CANALAZZO 40号


CANALAZZO 40号

2006/10/19(木)発行

━━━(1面)【国際】神聖同盟成立、対トルコで欧州各国共同歩調━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ローマにおいて、18日、教皇の主唱する神聖同盟の調印式が行われた。
今回調印に参加したのは、ヴェネツィア、イスパニア、教皇領の3カ国に加え、 ポルトガル、フランス、イングランド、ネーデルランドの4カ国、 また、北部イタリアの諸国家や聖ヨハネ騎士団なども参加する大規模なものとなった。

今回の神聖同盟成立にあたって、ヴェネツィアの果たした役割は大きかった。
政府はトルコの活動が活発になった段階において、 アルヴィーゼ・オルセオロ元首補佐官を特使としてローマに派遣。
特使は教皇を言葉巧みに誘導し、「ヨーロッパの危機」を宣言させて、 神聖同盟の提唱者に押し上げた。
これにより、まずは教会の守護者を自認する、 イスパニア王を引っ張り出すことに成功した。

また、教皇庁から各地へと神聖同盟参加の要請の使者が送り込まれる中、 参加を渋る各国をヴェネツィア大使が説得にあたった。
キプロス東部を握るフランスに対しては、宮廷工作を展開して、 フランスの母后を取り込み、同盟参加の道を開いた。
ポルトガルでは、流通が不安定になる東地中海経由のコショウに代わって、 通商院からコショウを限定的ながらも調達する協定との引き換えに、 了解を取り付けることに成功。
また、教皇と女王が対立するイングランドでは、 「この局面、指を加えてみているつもりですか」と 軍部主戦派を焚きつけることで方針を変更させ、 新教派の多いネーデルランドに対しても 「他国は続々と参加を打診しつつあり」と参加を促した。

一方では、先年トルコとの和平が成立した神聖ローマ帝国が 不参加であるなど、必ずしも、欧州全体が一枚岩という訳ではない。
さらに内部対立も深刻で、特に連合艦隊総司令官の人選は難航を極めた。

当初は、ジェノヴァの海将、ジャンアンドレア・ドーリアを推すイスパニアと、

「ジェノヴァ人に指揮されたのではたまったものではない」

と、セバスティアーノ・ヴェニエルを推すヴェネツィアが真っ向から対立。
ローマの名門、マーカントニオ・コロンナを挙げた教皇庁の調停案も

「あんな小さい船に乗っているような奴に艦隊全体の指揮は務まらん」

と一蹴された。
とはいえ、傍観を決め込んでいたイングランドが ライザ・ミドルトンを推薦する動きをみせた段階で、両国は方針を変更。
互いに譲歩し、 イスパニアが総司令官に王弟、アウストリア伯ドン・ファンを据える案を提示。
代わりにヴェネツィアはアルヴィーゼ・オルセオロを 総司令部付参事官として送り込む妥協案が成立した。

しかしながら、ドン・ファンについては、 陸戦経験はあるものの海戦指揮経験は皆無ということから、 その能力を懸念する向きもあり、 聖ヨハネ騎士団のジャンバッティスタ・オルシーニら各国の提督の合意を得た上での 艦隊行動を義務付けるとの一文が調印文書に付け加えられることとなった。

かくして、連合艦隊も結成にむけて動き出し、 シチリア島シラクサでの集結は決定したが、 いまだ、東地中海へと向かうのか、北アフリカに向かうのか、 進軍先について合意に至っておらず、 同盟は不安を抱えたままでの船出となっている。

━━━(2面)【軍事】トルコ軍、キプロスに上陸 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

トルコ軍は、300隻の艦隊をもって、キプロス南岸ラルナカに上陸。
10万の大軍が、首府ニコシアにむけて進軍を開始した。
現在、ニコロ・バルバロが率いるニコシアの守備隊は約3000。
最新技術を導入した城壁と濠を頼りに防衛に当たることになるが、 本国からの増援を一刻でも速く、との要請を元老院に向けて送っている。
しかしながら、連合艦隊結成にむけて、 警備艦隊が通常の行動を取れなくなったため、 増援派遣はおろか、東地中海全域で治安までもが急速に悪化しており、 海賊が再び跋扈しつつある状況にある。

━━━(3面)【国内】市民大集会終了、次期議長選告示 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

10月16日、市民大集会の定例会が無事終了した。
当日の中心議題は、次期議長選挙に関わるものであった。
今回の選挙については、前回を踏まえ大幅に簡素化した。
投票日は10月29日(日)となっている。
立候補者は午後8時に元首公邸に集合し、選挙管理委員に届け出る。
その後、午後9時から演説会、投票へという流れになる。
尚、選挙管理委員については、 不出馬を表明した現議長を中心として構成される予定となっている。

あわせて、開拓地に関する現状報告や カンディアやベンガジに関する報告が行われた後に散会となり、 対トルコ戦役に備えた模擬演習へと移行した。