1999 / 07 / 10 梅津絵美里さん


1950以前

【1949/01/26 帝銀事件】

戦後の世相の中で起こった帝銀事件は、空前の難事件だった。
一時は迷宮入りかとも騒がれたが、事件発生から七ヶ月後、
冷酷な毒殺事件とはどうにも結びつかない"初老の画家"が逮捕された。

ttp://www.tokyo-kurenaidan.com/teigin.htm

西武池袋線(当時は武蔵野線)の椎名町駅近くの帝国銀行(現第一勧業銀行)椎名町支店で、
支店が閉まった4時頃に東京都のマークの付いた腕章を腕に付けた中年の男が現れ、
「集団赤痢が発生したから予防薬を飲まなければならない」と言って、全員に青酸カリを飲ませ、
12人を毒殺、現金12万円と小切手を強奪した強盗殺人事件。
犯人として平沢貞通が逮捕されるが、最後まで犯行を否認する。
最高裁で死刑判決が確定するが、刑は執行されず昭和62年獄中で死去。
事件は未だ解決されていない。

1948年1月26日午後3時過ぎ、帝国銀行椎名町支店に厚生省の技官を名乗る男が現れ、
近くで集団赤痢が発生したとして、予防薬と偽り毒物を行員に飲ませるという事件が起きた。
12名が死亡4名は一命をとりとめたが、その間に犯人は現金16万円と小切手1枚を奪って逃走した。

この事件の犯人として8月21日、テンペラ画家の平沢貞通氏が逮捕され、この日起訴された。
裁判では平沢氏が一貫して無罪を訴えるが、1955年最高裁で死刑が確定。
その後何度も再審請求が出されるが全て棄却されている。

平沢氏は結局そのまま1987年5月10日八王子医療刑務所で病気のため死去。
支援者の人たちはいまだに再審請求を重ねている。

戦後多くの冤罪事件が起きていますが、帝銀事件はまだ犯人とされてしまった人の名誉回復が
なされていない事件の一つです。しかも犯人とされた人が誰が見ても全く犯人らしくない変な事件です。

この事件には不振な点が多すぎました。
まず毒物は青酸カリとされたのですが、被害者の死に方が青酸カリではない、という
意見が多いようです。また当初から毒物に詳しい人物として731部隊の関係者が多数取り調べられていたのに、
突然何の関係もない、しかも毒物に関する知識など全くない平沢氏が逮捕された経緯も不可解すぎます。

731部隊(及び関連する部隊)は中国で戦時中、化学、生物兵器の人体実験を行っていました。
このデータをアメリカが欲しがったとも言われています。
731部隊に関して何も問わない代わりにその実験データがアメリカ軍事筋に渡されたと噂されています。
731部隊の責任者も渡米して向こうの技術者にいろいろな情報を提供していたようです。
そういうさなかに起きたのがこの事件で、恐らく犯人はやはり731部隊の関係者でやや特殊な
毒物を使用したのでしょうが、その裁判をやることによって、軍事機密が漏れることを恐れた
GHQが731部隊に関する捜査を中止させ、結果的に他方面から事件に迫る内に誤認逮捕に
つながったというのが、恐らく事実に近い所なのではないかと思われます。

法務省には死刑が確定した事件について、再度調査し冤罪ではないかということをチェックする機関がある。
ここで間違いないとされたものが法務大臣に報告され、法務大臣が印鑑を押せば、死刑は執行されます。
しかし平沢氏の死刑は最後まで執行されませんでした。
恐らく法務省の調査機関の結論は「NO」だったのでしょう。
しかし日本には彼のようなケースを無罪として釈放するための制度も存在しませんでした。
再審を掛けるにはデータが弱すぎたことも事実のようです。

ttp://www.gasho.net/teigin-case/
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B8%9D%E9%8A%80%E4%BA%8B%E4%BB%B6
ttp://gonta13.at.infoseek.co.jp/newpage8.htm
ttp://www.galaxy.city.sapporo.jp/teine/genki/teiginn/teiginnjikenn.htm

  • counter: 7072
  • today: 1
  • yesterday: 0
  • online: 1

最新の20件

2023-10-31 2022-11-06 2022-06-11 2022-03-26 2021-12-05 2021-11-14 2021-11-06 2021-10-09 2021-09-10 2021-08-03 2021-07-31 2021-07-30 2021-07-03

今日の10件

  • counter: 7072
  • today: 1
  • yesterday: 0
  • online: 1