CANALAZZO 7号


CANALAZZO 7号

2006/03/23(木)発行

━━━(1面)【国際】ヴェネツィア、ポルトガルに宣戦布告━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

3月22日、元老院は賛成多数で、東地中海に再進出を図らんとするポルトガルへ宣戦布告、イングランドとの連盟ならびに東地中海への艦隊派遣を相次いで決定した。
(解説→2面)

同日、モチェニーゴ官房長官は会見で、今回のポルトガルの出兵は東地中海の勢力均衡を脅かす行為であり、加えて、アテネのみならず、その近隣諸港の安全を軽視した暴走であると非難。ヴェネツィアとして「断固とした処置」をとると明言した。

━━━(2面)【解説】緊迫する東地中海情勢━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

今回、2月に続き奇しくも、イングランド・ヴェネツィア対ポルトガル・フランス・ネーデルランドの図式が成立した。
先だってのシエラレオネ沖海戦では、「イングランド側の鼻っ面をひっぱたいてやった」と沸いたポルトガル陣営だが、内実その勝敗は全く互角といって差し支えないものであった。
3月中旬になって、もたらされたポルトガルの出兵案の情報が、東地中海の1港、北海の3港、カリブ海の1港を検討対象としていたのも、目標選定の段階で強く逆襲を意識したからと分析される。

加えて、完全なイングランド勢力圏の北海に攻め込めばイスパニアの二の舞になることが予想され、カリブ方面も補給線の長さが不利に働くとの判断から、結局、アテネを目標に東地中海への再進出を図る方針がポルトガル臣民の支持を集め、王宮もその道を選んだ模様だ。
これに、イングランドの宿敵フランス、北海・西アフリカ沿岸でイングランドと経済的衝突を繰り返すネーデルランドが追随する形になっている。

翻って、ヴェネツィアにしてみれば、イングランドとの連盟は、東地中海での権益確保は中立を保つだけでは困難であることが明白であり、ポルトガルとの衝突が不可避の状態に追い込まれた中での選択だったといえる。
海軍も北風が吹くアテネ沖を想定した模擬演習を行って、早くから臨戦態勢を整え、現在は市民兵の徴募に躍起になっている。
一方、この宣戦布告の代償として、アテネ近隣の港が急襲され、ポルトガル側の出撃拠点になるのではないかとの懸念がリアルト界隈でひろがっており、東地中海情勢は俄かに緊迫の度合いを増してきている。

━━━(3面)【社会】不眠症の流行?━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

最近、ヴェネツィアの各病院は、不眠症を訴える患者の増加に悩まされている。
医師たちは伝染病でもないのにと首をかしげている。
しかし、病院の扉をたたく患者たちは、一様に「眠った気がしない」「頭の中で誰かがささやいている」「小人が住みついた」などと訴えており、そればかりか、夜警隊の検挙率の低下など社会的実害まで現れてきている。
各病院では、不眠症治療の一環でマンドラゴラを使った薬を処方しているが、逆に患者の不安感を煽ってしまっているようだ。
医師として、ヴェネツィアで名高いP氏は、「謝肉祭という非日常の連続で精神が高ぶっていること」が原因と分析し、
「ロンドンの専門家あてに紹介状を書いてあげるか、転地療法をすすめている。大概皆、転地療法を選ぶがね。ちょっとカリブまでいってみんかね」
とコメントしている。