CANALAZZO 4号


CANALAZZO 4号

2006/02/25(土)発行

━━━(1面)【国際】ヴェネツィア、ベンガジ争奪戦へ突入か━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

2月25日未明、一時ヴェネツィアの同盟港となっていたベンガジに再びフランスの旗が翻っているとの一報がもたらされた。

時系列を追うと、ベンガジ開港時、一度ヴェネツィア商船団がシラクサ港において結成され、ベンガジでの通商権確保に向けて出航した。
しかし、ベンガジ入港前に、さるフランスの大富豪を中心とする投資家グループがすでにベンガジの商業権益の過半を確保との情報と、ベンガジ太守府の発表した都市発展に関する報告書に虚偽事項記載の疑いありとの情報がもたらされた。
そのため、交渉使節団はその時点では表敬訪問にするに留まった。

しかしながら、報告書の修正が正式に発表、また、かの大富豪の関心がヤッファに向かったことが確認された段階で、50隻をこえるヴェネツィア商船が再結集しベンガジに入港。
ベンガジへの総額38億ドゥカートをこえる巨額投資を切り札に交渉をすすめ、ついには、金獅子旗が北アフリカの地に立つことになった。

現状ベンガジの産品は乏しいが、当地では、ガラス器・ウォードが珍重されており、また、没薬を産することが確認されているため、アドリア交易圏に組み込まれることで、交易圏全体の更なる発展が見込まれている。

だが、この港には、フランスの投資家グループも並々ならぬ関心を示し、一時権益の8割を確保したヴェネツィアを猛追。ヴェネツィア6:フランス2:その他諸国2で落ち着くかにみえたが、再びかの大富豪が単独で折衝を行い、ベンガジ太守と電撃的に提携関係を結んだことが明らかになった。

それに先立ち、ヴェネツィアでは、投資家各自の小額投資呼びかける掲示がサンマルコ広場に張り出されており、今後、ベンガジでの権益争奪戦は必至と見られている。

━━━(2面)【海外】オデッサに金獅子旗翻る━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ベンガジ同盟港化に先立つ22日、黒海のほとりオデッサにも金獅子旗が舞った。
この日、黒海商船隊がオデッサに寄港。他国に先駆けてオデッサの太守と交渉を持ち、商業権益の半数を確保した。さらに、ベンガジ投資に予定されていた資金が、追随する形でオデッサに流入。現在もヴェネツィア商人は優位を保っている。

オデッサに関しては、山師の間で
「付近の山岳地帯には、一国の経済を左右する豊かな鉱物資源が存在する」
「否、埋まっているのは500年前の中国製磁器等、亡国の将軍の財宝」
などの噂されている。
また、当地を視察した造船技師の報告によれば、
「造船所を整備すれば、大型軍用ガレー船の生産も可能」
とのことで、その潜在力に期待する向きもある。

━━━(3面)【海外】発展報告書虚偽記載で告発━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ベンガジ太守府は、ベンガジ港のムラト元渉外担当係(41)を
「都市発展に関する報告書に虚偽事項記載し太守を侮辱した罪」で告発。警備隊に逮捕を命じた。

2月下旬に開港した8港全てで、手続きに不慣れな事務員が、複雑な計算式に惑わされ発展報告書に誤った数字を記載するミスを連発したが、ベンガジについては、大型投資案件を利用して担当者が故意に虚偽事項を記載、自分の功績を過大に報告していた疑いがあり、太守府は告発に踏み切った。
だが、本人は、事件発覚時に辞職後、行方がわからなくなっており、すでに国外に逃亡したのではないかと見られている。

一方、後任の担当者については、投資家の間から「投資金を着服しているのではないか」と別の疑惑が沸き上がっており、太守府は「資金については、長期で活用していく」と火消しに必死だ。