周波数帯別の電波利用


Study
無線通信技術

帯域幅

  • 基本的に通信は使える「帯域幅」が広いほうが通信速度が速い
    • 周波数帯が高ければデータがたくさん送れるわけではない
      • むしろ、直進性とかの問題で扱いにくいくらい
    • インターネットのデータ通信速度も「帯域幅」と呼ぶくらいだから
      • 帯域幅=通信速度 みたいな
      • ブロードバンド・ナローバンドという言葉からも理解ができる
    • 物を運ぶ車がたくさん通る道路の幅だと思えばよい

電波全般

超長波 VLF*1

  • 周波数
    • 3kHz 〜 30kHz
  • 波長
    • 10〜100km
  • 特徴
    • 波長が長いので,地表面に沿って低い山も越えられる
    • 水中でも伝わる
  • 利用
    • オメガ(電波航法)
      • 2箇所の基地局から,現在航空している場所を測定する航法
    • 潜水艦通信

長波 LF*2

  • 周波数
    • 30kHz〜300MHz
  • 波長
    • 1〜10km
  • 特徴
    • 非常に遠くまで伝わる
    • 大きなアンテナと送信設備が必要
  • 利用
    • 船舶無線通信
    • 電波時計(標準電波)
    • ICタグ
    • 長波ラジオ放送

中波 MF*4

  • 周波数
    • 0.3〜3MHz
  • 波長
    • 100m〜1km
  • 特徴
    • 地上約100kmの電離層E層に反射して伝えることが出来る
      • 安定して遠距離まで届く
    • 送信機は大きくなきゃだめだけど,受信機は小さくても良い
  • 利用
    • 中波ラジオ放送
    • 船舶気象通報
    • 無線航法
    • アマチュア無線(トップバンド)

短波 HF*5

  • 周波数
    • 3〜30MHz
  • 波長
    • 10m〜100m
  • 特徴
    • 地上約200〜400mの電離層F層に反射して伝えることが出来る
      • 地表との反射を繰り返しながら地球の裏側までも伝わる
    • 季節や時間帯による影響もある
  • 利用
    • 遠洋の船舶通信
    • 国際線航空機用通信
    • 短波ラジオ放送
    • RFID
    • ISM*6バンド
      • 簡単なオモチャなど
    • アマチュア無線

超短波 VHF*7

  • 周波数
    • 30〜300MHz
  • 波長
    • 1〜10m
  • 特徴
    • 直進性があって,反射はしにくい
    • 建物などに回りこんで伝わることが出来る
    • 短波に比べて多くの情報を伝えることが出来る
  • 利用
    • 放送メディア
      • アナログ放送,FM放送など
    • アマチュア無線
    • IMSバンド
      • ワイヤレスマイクやラジコン

マイクロ波

極超短波*8 UHF*9

  • 周波数
    • 0.3〜3GHz
  • 波長
    • 10cm〜1m
  • 特徴
    • 超短波に比べて更に直進性が強くなった
    • 多少,建物などに回りこめる
    • 伝送できる情報量が多い
    • 小型のアンテナと送受信設備で通信可能
      • 利用体系が多種多様
  • 利用
    • デジタル放送
      • アナログ放送の一部も
    • 携帯電話通信
    • RFID
    • IMSバンド
      • 無線LAN,電子レンジなど
    • 航空・列車無線電波

センチメートル波 SHF*10

  • 周波数
    • 3〜30GHz
  • 波長
    • 1〜10cm
  • 特徴
    • 高速データ通信用として技術開発が行われている
  • 利用
    • 衛星通信
    • 衛星テレビ放送
    • 無線アクセス
    • 無線LAN
    • ISMバンド
    • アマチュア無線

ミリ波 EHF*12

  • 周波数
    • 30〜300GHz
  • 波長
    • 1mm〜1cm
  • 特徴
    • 直進性が非常に高い
  • 利用
    • レーダー
    • アマチュア無線
    • 衛星通信

テラヘルツ波

  • 周波数
    • 300GHz〜3THz
  • 波長
    • 0.1〜1mm
  • 特徴
    • 光と電波の中間領域
    • 短波長側は遠赤外線
  • 利用
    • 電波天文
    • 非破壊検査

携帯電話通信の周波数割り当て

携帯電話通信

800MHz帯

  • アナログ携帯電話時代から利用されてる周波数帯
    • 日本ではNTTドコモとKDDI
    • 海外でも,加えて900MHz帯などが使われてきた
  • UHFテレビ放送よりやや高い周波数帯
  • 2012年の周波数帯再割り当てで、新800MHz帯が出来るみたい
    • 現行の800MHz帯とは互換性はないようだ

1.5GHz帯

  • 1990年代に新しく割り当てられた周波数帯
    • NTTドコモと新規参入通信事業者に割り当てられた
      • ボーダフォン・ツーカーグループ・NTTドコモ
    • NTTドコモは,当初は800MHz帯サービスとは別に提供(首都圏用 シティフォン)
      • その後,デュアルバンド端末によるサービスに

1.9GHz帯

  • 日本ではPHSにて利用されてる周波数帯
    • 海外では携帯電話で使われてる
  • 同じ周波数帯を,複数の通信キャリアで共有
    • 携帯電話はキャリアごとに周波数が割り当てられている
  • ウィルコム・NTTドコモ・アステル

2GHz帯

  • 3G(IMT-2000)において,世界で共通の周波数帯を採用
    • IMT-2000の標準規格として認められたシステムだけが利用できる
    • W-CDMAとCDMA2000
  • 800MHz帯に比べて,直進性が高いのでつながりやすさに技術力が必要
    • 現在はこの高周波数帯の2GHz帯と、音声通話などは800MHz帯を使っているようだ(デュアルバンド)
  • au
    • データ通信カードは2GHzのみだが、携帯端末は800MHzか共用で使用している

KDDIの無線通信技術

  • 携帯電話の利用目的による技術分類
    • 音声通信
      • cdmaOne、CDMA1X
    • データ通信
      • 1X、EV-DO
  • Rev.0
    • 旧800MHz帯
  • Rev.A
    • 2GHz帯、新800MHz帯
      • 高い周波数帯の2GHz帯が速いわけではない
      • 通信速度は大域幅に関係している
      • 2GHz帯は、新800MHzではまかなえないから今のうちに打ってるだけ
  • 1Xの音声
    • 新旧800MHz帯、2GHz帯
      • 2GHz帯は、EV-DO専門ってわけじゃなく1Xにも対応(音声通話)

放送


ワンセグ

  • 470〜770MHz帯

その他高速無線通信周波数帯

2.5GHz帯

  • 現在、両端は衛星通信で使われている
    • 低い方は、ドコモの「ワイドスター」というもの
    • 高い方は、モバHO!
  • この度、新しく2社に周波数帯割り当てが決まった(2007年12月)
    • KDDIのWiMAX(モバイルワイヤレスブロードバンド)
    • ウィルコムの次世代PHS
  • 韓国では既にWiBroとしてWiMAXが使われている

*1 Very Low Frequency
*2 Low Frequency
*3 Radio Frequency IDentification
*4 Medium Frequency
*5 High Frequency
*6 Industry-Science-Medical
*7 Very High Frequency
*8 ごくちょうたんぱ
*9 Ultra High Frequency
*10 Super High Frequency
*11 Electronic Toll Collection System
*12 Extremely High Frequency