ストレージメモ


ILM

【Information Lifecycle Management】の略。
 日本語ではそのまんまの訳で、情報ライフサイクル・マネジメントのこと。
 日々生み出されるデータ(たとえばWordで書いた仕様書や、提案活動に使ったPowerPointなどなどのファイル)を効率よく管理するために提唱された概念。
 
 たとえば、1年に一回使うか使わないかわからないデータを、維持費のかかるプライマリストレージ(FC対応のディスクアレイなどByteあたりの単価が高いもの)に保存しっぱなしにするのは、無駄以外の何者でもないわけです。
 そんなデータは、よりコストの低いストレージ(例えばテープストレージ)に移行してしまえばいいんだけど、データ数が多くなってくると、人の力だけでは管理できなくなります。自分個人のパソコンの中にあるファイルだけでも大変なのに、企業が扱うデータの量を考えたら気が遠くなってしまいます(苦笑)
 このような面倒で大変な管理を支援してくれる製品を、ILM製品というそうな :-)
 
 データの移行以外にも、データのトレーサビリティ(履歴追跡)を明確にすることも求められているとのこと。データのトレーサビリティっていうといまいちピンとこない言葉だけど、要は製造工程における各フェーズのデータ(ドキュメントなど)の履歴追跡のことを指すそうな。例えば車のリコールなんかで、問題のある部品の製造番号から、その製造番号の部品を使っている車の製造番号を引き当ててリコール対象の車を特定するなんてことに使うそうです。IT系でいえば、ライブラリにBugがあることがわかったら、そのライブラリを適応しているシステムや製品を引き当てて対処する、なんて事に使えるわけですね :-)
 
 ここ最近、この言葉が重要視されるようになってきたきっかけは、法的にメールデータを一定期間保存することを義務づけるようになってきたことにあるそうです。メールデータを長期間保存するにはそれなりの容量が必要だけど、そんなのサーバのプライマリストレージに保存させるわけにもいかないし、かといって人手でテープストレージに保存していたら手間もかかるし、保存を失敗したり、保存したメールを即座に取り出したりできなかったりと、まともに管理ができていないデータがうずたかく積まれるという、私の机のような状態になるわけです(;_;)
 まだ日本では本格的に取り組まれていない(2004年10月現在)そうで、本格的に法で義務づけられ始めたら、ばたばたと使われ始めるんじゃないかということだそうな。
○2005/05/31 追記
 このILMは、ストレージの仮想化という流れの中から生まれてきたもの。
 あらゆる種類のインタフェースをもつストレージを仮想化して一つのストレージとして利用することになるが、ファイルの使用頻度や重要度に対応したストレージに振り分ける といった管理を自動的、または管理者の管理コストを軽減させるために生まれたもの...だと思う(´・ω・`)

 
 元ネタ:COMPUTERWORLD 2004 7月  

補足情報

 参考情報へのリンク

 
 このILMでは、ストレージメーカのEMCががんばってるようです。日本では日立ががんばっていて、仮想化機能を持たせたハイエンドストレージ「SANRISE Universal Storage Platform」(USP)という製品を出している。
 日本ヒューレット・パッカードは日立のUSPをOEM供給を受けて作ったハイエンドストレージ「HP StorageWorks? XP12000 ディスクアレイ」を出している。
 SunもUSPをベースにした「Sun StorEdge? 9900」を出しているようです。
 日立がんばってます :-) 

DLCM

 【Data Life Cycle Management】の略。
 日本語でデータライフサイクル管理のこと。
 
 ILMとほぼ同じ意味で、日立はこのDLCMという言葉を使っているようです。

オンライン・ストレージ

 頻繁にアクセスされるデータや、価値の高い重要なデータを保存することを目的とするストレージを指す。プライマリディスクはこのオンライン・ストレージに相当する。
 このストレージは、高速でRAID化されるなど、コストのかかるストレージでもある。

インライン・ストレージ

 オンライン・ストレージより安価なストレージを指す。セカンダリディスクはこのインライン・ストレージに相当する。
 このストレージは、安価なATAディスクアレイによって実現されている。  


ニアライン・ストレージ

 インライン・ストレージより安価なストレージを指す。インライン・ストレージとオフライン・ストレージの間に位置するストレージで、テープライブラリなどがこのストレージにあたる。たまにしかアクセスされないデータを保存するのに使われる。
 この辺の用語の扱いが曖昧で、安価なATAディスクをニアライン・ストレージと説明するところもある。

オフライン・ストレージ

 テープやDVD、CDを保管庫に保存したものを指す。デバイスから切り離されていることから、オフラインと呼んでいるようだ。
 これはほとんど使われることのなくなったデータを保存するために使われる。

 こういうオフラインのものをいざ探すとなると大変だよね〜
 ってことで、多分このオフライン・ストレージを簡単に探せるようにするために、ICタグを使うようになるんだろうなぁ〜
 んでもって、ニアライン・ストレージからオフライン・ストレージに移行する際に自動的にICタグを付けてくれるようになれば、オフライン・ストレージの管理が自動化されて管理者は楽になるんだろうなぁ〜

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