CANALAZZO 39号


CANALAZZO 39号

2006/10/16(月)発行

━━━(1面)【国際】スルタンの親書、キプロス「返還」を要求━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

この度、オスマントルコの特使がヴェネツィアに入港。
スルタンの親書を元老院にて公表し、ヴェネツィアにキプロス「返還」を迫った。
元老院においては、この要求を受けれるか否かについて、即座に投票が行われ、 圧倒的多数を持って否決された。
これにより、事実上、オスマントルコによる ヴェネツィアへの宣戦布告がなされたこととなった。
(関連→2面、3面)

親書は、極めて高圧的な調子で終始し、 キプロスの領有権はオスマントルコにあると主張。
その根拠に、ヴェネツィアがトルコとの貿易協定更新時に支払う貢納金を取り上げ、 貢納金の支払いが、すなわちスルタンの支配権を認めているという論理を展開。
加えて、キプロス島がトルコ商船を襲う海賊の基地となっており、 それをヴェネツィアが黙認していると強い調子で非難し、 この要求が受け入れられない場合は、 実力行使を持って抵抗を排除すると要求を突きつけてきた。

元老院においては、親書が読み上げられるや怒号に包まれ、 異様な雰囲気の中、投票、決議が行われ、 ヴェネツィアは対トルコ戦争へと大きく舵を切ることとなった。

━━━(2面)【軍事】セバスティアーノ・ヴェニエル提督、海軍総司令官に選出さる ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

トルコ問題に対応するため、 元老院は、海軍総司令官にセバスティアーノ・ヴェニエル提督を選出した。
あわせて、参謀長にアゴスティーノ・バルバリーゴ提督を選出。
また、参謀にマルコ・クィリーニ(クレタ島警備艦隊司令官)、 アントニオ・ダ・カナーレ(同副官)をすえる人事を発表した。

【セバスティアーノ・ヴェニエル提督】
略歴…現在コルフ島施政官をつとめる。ヴェネツィア湾警備艦隊指令官、
対オーストリア戦争和平特使などを歴任したトルコ強硬派としても知られる宿将。
長身で頑健な容姿から、“メッセール・バスティアン(砦)”との異名をとる。

【アゴスティーノ・バルバリーゴ提督】
略歴…現在、東地中海方面監察官。キプロス駐在武官歴が長く、東方問題に詳しい。
あわせて、イスパニア語を解する貴重な人材である。

━━━(3面)【特集】キプロスQ&A ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

Q1 キプロスはどうしてヴェネツィア領なの

キプロス島はもともと、東地中海の十字路として、ギリシア系、イタリア系、 アラブ系、トルコ系など様々な民族が混交する島です。
中世十字軍活動の結果、15世紀まではルシニャン王家が支配していましたが、 ヴェネツィアの名門コルネーロ家から輿入れしたカテリーナが夫の死後、 女王として即位。
後継者に恵まれなかったことから (女王の反ヴェネツィアの陰謀がきっかけとの説もあり)、 1489年ヴェネツィアに統治権を委譲し、 以後、キプロス島は、ヴェネツィア領となりました。
しかしながら、特に手際の悪い行政のため、 近年は、内陸の首府ニコシア以西はヴェネツィアの影響力が高く、 東部の港湾都市ファマガスタ周辺はフランスの実効支配するところとなっています。

Q2 なぜトルコはキプロス島を狙うの

巷間に流布する噂としては、酒色におぼれたスルタンが、 特に名高いキプロスワインを独占したいためというものがあります。
また、側近ヨセフ・ナージが私領にするためにスルタンを唆したという説もあります。 さらには、年若きスルタンが偉大な父スレイマンを凌ぐ功績を望んだからだとも言います。
もっとも、バルカン・アナトリア・シリア・エジプト・アラビア・アフリカと広がる 大帝国のなかにキプロスという異物があるのが好ましくないという見方が トルコ宮廷の中で急速に広がり、 現状維持という穏健派の主張が力を失ったためというのが実情のようです。

Q3 なぜこの時期になったの

直接のきっかけとなったのは、 先日アルセナーレで起きた火事のせいという説が最も有力です。
火事自体は不幸な事故でしたが、さほど大被害をもたらさず、 生産ラインに影響はありませんでした。
しかし、技術部棟が炎上し、 強化型ガレアスの補強部品の設計図の原本が失われ、 現在も復元できていないという状況が、 トルコの強硬派を勢いづけるきっかけになったと分析されています。
また、西欧諸国が新大陸開拓に注力しているため、 相対的に東地中海への興味を失っており、 勢力伸張の好機と捉えたのではないかという分析もされていますが、 実際は逆に作用することになるかもしれません。

Q4 ヴェネツィアだけで対抗可能なの?

現状、アビジャン攻防戦などの動員数などをみて、 ヴェネツィアのみで80-100隻規模の大型艦の艦隊を編成することが可能です。
しかしながら、トルコの動員数には遠くおよばないため、 列国の協力をいかに引き出すか、外交的努力がなされています。