泌尿器科学
1.尿検査
（定性） （尿検査）
色調 黄 RBC 1〜5／毎視野
比重 1.035 WBC 10〜19／毎視野
pH 6.5 上皮細胞 10〜19／毎視野
タンパク − 円柱 −
糖 ＋ 細菌 ＋
ケトン体 −
潜血 ＋
ウロビリノゲン ±
1)上の検査結果より、一般的に想定される病名または病態を3つ挙げなさい。
2)想定された上記3つの病名または病態を、さらに確認するための検査法をそれぞれ1つずつ記しなさい。
2.以下の文章を読み正しいものには○、誤ったものには×を記入せよ。
1.原発性アルドステロン症はCT上の腫瘍が小さいためアドステロール副腎シンチグラムにより左右の局在を確認する
2.副腎皮質癌とCushing症候群は別の疾患である
3.21水酸化酵素欠損症では男性化徴候が出現するため、コルチゾールは原則禁忌
4.褐色細胞腫は術中の血圧変動が激しいため、鏡視下手術は絶対禁忌
5.副腎腫瘍による二次性高血圧患者で50歳以上の場合は原則副腎摘出術ではなく、薬物療法を行う
3.以下の文章を読み正しいものには○、誤ったものには×を記入せよ。
１）精巣腫瘍の中では、絨毛癌(choriocarcinoma)の頻度がもっとも高い。
２）セミノーマの肉眼的病理組織所見の特徴として、出血壊死が特徴である。
３）精巣腫瘍の後腹膜リンパ節転移に関して、化学療法により腫瘍縮小が認められた症例では、経過観察のみでfollow upすることが一般的である。
４）ステージ�祇坐禺鞜腓紡个垢觝独�予防の標準治療としてシスプラチンベースの化学療法を２クール行うことが一般的である。
５）停留精巣患者に対する精巣固定術は精巣腫瘍の発生リスクを劇的に減らす。
4.腎癌についてa)〜d)の中から正しい組み合わせを選べ。
1)高転移性であり、初診時に約30％の症候に転移がある。
2)腎細胞癌は、近位尿細管由来と考えられている。
3)静脈内に腫瘍塞栓を形成することがある。
4)腎血管筋脂肪腫は腎癌と鑑別すべき良性腫瘍である。
a)(1)のみ b)(1)､(3)のみ c)(1)､(3)､(4)のみ d)全て
5.下部尿路機能について(a)〜(e)の中から、正しい組み合わせを選びなさい。
1) 下部尿路は体性神経、交感神経、副交感神経により支配されている。
2) 腹圧性失禁の症状は、くしゃみ、咳、重いものを持ち上げたときに尿が漏れることである。
3) 排尿に関しては大脳などの中枢神経系の関与は少ない。
4) 残尿は、排尿後に膀胱内に残った尿のことであり、排尿後にカテーテルを膀胱内に挿入して検査を行うことが多い。
5) 排尿記録（排尿日記）により、夜間頻尿と夜間多尿に分類することが可能なことが多い。
(a)1、2、3 (b)1、2、5 (c) 1、4、5、 (d)2、3、4 (e)3、4、5
6.排尿障害に関して答えよ
１ 間質性膀胱炎は自己免疫異常が原因
２ 間質性膀胱炎診断時には膀胱結核、膀胱癌に注意する
３ 過活動性膀胱は、尿意切迫を伴う頻尿、尿失禁をいう
４ 過活動性膀胱の初期治療として、行動療法、薬物療法があり、時に組み合わせて行う
５ 腰部脊髄損傷は排尿障害をきたさないことが多い
a）１，２，３ b）１，２，５ c）１，４，５ d）２，３，４ e）３，４，５
７． １〜５の中で正しい組み合わせを選べ。
ａ）日本人に発生する尿路結石の成分で最も頻度が高いものは尿酸結石である。
ｂ）東北大学泌尿器科は世界で２番目に対外衝撃波砕石術（ＥＳＷＬ）を実用化した。
ｃ）クエン酸の摂取は結石の形成を抑制する。
ｄ）結石患者の生活指導で重要なのは水分制限である。
ｅ）蓚酸カルシウム結石はレントゲンに映らないことが多い。
１．ａのみ ２．a,bのみ ３．b,cのみ ４．a,c,eのみ ５．a〜eのすべて
8.以下のうち、正しいものに×、誤っているものに○をつけよ
a. 不妊症カップルで男性に原因がある例は２４％である
b. Kartagener症候群はしばしば両側精管欠損をきたす
c. サラゾリビン(←多分サラゾピリン)による不妊は可逆的なものである
d. インヒビンはライディッヒ間細胞が主に分泌する
e. ゴナドトロピン性正常の無精子症は閉塞性障害の疑いがある
f. クラインフェルター症候群の患者核型は47XOである
地雷警報発令中♪正しいものに×、誤っているものに○ですよ♪
9.ＳＴＤについて
1)次の経過で考えられる疾患は何か
初発、再発に分けられ、初感染では症状が重く、陰茎包皮の小さな水泡と有痛性の浅い潰瘍のほかに高熱、リンパ節腫脹、尿道炎、頚管炎などを生じ数週におよぶ。再帰感染は1〜2週の経過で自然治癒する。発症後、このウイルスは知覚線維を上行、腰仙髄神経節に潜伏感染（終生）。種々のストレスを契機に再活性化され再び神経を下降、初発部近くに病変を形成する。
2)性器クラミジア感染症について誤っているものを1つ選べ
a)若年者、特に女性では減少傾向である。
b)尿道炎の症状は割りと軽度、尿道分泌液も少量で漿液性であるが精巣上体炎（陰嚢内容の腫脹、疼痛、発熱）を引き起こすことがある。
c)治療としてマクロライド系、ニューキノロンン系、テトラサイクリン系が使用される。
d)感染経路は、性行為及びその類似行為で、オーラルセックスなどが問題となっている。
3)淋病について誤っているものを1つ選べ。
a)激しい疼痛を伴う尿道炎をおこす。尿道分泌液は膿性である。
b)ニューキノロンン系、テトラシクリン系に対する耐性が80％あり。
c)クラミジアとの混合感染が少ない。
d)1回の性行為による感染率は30％と高い。
ニューキノロンンって、ニューキノロンのことでしょう
10.尿路上皮癌について正しいものに○をつけなさい。
a)組織型で最も多いのは移行上皮癌である。
b)組織型で最も多いのは扁平上皮癌である。
c)表在性膀胱癌は病変が粘膜までである。
d)carcinoma in situは一般的に悪性度が高く、浸潤しやすい。
e)尿路上皮癌には抗癌剤はあまり効かない。
f)尿管腫瘍に対する標準的治療は、尿管部分切除＋尿管断端吻合術である。
g)浸潤性膀胱癌に対する標準的治療は、膀胱全摘術である。
h)膀胱癌の症状は無症候性血尿が最も多いが、膀胱炎症状はみられない。
11．前立腺癌について正しいものを選べ
a）血清PSA値4〜10ng/mlレベルの男性における癌陽性率は約20〜30%である。
b)一般的に早期前立腺癌に対する治療はホルモン療法が第1選択である。
c)前立腺癌の遠隔転移で最も多いのは肺である。
d)ステージD2前立腺癌には放射線療法である。
e)進行癌では水腎症をきたすことがある。
f）癌転移からspinal cord compressionを生じparaparesisになることがある。
g)T1c前立腺癌に対して放射線療法はあまり効かない。
12 前立腺全摘出術の主な合併症について2つ記せ。
勃起不全(ED)、尿失禁、尿道狭窄、直腸損傷、尿道損傷、リンパ膿腫と感染あたりから書けば無難かと思われ。
13.前立腺癌のホルモン療法の合併症を3つ挙げよ。
14.55歳男性が急激な背部腰痛で来院した。
1)考えられる疾患は何か？（3つ以上）
2)確認するための検査とその理由
15.泌尿器科の感想（採点されます）
試験問題
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