スレssまとめ3


スレssまとめ2

◆6dKnTjhleU(ID:w6ONGa+o0)氏のss

いつもの晴れ渡った天気
いつもの慌しい朝、妹がギャーギャー言いながら準備している中
…今日もいつもと同じ、ねえに食事を持っていく…
朝食と一緒に昼用の弁当も…
弟「ねえ、起きてる?」
部屋をノックすると
姉「うん…入っていいよ…」
そう言うと、弟は姉の部屋の合い鍵で、部屋を開けた。
むろん、部屋の合い鍵は姉自身と弟とその妹しか持っていない
弟「ねえ…ご飯もってきたよ…」
姉「…あ…ありがとう…いつもごめんね…もうめんどくさいでしょ…」
聞きなれた言葉だった…姉はいつも謝ってばかりだ
弟「謝らなくてもいいよ、昼はこれ…飲み物はこれで足りるよね?」
姉「うん…」
弟「今日は俺んとこ授業はやくおわるからさ!予定も入ってないし…なるべく早く帰ってくるよ!!」
姉「…あ……うん」
まだ、パジャマ姿の姉…多分帰ってくるころもそのままの姿だろう…
弟「じゃあ…もういかないと!いってくるね!」
姉「…行ってらっしゃい!」
そう言って姉の部屋をでた。
姉の部屋は6畳の洋間で、引きこもるにはちょっともの足りない部屋だ。
部屋の中には本棚に漫画が並べてあって、コンポやTVもそろっている。
机の上には1台のノートパソコン…なかなかの性能らしい…
俺はそういうの詳しくないからわからないけど…
後は何も無い、飾り気の無い部屋だ。
俺にはこんな所に一日中いるなんて考えられない。
まあ、俺はいつもブラブラ友達と街をうろついているが…

早く終わった授業…家には姉しかいない…
両親は1日仕事、妹はだいたい8時くらいまで最寄りの友達の家にいる…
両親は大体夜中1時くらいに帰ってくる。

弟「…ただいま………」
返事がない…一見誰もいないような家だが、階段を上がると…
弟「…ふうっ…疲れた…今日の体育…」
独り言のように呟きながら階段を上る、そしていつもの見なれたドア…
弟「ねえ?いる?」トントン
暫しの沈黙…
弟「…?入るよ?」ガチャ
どうやら姉は寝ているようだ。部屋の隅のパソコンは明かりを放っている…
カーテンは閉められ、明かりは消えているか、豆電球である。

こうして見ると、姉はやっぱりきれいだ…
そのまんまの黒髪ロングヘアー、端正な顔立ち、少し真面目っぽく大人っぽい雰囲気…透き通ったような声
俺がもし告白されたなら間違いなくOKするだろう。
いったん部屋を出て、キッチンに出る。姉の食事はきちんと片付けられている。
こんなにしっかりとした姉なのに…なんで部屋にこもってしまっているのだろう…

弟「…ふう…」
弟はだいたい部屋にいるときは音楽を聴いている。ちょっと高めのヘッドフォンをつけて 大音量で聞いている。楽曲は大体姉に落としてもらっている。だって、金かけたくないもん…

しばらくして、いったんリビングへ下りていった。
キッチンには姉の姿が。こそこそと夕飯のしたくをしている…

弟「ねえ、おはよう」
姉「え…あ…おはよう」
弟はにこっとして、こう言った
弟「何作ってるの?」
姉「…え?…あ…えっとね…大した物作ってないよ…」
弟「俺も一緒に食べていい?」
姉「あ…うん、いいよ…」

俺は、しばらくTVを見ていた…姉の料理ができると
それを俺がテーブルに並べていった…
夕食のメニューは冷凍食品の揚げ物、味噌汁、ご飯、サラダ…
弟「…んまい」
姉「あ…ありがと…」
弟「ん〜俺はやっぱねえの作る味噌汁が一番好きだな!」
姉「ありがと、そう言ってくれると…うれしい…」
姉は今日はじめて笑っているように見える
弟「ねえ…?今日は俺が片付けしておくよ…」
姉「…いいの?」
弟「うん!」
そう言って、俺は準備を始めた…
姉は部屋に向かった

片付けが半分ほど終わると、妹が帰ってくる…
妹「にい!ただいまぁ〜」
弟「ああ、お帰り」
妹「あぁ〜つかれた〜、あっ、これ!ゲーセンで取ってきた〜それとね〜」
妹は自分のしてきたこと、いろいろ自慢にて、満足するとすぐさま風呂へ向かった

俺は片付けを終えると、宿題を始めるべく、自分の部屋へ向かった…
しばらくして、妹も寝静まったころ、俺は姉の部屋へ向かった

弟「ねえ?起きてる?」トントン
姉「…うん、入っていいよ」
姉は大体4時くらいまで起きている…俺は寝れない時、自然とここに入るようになる。
弟「はぁ〜寝れない〜」
姉「………」
弟「……」
嫌な沈黙…
姉「………」
弟「…ねえ、たまには外で遊ばない?」
姉「……」
弟「ねえ、もっといろんなとこへ行ってさ!もっと楽しいことに出会えるって!」
姉「…ごめんね……私…ここにいるほうが…落ちつく…」
弟「……」
姉「…こんなねえを…嫌いになってもいいんだよ?」
弟「…いや…そんなk」
姉「…ほっといてくれても、私…ひとりでも大丈夫だから…それに…もうあんまり人に会いたくない…」
弟「………」
姉「…ごめんね……」
もう聞きなれた言葉だった…でも、いつも聞くと悲しくなる言葉…
姉「明日…学校でしょ…もう寝なさい…」
弟「…うん…わかった…おやすみ…」

ねえは…もうずっとこのままなのかな…?
明日も…明後日も…ずっと…
妹はもう、ねえのこと見捨ててる…存在すらうざったく感じている…
だからいつも友達の家にいるんだ…
俺は…


弟「…はぁ…」

自分の部屋で小さくため息…
机の上の家族写真、まだ明るくやさしかったねえの姿…
なんか…さびしい…、そんな事を思ういつものこの時間…

明日…また…、いや…どうにかしないといけない…俺がしっかりしないと…

◆6dKnTjhleU(ID:w6ONGa+o0)氏のss2

少し天気の悪い今日…妹は俺より早く起きて、先に出かけていた…
俺は少し静かな朝、いつものように、姉の部屋に食事を持っていった…

弟「ねえ、持ってきたよ…」トントンガチャ
姉「……」
弟「…?入るよ?」
どうやら姉はまだ寝ているようだ…
俺はこういうときは大体机の上に食事を置いている
弟「…?なんだ?この便箋…?」
それは俺宛てのメッセージだった。
『昨日はごめんなさい、私またこんな事言っちゃって…食事、置いといてください。ねえより』
弟「…ねえ………」
俺は食事を置いてしたくを始めた。

チョークの音とシャーペンで写す音…そして2時間目から続く雨音…
俺は、ただノートに板書を写すだけの授業を終えると、昨日の事を思い出した…
俺が、しっかりしないと…
チャイムの音…俺は弁当の準備を始めた…
いつものメンバーで集まって、弁当を食べる。

弟「でさー、あの曲のベースがマジいいんだって!」
友「あ〜わかるわかる〜あれいいよね〜」
音楽好きな俺はいつもこの話題にはいる
友「そういやお前、あのCD持ってたっけ?」
弟「MDならあるよ〜」
友「今日、行っていいか?」
弟「え…あ〜、うん」
友「そういや、お前んち行ったことねーな〜」
弟「あ…そうだね…」
正直姉が引きこもってるなんて言えない…
なんか妹の行っていたことがわかるような気がする…
あまり気が進まないな…

いつもの静かな家の中、雨はやんでいるから余計そう感じる
弟「ただいま〜」
当然、返事はない…
友「ははは!誰もいねーな」
弟「つい、癖でね…」
俺は苦笑した…
弟「あ、こっちね…」
友「お〜ww」
俺は、内心ビビりながらも友達を自分の部屋に招き入れた
友「どれぇ〜?」
弟「あ〜これこれ…」
しばらく俺達は音楽を聞きあさっていた…

友「…あ!もうこんな時間だぁ!!そろそろ帰る!」
弟「ああ、じゃあ、これかすね!明日返してね!」
友「あぁ〜ま〜た雨降ってる〜俺傘持ってきてないよ〜」
弟「大丈夫!君なら帰れる」
友「お〜?まあ、帰ったら速攻風呂だなww」

2人で階段を降りると、そこにはいつもと違う光景があった。
キッチンでいつもと同じように食事の支度をするねえ。
違うのは、その姿だった。いつもならトレーナーやジャージで家の中にいるのが普通のねえが
しゃれた格好をしていたのだ。そして、こっちを見て、にこっと笑った。

弟「…あ…」
友「おう!じゃあな!また明日ぁ!!」
弟「お・・・おう!また明日な!」
すると
姉「…あ!これ!今日雨強いでしょ…傘持っていきなよ」
友「あ!ありがとうございます!!!」

友達が帰るとねえは食事をテーブルに並べる…
弟「ねえ…」
姉「…私にはこれくらいの事しか出来ないから…」
弟「…ありがとう……」
姉「……それと…昨日はごめん…」
弟「…気にしてないよ!」
姉「…」
弟「えと…それと…似合ってるよ…ねえ…」
姉「…あ…えっと…///」
弟「……///」

そんなとき騒がしい物音と同時に妹が帰ってきた

妹「ただいまぁ〜〜〜」
弟「…あ…お帰り!」
妹「…おう!…ってどうしたの!?ねえ、なんかいつもと雰囲気ちがうぅ!?」
姉「…あ…その…」
妹「あ〜もう!その方が似合ってるじゃん!!」
姉「…あ……うん……」
妹「ちょっと部屋に行ってくる!」
弟「…ふぅ、ごちそうさま」
姉「…片付けておくね」
弟「ん、いいの?ありがと!」
姉「…その……受験勉強忙しい…でしょ…?…がんばってね…」
弟「…ん!、がんばるよ!」
なんだかんだ言って、俺は高校受験を控えている…
本当なら友達と遊んでいる暇なんてないのだが、志望校2ランク下げて楽をしているタイプ…
でも、やっぱり受験は受験…大変なことに変わりはない…

姉の言葉は何よりも心に染みる応援となった…

部屋に入ろうとしたら隣の部屋が開く音

妹「にい!ねえ、どうしたの?なんかあった系!??」
弟「いや、別に…」
妹「い〜や!絶対なんかあるって!!あんなひねくれた性格、そんな変わるもんじゃないもん!」
弟「あんま声大きいと聞こえるぞ…」
妹「まあ、いいか!じゃあ」
弟「おう…俺は夜中まで悲しく受験勉強…」
妹「あはは!」

今日はなんかとても勉強がはかどっているような気がする…
そういえば…昔、ねえも受験勉強がんばってたのに…
けっこうランクの高い高校に行ってがんばってたのに…なんで…

最初、学校を止めたいなんて言った時はびっくりしたっけ?
親ももう見捨てたような感じだった…
仕方ないのかな?俺や妹と違って、真面目一筋でがんばっていたねえが
そんなことを言うから…

ペンを持ったまま物思いにふけっていると、携帯の着信音。

弟「…?メール?」

どうやら今日来た友達のようだ

『本文:よぉ!MDに録音したぜ(^∇^)、そういやお前の姉さんきれいでやさしいな!うらやますぃ〜〜\(~n~)/
明日傘学校持ってくるぜぇ〜☆』

弟「…ねえ、もう一度外出てもいい女性になれると思うのにな…」

俺はメールの返事を済まし、再び机に向かった。~ いつもより長く勉強できた…雨はもうやんでいる…

俺もがんばらなくちゃいけないな






◆6dKnTjhleU(ID:w6ONGa+o0)氏のss3

雨上がり、学校の帰り道、水が滴る音、笑いながらの話し声。
俺は、いつものように4,5人の友達と学校から駅まで向かう。

友A「そうそう、でさ〜今日数学の小テストでシャーペンの芯無くなってさ〜」
弟「え〜、あほじゃんwどうなったの〜?」
友A「折れた芯で残りを書いたんだぜ?」
友B「薄!はははwww」
弟「そりゃ、大変だww」
友B「そういや、明日クリスマスイブだろぉ?どうする予定?みんな」
友A「はぁ〜今年も一人身…」
友C「彼女とかいるやつ、まじうらやましいぜww」
弟「だなww」
友B「俺は…うひひwwいるんだなぁ〜これがw」
友A「なにぃ〜wwみんなでこいつ埋めようぜ〜イブの日に」
友C「さんせ〜いwww」
友B「ひ〜やめて〜ww」

そうだ、何を隠そう明日はイブ。
妹は多分彼氏の家にいるんじゃないかな?
ねえは…

友A「なぁなぁ!どうせだし一人身はみんなで寄り添って遊びに行くか?」
友C「ああwwいいなそれww」
友A「お前はどうするぁ?」
弟「…ん〜どうしよ?行こうかな?」
友A「まあ、メールするわww」
友C「はいはい、そこの彼女もち!俺らの中に入る資格はぁ〜〜ぬわぃわぁ〜ww」
友B「わ〜〜ww俺のかばん〜〜〜www」
弟「じゃあ、皆ここでw」
友's「おう!じゃあな!」

友達と過ごす…か…。正直内心行きたい気もする…でも…

俺は学校から自宅まで20分ほどの距離。
電車を使う必要が無いところなので便利な家だ。

本当は冬休み…と言いたい所だが、平日は補習もある、受験生は忙しの身なんだ。

弟「ただいま!」

いつもと同じ返事のない「ただいま」という台詞。
そして、静かな家の階段を上って、勉強に取り組む。
クリスマスだなんだ言って、受験にはそんなの関係ない。

弟「…はぁ」

そんな感じでしばらく机に向かっていると、騒がしくドアを開ける音。
そしてバタバタと階段を上がる音とノックの音

妹「にい〜?」
弟「…はいはい、ちょっとまってね」

俺は少し部屋に散らばった雑誌や漫画を隅に棚の死角に寄せ、ドアを開けた

弟「おかえり、どした?」
妹「にい〜明日、私彼の家に行っちゃうんだけどさ〜」
弟「…そうか、で?」
妹「泊まるつもりで…行くんだけどさ…その…親には…」
弟「友達の家に行ってるって言っておくよ」
妹「え〜マジ?ありがと〜!にいは?」
弟「受験生にクリスマスもお正月もありません〜」
妹「とかいっちゃってぇ〜、どうせ寂しいんでしょ〜」
弟「そんなことはn」
妹「にいも色男なんだからもっと積極的にいこうよぉ〜」
弟「…おせじ言ってもプレゼントはねーぞ」
妹「えぇ〜!」
弟「彼にもらうんだな」
妹「ぶ〜、んじゃ、今日はゆっくりしてますかww」
弟「ああ…じゃあ」

俺は突然来た竜巻のような妹が自分の部屋に行くのを見届けて飲み物を取りにリビングへ向かった

明日は…家にはねえ一人…か…。ケーキでも買っておいてあげようかな?
それとも…

俺は自分の部屋に戻ろうとしたが、その前にねえの部屋のドアをノックした

弟「ねえ?起きてる?」コンコン
姉「…ん…ちょっとまって…」ガタガタ
弟「おう…」
姉「…うん、いいよ」

俺がドアを開けると、そこには漫画や服が隅に追いやられているのに気付く
…なんだかんだ言っても姉弟だな、行動が似ている

弟「ねえ?クリスマス…どんなケーキ買ってきて欲しい?」
姉「え…?」
弟「甘いの好きだろ?」
姉「え…あ…うん…」
弟「いちごショート?それともチョコケーキ?」

俺は最寄りのケーキ屋のカタログをキッチンから取ってきて見せた

姉「…いいの?クリスマス…家にいるの…?」
弟「さあ、多分家で勉強…」
姉「…でも…しゅー…甘いもの自分から食べないのに…」
弟「ねえの為に買ってきてあげるんだって!」
姉「…え…私のために…?」
弟「そうそう!なんでも良いよ!」
姉「…その…ありがと…、…ど…どれにしよう…?」
弟「決まったら言って!」

そう言って、俺は隅に落ちてる漫画を手に取った

しばらく姉の部屋はページをめくる音だけになる…
ねえはなかなか決まらないようだ…
少し真剣に選んでいるねえの顔を見る、すると

姉「…あ…ごめんね…もうちょっと待って……」

姉がこんなに真剣な顔を見るのも久しぶり…なのかもしれない…
ねえは生活の事以外は何も真剣な顔をしてやっていないような気がする。
こんなに選ぶのに没頭しているのだから。なんか、あせらせるのも申し訳無い気がする…

そのとき、俺の頭の中であることをひらめいた。

弟「…そうだ!ねえ!聞いて!」
姉「……ん…?」





ここは駅前の大きなデパート。基本的にここで何でもそろう場所だ。
製菓コーナーの片隅…俺は大きな買い物かご片手に携帯電話を取り出す

弟「…もしもし?ねえ?」
姉「うん…」
弟「スポンジはどのくらいの大きさが良いかな?」
姉「2人分なら…5号で十分…だとおもう…家族皆にも…残ると思うよ…」
弟「おーけぃ!で、ショートケーキ見たいな感じでいいかな?」

そう、俺とねえで24日に手作りケーキを作ろうと提案したのだ
そうすると、ねえは喜んで賛成した。

ねえがあんなにわくわくした目をしているのは久しぶりだった

弟「…えっと…あとはなにがいるのかな?」
姉「バニラエッセンスと…いちごは果物屋で買ったほうがいいと思う」
弟「うん!」

一通りケーキの材料を買う。そして、パーティグッズのコーナーでは…

弟「クラッカーとか買おうかな?」
姉「…うん!」
弟「よっしゃ!あ、もう一回果物屋についたら電話するね!」
姉「…あ…うん」

俺はいったん電話をきってあるところで向かった…

弟「…どれくらいのサイズがいいのかな…?」
弟「あ…すいませ〜ん!ちょっとよくわからないんですけど〜」
店員「はい?あ…プレゼントですか?」
弟「あ…はい…、サイズは…こんな感じのを…で…、これが似合う…?あ!そうそう、そんな感じで!」

そして買い物を終えると、少しさみしくなった財布をみて、果物店へ向かった
そして、電話を取り出す。

弟「もしも〜し!ねえ?」
姉「うん…」
弟「形が良いほうを選ぶね」
姉「うん…」
弟「おーけぃ!じゃあ、帰るね!」

そう言って、少し重い袋を両手に家へ向かった

弟「ただいま」

そこにはリビングで携帯片手にバラエティを見ている妹の姿

妹「おう!遅かったじゃん?どこ行って…って何ぃ?その荷物!!」
弟「ああ…ちょっとね…」
妹「それに!何?この箱!プレzモガモガ」
弟「しー!これはね〜」
妹「まさか〜!!ねえへの!!?」
弟「声でかい〜!!!もう!」
妹「だいじょぶ!ねえ今お風呂だからぁ!」
弟「そうか…」
妹「あ〜もう!軽く嫉妬ぉ〜まだお子様の私には無くてなんで〜!」
弟「…彼からもらうんだろ?ほら、携帯なってるぞ」
妹「う〜!まあ、ねえには内緒にしておくよぉ〜」
弟「ああ、ありがと…」
妹「そのかわり〜〜!あたしが家にいない理由、ちゃんと言い訳してお〜き〜な〜さ〜い〜よ〜!」
弟「ああ…わかった…」

俺は、まず部屋へ行きプレゼントの箱をしまって冷蔵庫に材料をしまっていく…

妹「あぁ〜ま〜さ〜か〜!!?それはケーキの材料ぅ〜?いいなぁ〜」
弟「ちいの分もあるって!」
妹「…さんきゅ!では、明日に備えてもう寝てきま〜す!」
弟「おやすみ〜」
妹「おう!」

バタバタと音を立てて、自分の部屋へ向かう妹…
俺がしばらく置いてある夕飯を食べながら、バラエティ番組を見ていると…

姉「しゅー…?おかえり…」
弟「ただいま!材料買ってきたよ!見る?」

まだ、少し濡れている髪をタオルで拭きながら、冷蔵庫を開ける…

姉「…あ…凄いたくさんあるね…お金…足りた?」
弟「うん!」
姉「ごめんね…私も半分お金だすよ…」

ねえがそう言うと、俺は財布の中からレシートを出した。

弟「…これと…これと…これ…」
姉「うん…」
弟「あ!!ちょっとまって!これは無し!」
姉「…?」
弟「じゃあ、俺はもうひとがんばり勉強するよ!」
姉「…ごめんね…忙しいのに…」
弟「俺が作りたかったんだ!俺もねえと一緒にケーキ作るの楽しみだからさ〜」

ねえの、「ごめんね」に対して、「気にしないで」というのはなるべく使わないようにしている。
逆に気にしてしまいそうだから。
ねえは多分、謝って、それに対してもう気にしなくていいという決まり文句を言われるのは、
見捨てられたような気がするのだからだと感じるはず
ねえはそういう性格だ。

弟「じゃあ、受験生は受験生らしく参考書とデートしてきます…
姉「ふふふ…じゃあ…おやすみ…」

俺は、自分の部屋に向かって、机の上に座る。
飾り付けの包装紙に包まれた箱を見て、机の中にしまった…

そして、携帯電話を手に取る

弟「…もしもし?俺、明日無理だから」




冬空の景色、俺は机の上で寝ていた…
気がつくと午前10時…だいぶ寝過ごしたようだ…

部屋のコンポを付け、流行りのクリスマスソングを流す…

しばらく、俺が漫画を読んでいるとノックの音
俺は妹かと思ってドアを開けたらそこにはねえがいた

弟「お!ねえ!おはよ!」
姉「…あ…おはよ…突然来て…その…迷惑だったかな?」
弟「ううん!じゃあ、ケーキ作り始めるかぁ!」
姉「…うん」

ねえのこんなに嬉しそうな顔見たの何ヶ月ぶりだろう…
正直、俺はねえの楽しそうな顔を見るだけで嬉しい

キッチンの前に俺とねえが立つ…

弟「ねえ…?まずはどうする?俺は生クリームあわ立てるね!手動だからちょい時間かかる!」
姉「う〜ん…ねえは…いちご切って、クリーム塗る準備するね!」
弟「りょーかい!」

しばらくお互い自分の作業をしていると、2階から竜巻

妹「おぉ〜お二人さんがんばってますねぇ〜!でわ、私はこれで!」
弟「おう!行ってらっしゃい!」
妹「ねえ!ガンバってね!
姉「…あ…ありがと…」
妹「いってきま〜す!」

再び静かになるキッチンの中

弟「クリーム完成〜!ねえ、そっちはおっけぃ??」
姉「うん…」
弟「でわ!」
姉「…その…ねえがクリーム塗りたい…」
弟「お!うん!頼むぜ!」

姉は俺ほどではないが少し不器用なんだ…
それでも、懸命にクリームを塗っていくねえ、とても生き生きとしている顔だ…

姉「…こんな感じで…どうかな…?」
弟「お〜!段々形になってきたぞ〜!」
姉「トッピング…しゅーがやってくれる?」
弟「お〜けぃ!」

俺は、ゆっくりといちご、クリームをトッピングしていく
そして、いい感じにできあがっていった。

姉「最後のこれは私っと!」
弟「完成したね!」

なんだかんだ言ってまだ2時半…ケーキを食べるにはまだ早い…
俺とねえはしばらく二人リビングでTVを見ていた…
部屋に閉じこもってばかりのねえが、こうやってリビングにいるのも嬉しい…

冬空…沈む日の早さが夜を急かす…
今年はホワイトクリスマスではないようだ…

弟「そろそろ…食べようか!」
姉「うん!」

親と妹が組み立てた少し大きめのツリーに電気をつける…
部屋の電気を消して、二人で向かい合って…

弟「せーの!」
二人「メリークリスマスー!」パパーーン

クラッカーのはじける音…、俺は電気をつけてケーキを切る

弟「はい、ねえ」
姉「…ありがと…では…いただきます!」
弟「い〜ただ〜きま〜す!!」

しばらく、二人食べていると…ねえはとてもご機嫌のようだ…

弟「ねえ…ちょっときてくれない?」
姉「…ん?」

ねえは口についたクリームをティッシュでふくと、俺についてきた。
そして、俺の部屋に行く…

弟「ねえ…ちょっと後ろ向いてて…」
姉「うん…」

そう言って、俺は机の中から飾り付けの包装紙に包まれた箱を取り出す…

弟「ねえ…これ!俺からのプレゼント!!」

ねえはとてもびっくりした顔でプレゼントを見た

姉「これ…ねえへの…?」
弟「そうだよ!開けてごらん!」

そう言って、俺がねえにプレゼントを渡すと丁寧に箱を開けはじめた…

姉「これは…?」
弟「ねえにとても似合いそうな服!いいでしょ!上品な感じで!ちょっと着替えて見てよ!」
姉「う…うん!」

姉はあえて自分の部屋で着替えず、洗面所で着替えた。

そして、俺の部屋に戻ってきた…

姉「…どう?似合う…かな?」
弟「すごい似合うよ!!」

俺が選んだのは、ねえのきれいな容姿に似合うよう、上品な服。
とても、似合う。もしかしたら俺が今まで会った女性の中で一番きれいな人かもしれない。
そう思うくらい素敵なねえが俺の目の前にいる…~

姉「その…あ…」

ねえは涙を流していた…もう話せないくらい泣いていた…

弟「…その…いつかその服を着て、外にでて欲しいと思うんだ!だってそうだろ?ねえにもっと自身もって欲しいもの!輝いてほしいもの!」
姉「ねえ…ほんとに…なさけない人間だよ…こんなにまでしてもらって…」
弟「あせらなくてもいい!いつか自分から外に出ようとするまで…まってるからさ!」
姉「う…あ………」
弟「ねえ、そんなに泣いちゃ服が汚れるよ!ほら!」

俺はハンカチをねえに渡した、するとねえは…

姉「…ほんと…ありがとう…こんなねえのために…」

それ以外の言葉は泣いているせいか聞き取れない…
でも、ねえの言いたい事は伝わってくる…

弟「…残りのケーキ食べようぜ!」
姉「う…うん…」

そう言って、リビングに戻る…
大人っぽいねえは子供のように泣いて、おいしそうにケーキを食べる…
ねえにとってこんな新鮮な喜びは
とても久しぶり…いや、はじめてかもしれない…

ねえは自分のケーキを食べ終わると

姉「…もうひとつ…食べていいかな?」
弟「お…おう!」

子供のようにすがるねえ、涙の跡が残るねえ、とても幸せそうなねえ、
俺は、人の喜ぶ姿を見てこんなに嬉しいと思うのは初めてだと思う…

姉「ごちそうさま…」
弟「俺が片付けておくよ!ねえはその服をしまってきて!」
姉「…うん!」

俺は片付けを済ますとねえの部屋へ向かった…
ねえは風呂にでも入っているようだ…
俺は、自分の部屋で床に残ったねえの涙のあとを見る…

ねえは…泣いていたんだよな…
ねえは泣くことさえあまり無かったんだ。

俺は、しばらく音楽を聞きながら、ぼーっとしていると

姉「お風呂でたよ〜!」
弟「おう!」

そして、俺が風呂から出ると、また静かな家…
ねえの部屋に向かう。そしてノックをする…へんじがない…
寝てるのかと思い、ドアを開けると

弟「あれ?」

ねえの姿が無い…
まわりを見ると、妹の部屋が閉まっている。さっきまで開いてたのに。

俺が妹の部屋のドアを開けるとねえが妹のベットで寝ていた…

俺はなんとなくわかった気がする…
ねえにとって、自分の部屋は自分にとっての逃げ道…
こんな良いことのあった日には自分の部屋には居たく無いんじゃないかと…

俺はねえの部屋にかかっている上品な服をもう一度見て、自分の部屋へ向かった

受験勉強…今日は胸がいっぱいでできそうに無いや…