CANALAZZO 51号


CANALAZZO 51号

2006/12/24(日)発行

━━━(1面)【国内】海軍、艦隊派遣計画案を提出━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

12月23日、海軍司令部は、元首に対し、 東地中海への艦隊派遣計画案を提出した。
元首はこれを受けて、週明けにも元老院に計画案を諮り、 承認を求める予定だ。

計画案の骨子は以下のとおり。

・目標は、東地中海の制海権確保と海賊の掃蕩
・同時に、ベイルートへの示威行動を行い、今後の通商交渉を有利に進める布石とする
・東地中海遠征艦隊司令部をカンディアに設置し、補給と編成の拠点とする
・艦隊は、ガレー船を主体とした正規軍
・あわせて、本国を中心に志願兵を募り、艦隊参加の呼びかけを行う
・補給については、一隻でも実戦部隊へ多く配置するために、各隊に徴発権を認める

また、艦隊行動に関し、不幸にも妨害が発生した場合は、 実力を持ってこれを排除すること、 本行動において、Veneziaと勝利の女神Vittoriaにあやかり V旗を旗印とすることも記された。

消息筋によれば、計画案について、
「週明けに承認されるのは確定的」であり、 すでに外交交渉のため、各国駐在の大使が動き始めていることのことだ。

「状況打開のために、ヴェネツィアが前面に立って努力することが必要だが、
 謙虚に列国の過去の経験と長所を学ぶ必要もある」

と列国の状況を分析しつつ、連盟の可能性を模索することになる。

━━━(2面上段)【国際】ギーズ公爵、ヴェネツィアを非難 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

フランスのギーズ公爵は、マルセイユの離宮において、 「東地中海の安定を脅かすヴェネツィアの行動は看過できない」と述べ、 ベイルート問題に固執するヴェネツィアの姿勢を強く非難した。

モンモランシー大元帥も、

「干潟に住むコションに鉄槌を」

と苛立ちをあらわにした。
すでに、ベイルートの権益争奪戦が再燃、 つい先日はベンガジにも飛び火という状況が生じているなか、 フランス側も動員令を発布。
ベイルートを中心とした東地中海各港の防衛艦隊を増強している。

━━━(2面下段)【国際】タベラ枢機卿、介入に意欲をみせる ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

セビリアのタベラ枢機卿は、 「隣国の危機を見過ごすことはできない」と述べ、 東地中海における威仏緊張状態への介入の意思を表明した。
過去、威仏の経済紛争において自国同盟港の割譲私案を提示し、 仲介役を果たそうとするなど、常に介入に前向きであった大国が、 一方に傾く姿勢をみせたことで、 今後の東地中海情勢に大きな影響を与えることは必至だ。
しかしながら、イタリア戦争での遺恨を残したままで 新局面を切り開くことができるのか今後の成り行きが注目される。

━━━(3面)【経済】アルセナーレ活況 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

海軍の計画案提出を受けて、アルセナーレでは、艦艇の増産体制へ移行。
降誕祭の休暇を返上しての新鋭艦建造が続けられている。
一方では、納入業者が休暇にはいっていることから、 調達部門では、新鋭艦の部品を確保すべく、 四方八方に手を尽くしている。
造船技師のひとりは、

「海軍からの発注には間に合わせることは可能だか、
 修理・補充も考えると年内全部の休暇も返上していかなければならない。
 家で休めるのはいつのことになるやら」

と複雑な心境を漏らしている。