CANALAZZO 15号


CANALAZZO 15号

2006/05/17(水)発行

━━━(1面)【国内】大聖堂集会開催、商船団編成の促進などを決議━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

5月16日、聖マルコ大聖堂での市民大集会が盛会のうちに終了した。
最初は議長挨拶の後、次回大聖堂集会時における門前市の開催についての議長提案が行われ、あわせて、中小商人の保護育成を目的とする、集会後の交流会のあり方について提起がなされた。
また、市民連絡網についても宣伝がおこなわれた。

一方、主要議題となった投資行動については、ここしばらくの経済紛争の経緯を総括。
東地中海攻防において均衡状態を崩せていないが故に、東進策・西進策・防衛策・私掠船による通商破壊策等が提起され、活発な議論がなされた。
その中で、大規模海外投資については、しばらく手控えつつ、経済活動が特に活発なヴェネツィア北部地域の研修視察の開催、また、商船団の編成を活発に行い、金交易・アドリア海交易の促進を図ることが決議された。

あわせて、イングランド出兵案に関する情報交換が行われ、いずれの国と組むにせよ、臨戦態勢を整えていく方向性が示された。

さらに、次回開催日に関し、引き続き16日を基本とすることで合意を得た後、アドリア海交易のあり方についての情報交換が行われ、中小商人の商船団参加を促進するための方策が検討された。

最後に文化振興策として、マルチャーナ図書館の大規模改修計画が持ち上がり、市民有志の寄付によって原資を賄い、改修作業が始めることを決議し、散会となった。~

━━━(2面))【国際】イングランドに遠征計画━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

この度、イングランド宮廷内部で海外出兵案が練られていることが、明らかになった。
立案会議では、強硬派女性将校による、「例え海の果てカルカッタであろうとも、聖ジョージ旗を打ち立てることが正しいのではなくって」といった意見が図らずも支持を集め、カリブ海もしくは喜望峰以東の遠征を計画している模様である。

イングランド国内の世論は、久しぶりの出兵計画に浮き立っており、今回、市井に詳しいウィリアム氏がその様子について以下のような寄稿をしてきた。

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じつのところ、国内では、
やはり、カルカッタは無論のこと
マダガスカル島以東は
いささか非現実的ではなかろうか、
カリブ海へ腕を伸ばす方が合理的だ、との意見が大勢を占めている。
もちろん、どこになろうとも我が国の
遠征艦隊は喜んで出航していくだろう。
いさましい限りではないか、我がイングランド海軍に栄光あれ。
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━━━(3面)【社会】酒場の嫌疑晴れる━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ヴェネツィア夜警隊は、この度行われた、酒場への家宅捜索および関係者の事情聴取につき、酒場の主人ならびに関係者が潔白であったことを明らかにした。

魔術使用の嫌疑については、復活祭期間中、特に増えた外国人旅行者が大声で注文をさけび、母国語が通じないと見るやジェスチャーとなぜか火打石を使ったせい、または報酬受け取りの金貨がやたら多くて光ったせいであると結論付けられた。

一方、押収された物品についても、入手経路が克明に記録されており、怪しげなものといってもせいぜいが護符程度のもので、特に魔術との関連性は認められないと鑑定された。

なお、ローマから派遣されてきた異端審問官が「妹じゃ、妹を取り調べよ、あやつが令嬢に化けて善良な市民をたぶらかしていたのじゃ」と主張を声高に叫んでいたが、ヴェネツィアへの入港許可が下りずアンコナで引き返すこととなったそうである。