CANALAZZO 23号


CANALAZZO 23号

2006/07/05(水)発行

━━━(1面)【海外】ヴェネツィア、2つの港で貿易協定の改訂━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

この度、ヴェネツィアはアビジャン・ナポリの2港に使節団を派遣。
貿易協定の改訂について交渉し、商業権益の2割確保に成功した。

6月30日、象牙海岸の中心・アビジャンに入港した使節団は、現地を治める長老との折衝を開始。
サンジョルジュとの間を幾度と無く往復し、継続的な交渉によって、商業権益の3割弱の確保という前進を果たした。

一方、7月2日には、ナポリ王宮において、使節団にフェデリーコ国王陛下が接見。
時に昆虫の話に花を咲かせながら交渉を行い、貿易協定の改訂について合意に達した。

しかしながら、その後、西の大国の介入やそれに対応しての再交渉もあり、現在、上記2港においては、2割を越す程度の商業権益を確保する形で推移している。

━━━(2面)【社会】レイモンド・ルーレックス逮捕━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

7月1日、脱獄犯レイモンド・ルーレックス(40)がアフリカ南岸で逮捕された。

この日、レイモンド目撃の有力情報に引き寄せられる形で、ヴェネツィアには、各国から派遣された1000隻を越す追捕隊が集結。
アドリア海をかつてない規模の艦艇が埋め尽くした。

追捕隊はヴェネツィア海軍の情報を元に、ジェノヴァ、セウタ、サンジョルジュと巡りながら、内部通報者の情報を得ることに成功。

途中、海賊の大艦隊がまたしても待ち伏せて、追捕隊の行く手を阻み、なかには、某国の国旗を堂々と掲げて襲撃におよんだ海賊もいたが、追捕隊は数々の妨害を排除し、ルアンダから喜望峰を越え、ついに、アフリカ南岸でレイモンド逮捕に成功した。

海軍は、残りの1人の補足にも絶対の自信をもって臨んでおり、近く追捕隊をまた再び招集する模様である。

━━━(3面)【海賊】謎のパルマ協定━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

この度、イスパニアとヴェネツィアの一部の海賊たちの間で互いの国の商船への襲撃自粛を柱とする、パルマ協定とよばれる協定書が取り交わされたことが明らかになった。
他にも、互いの無警告発砲の禁止、自己防衛権の尊重などが定められているとのことだ。

現時点では、除名以外の罰則規定も明らかになっておらず、あいまいな点も多いため海賊たちの“紳士”協定といった域を出ないものと思われるが、一説には、まだ秘密の条項が隠れているのではないかとの憶測が流れている。

憶測をよそに、沈黙の掟を守る海賊たちだが、少なくとも協定締結の場となったパルマの教会に協定書に誓約の署名をしたものの他に、多数の海賊が集まっていたことは確かであり、賛同せず中座した者も、誓約をしたものの名の公表を控える者もいたとみられている。

中には、ヴェネツィア海軍において勇名をもって知られる提督が参加していたとの情報もあり、
「そんな話も出ていることは承知しているが、
 海賊の合従連衡まですべてを把握しているわけではない」
としていた元首官邸も全容解明の調査に乗り出す意向だ。

━━━(4面)【海外】エジプト考古学発掘調査隊発足━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

6月26日、パドヴァ大学のエジプト考古学発掘調査隊はエジプト・ルクソール地方の調査に着手。カルナック神殿などの発掘を開始した。

元首閣下直々の支援によって始まった、この事業について、
「まずまずの成果を上げている」と、
調査隊を率いるダヴィデ隊長は評価し、
「これで副業の副官商売をやめて、歴史探求に没頭できます」
と手放しで喜んでいる。

一方で、この発掘調査には、元首閣下の密命が存在し、そのため、現地のトルコ駐留部隊とトラブルになっている、小競り合いのせいでメンバーの中に、死者が出た、いや死んだのは確かだが、それはファラオの呪いのせいだと、まことしやかな噂が流れている。

ダヴィデ隊長はその噂を全面否定するとともに、調査は継続的に行われることゆくゆくはルクソールだけではなく、ギザのピラミッドやカルタゴ遺跡、アクスム石柱群の調査にも乗り出す予定があることを表明した。