには、アパートで見かけなく
なっていたという。

西成で殺害か?

加藤さんは、93年に大阪府八尾市から大阪市中央区のマンション、アパートへの
移転を経て、2月初旬に同町に移っている。
十数年前に先妻と離婚してからは、3人の娘とはほとんど交流がなかった。
「中国人女性(尹容疑者)と結婚する」と長女に連絡し、昨年5月に、結婚。
加藤さんは、尹容疑者が西成区で経営していた和風スナックの常連客。
病死男性が入院していた病院は同区内にあり、3人は「西成」という接点で結ばれる。

遺産乗っとり

加藤さんは同区に土地を持っていた資産家、現在も宅地(約380平方m)を貸している。
尹容疑者は、「死亡届」が出されて間もなく、この宅地の遺産相続の手続きを開始。
3月中旬、二女と三女が遺産相続を放棄したという虚偽の申請をし、証明書を入手。
宅地の所有権が加藤さんから尹容疑者と長女に移ったように大阪法務局出張所で登記。
さらに4月中旬、長女分を尹容疑者本人に移転させ、計画的に独占した。

協力者の影

来日5年の尹容疑者に、複雑な登記手続きを1人でするには指南役が必要。
4月下旬、宅地賃貸者方に男性2人が来訪。
「中国人女性が取得した土地を買わないか」などと土地の仲介をしようとした形跡が
あり、尹容疑者の背後関係がうかがえる。

元鉄道公安官の加藤善一郎さんが戸籍上、病死したことにされた替え玉事件で
指名手配された尹麗娜容疑者は、スナックの客に戸籍売買を持ちかけていたという。
「尹容疑者が客から戸籍を買い取っていたようだ」。
尹容疑者があいりんで経営していたスナックに通っていた30代男性が打ち明けた。
常連の客になると「あなた200万円欲しくないですか?」などと語り始めたと言う。
自分の店で就労させるため、毎年数人の中国人女性を日本に受け入れていたらしく、
戸籍を売る人物を日ごろから物色していたらしい。
尹容疑者は昨年5月に再婚した加藤さんについて「今度の人はお金持ち」と話し、
昨年9月にはスナックを閉め、中国にもほとんど行かなくなった。
偽装結婚ビジネスから手を引いた後、加藤さんの資産奪取に狙いを替えた疑いが強い。

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*写真は容疑者が経営していた太子のスナック
偽装結婚に詳しい関係者によると、仕事にあぶれて生活に行き詰まった男性が戸籍を
売るケースが急増。「供給過剰」になり、相場は、以前の100万〜200万円から、50万円に
下がっているという。
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