CANALAZZO 3号


CANALAZZO 3号

2006/02/17(金)発行

━━━(1面)【国内】大聖堂集会開催━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

2月16日、聖マルコ大聖堂での市民大集会が盛会のうちに終了した。
(論説→4面)

はじめに、辞職した前議長に代わって、新議長を選出。
情報交換と活発な討議が交されたのち、2月22日の臨時集会開催、2月24日・3月3日のオルセオロ兄妹を招いての交流会開催ほか、いくつかの重要事項を決議し散会。定例模擬演習へと移行した。

━━━(2面)【国際】6カ国協定成立、東地中海の私掠行為鎮静化か?━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

この度、ローマでの6カ国協議が共同宣言を採択し、終了した。
当初、教皇庁の仲介を拒むイングランド・ネーデルランド、ネーデルランドを国と認めないイスパニア、ハプスブルク家に反感を抱くフランス・ポルトガル、中立政策を堅持したいヴェネツィアと各国の利害が衝突、会議は紛糾した。
しかしながら、オスマントルコのパルマ急襲を奇貨とし、教皇庁が列国の利害を一時棚上げにして交渉をおしすすめ、共同宣言採択へ漕ぎ着けた。共同宣言において、定められたのは以下のとおりである。

1、対オスマントルコ共同行動の継続確認
2、東地中海における私掠行為の禁止・警備行動の強化
3、移民と雇用の流動化

共同宣言は2月22日から発効となる。特に項目2については、約2ヶ月の期限付きながら、常日頃、私掠船の横行に悩まされるヴェネツィア航海者には朗報といえよう。
だが一方で、この機に乗じて、東地中海に西方諸国の投資船団が大挙して押し寄せると見る向きもあり、商人の中には権益確保に頭を悩ませる者も出てきている。

━━━(3面)【社会】謝肉祭の概要発表━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

元首官邸から、今年の謝肉祭の概要が発表された。祭は3月1日より、ほぼ1ヶ月の予定。
担当官は、
「例年ですと、もっと早い時期から始まるのですが、今年は、職人組合から仮面と仮装を凝りすぎて間に合わないとの報告がありまして」
と釈明しながらも、会期中の各種催事について説明を行った。

━━━(4面)【論説】揺れる東地中海━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

数々の失策から、地中海全域から一時総撤退したヴェネツィア。
1月下旬、ようやくクレタ再復に続き、サロニカに足がかりを得た。だが、このサロニカが揺れている。

オスマントルコの支配を排除したギリシアの港が取った道が、大国の庇護を受け入れること。ここしばらくは、イングランドとポルトガルが入れ替わり立ち代り、影響力を行使してきたが、先月ヴェネツィアの投資家グループの働きもあり、サロニカに金獅子旗がはためくことになった。
その後、一時サロニカの僭主がポルトガルに再接近する事態もあり、現在も僅かな差で同盟が維持されている。
そして、気がつけば、クレタの中心ガンディアにもポルトガル資本が大規模に注入されており、オリーブ農園の多くがポルトガル人経営者を受け入れつつある。

かのヴェネツィア経済新聞は、東地中海の制覇は国是と伝えている。
が、ベイルートでの手痛い失敗が尾を引いて、この数ヶ月ヴェネツィア投資家の意欲は、主として本国と、食料基地となった感があるラグーザ、そして自身の資産形成と、内に内にと向けられてきた。
その間、東地中海には百合の花が咲き乱れる状況が生じてしまっている。

この閉塞状況に対して、光明を開いたのがサロニカである。
海賊のメインストリートの奥に位置し、大理石と朝焼けの他に目立った特徴の無い港であるかもしれない。しかし、東地中海の制海権奪還へのさらなる一歩を切り開いた投資家達に改めて感謝すべきだろう。
残念ながら、ヴェネツィアは、旗を打ち立てた後の維持に無頓着でいられる余裕も、同盟港の獲得を一人の大富豪に任せる甘えも許される状況に無い。2月の集会において、多数の支持を集めた基本方針が、ヴェネツィア中興に繋がればと願う次第である。