夏希による町案内
途中で竹宮町の説明、お由伝説と神域の話をする。
夏希がたこ焼きの匂いに釣られて涼太と別れる
夏希がいないうちにたくさんの荷物を抱えた千里と出会う
千里が荷物をぶちまけ、軽いパニック状態になる
千里を家まで送ることに。涼太がたくさんの荷物をかける羽目に
料亭で庭の掃除をしている百合香と出会う
百合香に襲われる
百合香は涼太のことを知っている(というか円に似ているから弟だと気付いた)
↓
涼太が自分の教室に行く
涼太が美奈と出会う
ギィ
夕暮れの廊下に物音が響く。
「誰か、いるのか?」
今日は日曜日で学校に来る生徒はいないはずだ
でも確かに聞こえた。
学園生活ではおなじみの、椅子を引くような音。
物音がした教室にあたりをつけると、その教室の扉を開けて中を覗き込んだ
いた。
夕暮れの教室に佇む人影
女の子だ
誰もいないはずの教室にただ一人佇む少女の姿はとても異様で場違いのように感じられる*1
だが、何よりも異様なのはその少女の容姿である。
豊かな黒髪の中に混じる雪を思わせる真っ白な髪。
そして夕暮れの色に重なるような赤い眼。
細身の体と相まって何らかの病気を患っているように見える。
その異様でありながらも美しい姿につい見入ってしまっていた。
コツッ
しまった!
周囲に硬質な音が響く。
額を軽く扉にぶつけてしまう己のバカさを呪うが、時すでに遅し。
気付かれてないというのは甘い考えだろう。彼女の視線は明らかに俺の方を向いている。
「…ども」
一瞬この場から立ち去ることも考えたが、彼女への興味がそれを上回ってしまう。
静かに扉を開けて彼女と向き合う。
近くで見ると分かるが、かなりの美少女である。
正面で向き合うことにより、彼女の赤く鋭い眼が自分を射抜く
その相手を威圧するような強い意志を感じさせる眼は、俺の第一印象とは違い、彼女が病とは無縁な人間であることを物語っている。
「何か用?」
いつの間にか彼女は目の前に立ってこちらをじっと見つめていた。
美少女にじっと見つめられるのはすごく居心地が悪く、落ち着かない。
居心地の悪さを打開するために何とか言葉を絞り出す。
えっと、ここの生徒さんですか?
あなたは私が制服マニアだとでも思うの?
広い教室にもしっかりと響き渡る澄んだ声だ。
…なるほど。さっきは気付かなかったが、彼女が来ているのはこの学校の制服だ。
「いえ…」
再び沈黙が訪れる。相変わらず彼女の眼は俺を見据えたままだ。
「城崎…涼太…」
え?
この子は俺の名前を知っている?
でも、俺の記憶の中にこの子の情報は全くなかった。
豊かな黒髪の中に混じる白く、艶やかな髪
赤く煌めく瞳
こんな異様な女の子、一度見たら忘れることなんてできないだろう。
「あの人と違うのね」
え…?
あの人?一体誰のことを指しているんだ?
じっと俺を見ていた目を伏せ、失望したかのように言葉を紡ぐ。
「赤い眼、白い髪、そんなに不気味?」
「あ、いえ…」
言葉につまる。
「つまらない人」
彼女は吐き捨てるように言うと教室から出て行った。
なんなんだよ…
俺はただ茫然と立ち尽くすことしかできなかった。
基本的に下の通りにいきたいと思います。
…
……
………
その後、学校で何もしないまま帰ってきてしまった
原因はもちろん彼女だ
「…何者だったんだろう?」
荷物をどけてかろうじて確保したスペースに寝転がりながら、今日出会った彼女の事を思い出す
あの髪と目。何らかの特異体質のように思えるけど、明らかに普通ではないことは確かだ
それにあの態度。初対面にしてはなんと失礼なことか
…そう、彼女とは初対面のはずなのだ。にも関わらず彼女は俺の名前を知っている
………
「もしかしたら……」
頭によぎるのは俺にとってたった一人の肉親だった人
「円姉、か…」
ゴロンと寝返りを打つ
去年までこの学園にいたのだから、知っている人がいても不思議ではない
それにアノ円姉のことだ。俺のことを周りに言っていたに決まってる
彼女が円姉と何らかの関係があったのなら、俺の名前を知っていても不思議じゃない
それでもいきなり初対面で名前を言い当てるのだから、やはり只事ではないことは確かだ
「何者なんだろうか?」
荷解きの途中のダンボールの山に問いかけても、何か言葉が帰ってくるはずもない
学園の制服を着ていたことから、生徒であることは間違いない。
「明日夏希に聞いてみるか…」
ため息をつきながらもダンボールの山を片付けるべく作業を再開することにした。
…ところで何かを忘れている気がする。
まぁすぐに思い出せないのだから、そんなにたいしたことじゃないんだろう。
とりあえず目の前のダンボールの片付けに集中することにした。
オチとして夏希が涼太を探して、泣きながらさまよう
涼ぉ〜どこぉ〜?
うぅ…ロシアンたこ焼きの辛みが目にしみるよ〜
たこ焼きのソースがしょっぱいよ〜うぅ…
涼ぉ〜〜〜〜