TeXはWindowsやLinuxなどのどんな環境でも使えますが、Macで使うメリットは何でしょうか?
それは、WindowsとLinuxの欠点をいくつか克服していることです。
たとえば、Mac OS X にはヒラギノフォント("Mac OS Xと日本語タイポグラフィ" を参照してください)が標準で付属していて、高品質な文書を作成できます。
Mac OS X はUNIXベースなので、TeXやその周辺とのソフトとの親和性も高いはずです。
※このページはMacで編集しているので半角¥が?と表示されてしまうことがあります。また、Safariで編集すると\が?になってしまいます。
iBook G4 12.1-inch (mid 2005)
PowerPC 1.33Ghz
1GB RAM
40GB HDD
ATi Radeon 9550 32MB
Mac OS X Tiger 10.4.6
私は小川版pTeXを使いました。Intel にも対応しているのでIntelMacの方でもコンパイルしにそのまま使えます。
統合開発環境のTeXShopもIntelとPPCに対応しています。
また、標準でdvipdfmxのヒラギノフォントの設定もやってくれるので私が使った中では一使いやすかったです。
小川版pTeXをダウンロードし、ダブルリックでマウントします。(設定によっては自動的にマウントされます)"big-ptex.pkg" ダブルクリックしてインストールし、"pdfmFontChanger" を実行して、"Hiragino" を選びす。
TeXShopをダウンロードしてマウントしま。そのままアプリケーションフォルダなどにドラッグ&ドロップでインストールします。~ TeXShopを起動して、環境設定を開きます。~ 書類のタブのエンコーディングは "Japanese (ShiftJIS \)" を選択します。
内部設定のタブを開きます。
パスはそれぞれ、"/usr/local/bin/" と入力します。
TeXShopでは標準でコンパイルにpdfTeXが使われていますが、これは日本語に対応していないので、
ptex->dvi->dvipdfmx
としなければなりません。
dvipdfmxはヒラギノフォントも埋め込んでくれます。
pdfmtexのpdfmtexスクリプトのインストーラをダウンロードしてインストールします。
TeXShopの環境設定を開き、詳細のタブをクリックします。
パーソナルスクリプトのTeXプログラムに "pdfmptex-sjis"、LaTeXプログラムに "pdfmplatex-sjis" と入力します。
タイプセットのタブをクリックします。
デフォルトのスクリプトは "パーソナルスクリプト" を選びます。
以上で基本的なTeX環境のインストールは終了です。適当な文書をタイプセットしてみてください。PDFまで自動的に作成されて、フォントもすべて埋め込まれるはずです。
フォントを埋め込む前に、使いたいOTFフォントを用意します。
OTFフォントでない場合はFontForgeなどで変換します。
本文に使われるものと、セクションなどに使われるボールド(太い)フォントを用意するのが良いでしょう。
システムやユーザーにインストールされている場合、次のようにして、シンボリックリンクを作成します。TeX専用に使いたい場合は "/usr/local/share/texmf/fonts/opentype/ "へコピーします。
ln -s <フォントをドラッグ&ドロップ> </usr/local/share/texmf/fonts/opentype/適当なフォント名.otf>
sudo mktexlsr として、TeXファイルの一覧を更新します。
次に、CMAPファイルを編集します。
/usr/local/share/texmf/fonts/map/dvipdfm/base/"
に適当なmapファイルを作成します。
中身は次のようにします。ここには先ほどインストールしたフォントを設定してやります。
rml H HiraKakuPro-W3.otf gbm H HiraKakuPro-W6.otf rmlv V HiraKakuPro-W3.otf gbmv V HiraKakuPro-W6.otf
この例では、すべての文字はヒラギノのゴシック体になります。Hは横組用、Vは縦組用フォントです。
このフォントを実際に使うにはTeXのソースで設定してやります。
ただし、pdfmplatexにはバグ?があるのでスクリプトを修正しておきます。
cd /usr/local/bin sudo cp pdfmplatex pdfmplatex.backup (バックアップを作成) sudo nano pdfmplatex
と入力して、エディタでpdfmplatexを開きます。
mpost | jmpost) ext=.mp; out=.N ;; *) ext=.tex; out=.dvi ;; esac ↓ mpost | jmpost) ext=.mp; out=.N ;; *) ext=; out=.dvi ;; (.texを削除) esac
と変更し、control+Oで保存し、control+Xで終了します。
フォントを変えたい文書のソースを開き、先頭に
%%pdfmplatex -- -f <マップファイル名>.map
と入力します。
Mac上のTeXで画像を使うにはPDFへ変換するのが一番簡単です。MacOSXではPDFがOSそのもので対応しているのでEPSよりも簡単かつ高速に扱えます。
たとえばPNGやJPEG形式の画像はプレビューでPDFに変換します。
変換したい画像をダブルクリックすると通常はプレビューで開かれます。
ファイルから "別名で保存" を選んで、TeXのソースと同じフォルダへ保存します。
※この時、フォーマットはPDF、フィルタは必要に応じて使います。暗号化はチェックを外します。
保存をクリックすると、自動的に保存されたPDFが開くので確認します。
ターミナルを起動します。
"cd[スペース]" と入力して、TeXのソースのフォルダをドラッグ&ドロップします。
カレントディレクトリが、ソースのフォルダへ移動します。
"ebb[スペース]" と入力して、先ほど保存したPDFをドラッグ&ドロップします。
これで、ファイルの準備は完了です。
ソースのプリアンブル部に
\usepackage[dvipdfm]{graphicx}
と記入します。
画像を取り込む場所には
\begin{figure} \includegraphics{ah_logoj.pdf} \end{figure}
のような感じで入力します。
MacOSXではPS形式、EPS形式は標準で対応しているので、そのまま開くだけでPDFに変換さます。
あとは一般的な画像のようにして取り込んでください。
※日本語フォントで埋め込まれていないものは文字化けしてしまいます。
TeXにはマクロ機能があります。マクロといってもTeXでのマクロとは違います。
マクロは面倒なコマンドのひな形を作っておき、面倒なコマンド入力を省略できるというメリットがあります。忘れてしまったコマンドを思い出すのにも使えます。
JapaneseMacros for TeXShopをダウンロードして、マウントします。
readmeを参照して、使いたいマクロを~/Library/TeXShop/Macros/Macros_Latex.plistと置き換えます。
TeXShopで新規に作成します。
マクロというところを選んで、文章クラス->和文横書き->jarticle-a4jをクリックします。
すると、プリアンブルが自動で入力されます。
今度は、適当な文章を打って、それを選択した状態にします。
マクロ->揃え->環境型->中央揃えをクリックします。
すると、
\begin{center} 文章 \end{center}
のように選択した内容がコマンドの引数として、配置されます。
こんな感じにやっていくと、ワープロソフトのような感覚でTeXを使うことができます。