本家勇者SS ゴルドラン 夏休みの宿題


23 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/08/31(日) 10:38:18 ID:dEekIU8N
エルドランスレのガンバルガーSSに触発されて書いた。
あまりおもしろくないが、とりあえず投下。

黄金勇者ゴルドランSS

「なあ、おれたち夏休みの宿題ってどうなるんだろう?」
 宇宙空間を突き進むSL、アドベンジャーの中で、不意にカズキが発した。
 彼らは今、レジェンドラへの旅の真っ最中だったのだが……。
「くぁぁぁぁ〜〜〜〜〜!!」
 カズキのその何気ない一言に、タクヤが頭を抱える。
「オイラたちは今、レジェンドラへの大冒険の真っ最中だぜ! つまんない事思い出すなよカズキ!」
 学校でも成績があまり良くない事で知られている彼が夏休みの宿題など、当然済ませている訳が無い。
「でも……地球に帰ったら、先生怒ると思うよ」
 普段から物静かなもう一人の友達、ダイもポツリと呟く。
「なんだよ、じゃあダイは宿題やったっていうのかよ?」
 味方はいないと悟ったタクヤは、理不尽な言葉をダイに投げると、
「一応ドリルはまだあと少し残ってるけど……あと工作とか……」と答えるのへ、
「ほーらみろ!」なぜか自慢げに腕を組んだ。
「そう言うタクヤはまったくやってないんだろ? イバんなよ」
 あきれた声でカズキ。
「なんだよ、お前は終わったって言うのか?」
 タクヤはあくまでも強気だ。
「なに言ってるんだよ。遊びたきゃ夏休みの宿題くらい最初の十日くらいで終わらせとけよ」
 それが当たり前、とでも言いたげなカズキだが、
「はいはい、秀才のカズキ様はオイラたちとは頭の出来がちがいますよね〜っと」
 ふてくされる様にタクヤはそっぽを向いてその場にしゃがみ込んだ。
「いや……それ、ぼくも一緒になってるの?」
 勝手に一緒にされた様に思える言葉に、ダイも少し不満気だ。
「……主……」
 三人のいるスペースの奥から、金属的な響きの声が聞こえてきた。
 黄金に輝くボディを持つスポーツカー。実は人型に変形して戦う人工生命体、勇者ドランだ。
「宿題というのは良くわからないが、やらなければいけない事はちゃんとやった方がいい」
 少々融通の利かない彼は、あくまでも真面目だ。
「そうだ!」
 何を思いついたか、タクヤの表情は輝いた。
「ドラン! ドランは頭が良さそうだから算数とかわかるよな?」
 やっぱり……と言わんばかりにカズキが顔を手で覆う。
「……いや、私は……」困惑気味に答えるドランに、
「手伝わなくていいぞドラン。宿題やってないタクヤが悪い」
 思い余ったかカズキは助け舟を出した。
「それに、学校始まったらすぐにテストもあるんだしさ、自分でやった方がいいよ」
 ダイもそれに続く。
「くぁぁぁぁぁ〜〜〜〜」
 再びタクヤは頭を抱える。
「もうず〜っと冒険してようかなあ〜〜〜!!」
 タクヤの叫びはアドベンジャーの汽笛に混じって宇宙にかき消えた。

 終わり

Menu

最新の40件

2010-04-21 2011-01-24 2011-08-31 2010-10-15 2016-06-15 2014-01-21 2013-02-10 2013-02-07 2013-02-06 2013-02-04 2012-07-27 2012-01-08 2011-09-01 2011-08-31 2011-01-27 2011-01-26 2011-01-25 2010-10-15 2010-07-02 2010-04-21 2010-04-05 2010-03-15 2010-02-28 2009-09-26

今日の13件

  • counter: 1688
  • today: 1
  • yesterday: 0
  • online: 2

edit