このページでは,8月31日火曜日に日無より問題が公表され次第,問題解説を掲載します. →公表されました.
[2010-08-29] ページ作成.後ろの解答は4月期のコピペそのままなので信用しないこと.
[2010-09-02] 仕事が立て込んでいるのでいましばらく放置.スイマセン.
[2010-09-07] 正答番号を合わせました.1アマ工学A-22まで終了.
[2010-09-08] 1アマ工学終了.2アマ工学A-10まで終了.
[2010-09-20] 2アマ工学終了.
2つの公式を思い出す必要があります.
1) 合成インダクタンスを求める式 L=L_A+L_B±2M
2) 相互インダクタンスを求める式 M=k√(L_A・L_B)
1) でプラスマイナスがどうなるかですが,コイルAとコイルBの巻
き方が逆ということで,お互いに打ち消しあう向きですからマイナ
スということになります.結合係数kは0.75と問題に与えられてい
ますね.では順に解きましょう.
M=0.75×√(40×10)=0.75x20=15[mH]ですからL=40+10-2x15=20[mH].
2番が正解.
ゼーベックはペルチェと対にして暗記します.ゼーベックはペル
チェの逆.ペルチェ素子はCPUの冷却などに使われる,すなわち,
異種金属を接合して電流を流すと温度差が生じることを利用してい
る.その逆ということで,2番が正解.
定常状態ということはコンデンサに電流は流れませんので,コンデ
ンサに直列につながれた2kΩの抵抗で電圧降下が発生しない,つま
り,抵抗-コンデンサと並列につながれた抵抗(R_Aとしましょう)
にかかっている電圧は,コンデンサの両端の電圧と等しくなってい
るはずです.Q=CVですから,コンデンサの両端の電圧は
V=Q/C=30/2=15[V]です.つまり,抵抗Rでは30[V]の電圧降下が起こ
っていなければなりません.電流はコンデンサを流れないので,Rに
流れる電流とR_Aに流れる電流は同じです.なので,I=V/Rから,
R[kΩ]は30/R=15/2を満たしているはずです.15R=60,R=4[kΩ].1
番が正解.
まともに合成抵抗を解こうとすると,すわ,Δ-Y変換か?となっ
てしまいますが,1アマの試験でこの問題が出るときは,必ずブリ
ッジ回路が平衡しているパターンになります.すなわち,真ん中の
36Ωを囲む4本の抵抗について,24×6=12×12が成り立っています
から,36Ω抵抗の両端にかかる電圧は等しい,したがってこの抵抗
に電流は流れないので,最初から取り去って考えてよいことになり
ます.それなら簡単,24+12=36Ωの合成抵抗に流れる電流をI_Aと
すれば,I=V/RよりI_A=54/36=1.5[A],12+6=18Ωの合成抵抗に流れ
る電流をI_Bとすれば,I_B=54/18=3[A].よって
I=I_A+I_B=1.5+3=4.5[A].2番が正解.
この回路に流れる電流は,コイルの働きで,スイッチを入れた直後
は電流が流れず,だんだん電流がE/Rに近づいていくグラフになり
ます.時定数の公式は暗記してしまうのが簡単ですが,RLだかL/Rだ
か迷います.時定数が大きくなるということは,電流がある程度
(E/Rの63.2%だっけ)流れるまでに時間がかかるということで,Lが
大きいと時間がかかる,つまり時定数はLに比例する,一方,抵抗R
を大きくすると,電流があまり流れませんからLによる逆起電力も
起きにくくなるということで,電流が流れだすまでの時間はかから
なくなる,すなわち時定数はRに反比例する,ということになりま
すから,τ=L/Rを忘れたときはこのようにして導けばよいと思いま
す.数値を代入してτ=30/60=0.5[s].3番が正解.
負性抵抗とは,素子に流れる電流が増えているのに素子にかかる電
圧が減っている,つまり素子の見かけの抵抗が負の値をとっている
ようなふるまいをすることを言います.負性抵抗をもつ素子は発振
回路に用いられることが多いです.この4つの素子の中ではガンダ
イオードということになります.1番が正解.
可変容量ダイオードといったら逆方向電圧,と覚えましょう.これ
で4番と5番が脱落.バリスタは温度により抵抗値が変化する素子
ですので(コーヒーを淹れてくれる人ではないよ,ここではw),
1番も脱落.空乏層が広くなるというのは,コンデンサの極板の間
隔を広げるのと同じで,静電容量は小さくなります.よって3番が
正解として残ります.
エミッタフォロワは,ベースから入力してエミッタから出力を取り
だす回路なので,残るコレクタが接地されている(動作の基準にな
っている)回路といえます.なのでCは[コレクタ]となり,1番と
2番が脱落です.あと,エミッタから出力を取りだす場合は,入力
電圧が上がる→ベース電流が増える→コレクタ電流が増える→エミ
ッタから出てくる電流はベース電流+コレクタ電流だからこれも増
える→RLに流れる電流が増える→RLにかかる電圧が高くなる→出力
電圧が上がる,ということで,入力電圧と出力電圧の関係は同相に
なります.ということで2番が消えて3番が正解.Bがわからなく
ても解けます.ちなみに入力インピーダンスが高くなるのはR_Lが
入っているからです.
PLLといえば周波数シンセサイザ,ということで,2番か5番か
とすぐわかります.あとはVCO(電圧制御発振回路)というキー
ワードを覚えていれば,5番に解答を絞れますね.水晶発振器は,
それ自体は安定した周波数で発振しますが,逆に周波数を変化させ
ることが難しい発振器です.PLLでは,水晶発振器は,基準とな
る周波数を作る裏方として機能します.不安定だが周波数を容易に
変えられるVCOを使い,これを基準発振器の周波数まで分周して
2者の位相を合わせるように制御することで,安定した目的周波数
の出力を得よう,というわけです.
電力増幅,ということで,10logxの式を使うのですね.20=10logx,
logx=2,x=100ですから,80[mW]の100倍の出力ということで8000[mW]
=8[W].4番が正解.
IDC→周波数偏移,と暗記します.4番が正解.
デジタルデータは,標本化(サンプリング)→量子化(クオンティ
ゼーション)→符号化(エンコーディング)の過程を経て作られる
ということで,2番が正解,BとCは迷わないですが,Aは迷うか
も.
ALC回路は,音声入力のレベルが高い部分でひずみが発生しないよ
うに,励振増幅器の利得を制御する回路,ということで,4番が誤
り(つまり正解).他は合っているのでよく覚えましょう.
これも暗記問題ですが,局部発振回路は直接高周波増幅器の影響を
受けることはないので,2番が誤り(つまり正解)とすぐにわかり
ます.
周波数弁別器ときたらFMと覚えます.これで1番か5番に絞れます.
入力が周波数変調波なんですから,周波数の変化を振幅の変化に変
換して,ということで1番が正解となります.Dのフォスターシー
リー回路は,比検波器(レシオ検波器)と出題されることもありま
す.
ここ数年よく出題される問題で,ちょっと古い教科書だと載ってい
なかったりします.2007年12月期のA-14が初出かと思います.まあ,
歪み→非直線性という連想で,4番か5番にはすぐ絞れると思いま
す.Bが2次か3次かというのはちょっとぴんとこないので,Cを
見ると,アクセスポイントかインターセプトポイントか,という話
になりますが,アクセスポイントはないだろうと.インターセプト
ポイントだよなあと.はい,ということで4番が正解.
整流回路の問題です.コンデンサが見当たらないので倍電圧整流回
路ではないですね.一方,ダイオードの向きを考えて,交流電源の
上側から電流が流れ出すときと下側から流れ出すときを考えて電流
の流れを書いてみれば,負荷抵抗には常に同じ向きの電流が流れる
ことから,全波整流とすぐわかります.4番5番が脱落.さて,B
とCですが,Bの平均値は,sin(x)の0からπ/2までの積分値が1
ですから,高さが2/πの長方形と面積が等しいということで,平均
値はそのIm倍ですから,1番か3番かが正しいということになりま
す.Cの実効値とは,要は電力でみたときの平均値ですから,電力
は電流の2乗に比例しますので,sin^2(x)の0からπ/2までの積分
値はπ/4ですから,高さが1/2の長方形と面積が等しい,つまり平
均の電力は尖頭値(最大値)における(瞬間の)電力の半分という
ことです.よって電流ではその平方根すなわち1/√2倍になる,と
いうことで,3番が正解ということになります.
電圧変動率の公式に入れて解く,としかいいようがないです.
(105-100)/100=5[%].5番が正解.
アンテナの性質は暗記するしかないところですが,1/2波長水平ダ
イポールの場合,両端部で電圧最大,電流最小,中央部ではその逆
ということで,中央部から最も強く電波が放射されるわけなので
(だから指向性が8の字になる),それからの類推で,1/4波長垂
直接地ダイポールであれば,大地の電気影像によってみかけの中央
部となる部分,すなわち接地部がもっとも電波の放射に寄与してい
ると類推するのはたやすいでしょう.1番が誤り(つまり正解)で
す.
つまりこの場合八木アンテナは半波長第ポールの1/8の電力で同じ
電界強度を作り出せる,つまり8倍の相対利得をもつというという
ことですので,電力利得では2倍が3dBですから,8倍=2x2x2は
3+3+3=9dbとなって,1番が正解ということになります.
1/4波長垂直接地アンテナのインピーダンスは約36[Ω]ですから,
アンテナに流れる電流IはIxIx36=144を満たすはずです.IxI=4となる
ので,I=2[A].3番が正解となります.書いてませんが,放射効率は
100%(送り込んだ電力がすべてアンテナから放射される)とするので
しょうね.
暗記問題ですね,としかいえないところです.急激に数分から数十
分→デリンジャー現象(電離層あらしなら徐々に数日にわたって,
ですね)で2番と4番を落として,あとは「低緯度」と「紫外線」
のどちらかを覚えていれば解ける,という問題かと.3番が正解.
MUFは最高使用周波数(Maximum Usable Frequency),LUFは最低使用
周波数(Lowest Usable Frequency),とまず覚えておいて問題を読
むことになります.FOTは最適使用周波数(Frequency of Optimum
Transmission)でMUFの85%,というのも暗記事項ですね.これで1
番から3番までははずれました.時間とMUF/LUFの変化の関係のグ
ラフも暗記します(どちらも昼間は高く,夜間は低くなる)から,
4番が正しい(つまり除外する)こともわかりますね.ということ
で5番が誤り(つまり正解).電離層の第1種減衰,すなわちD層
E層を通過するときにエネルギーを吸収されることによって受ける
減衰は,周波数が高くなるほど小さくなるのでしたね.
コンデンサを電圧値の記憶に使おう,というわけですね.入力の電
圧を保持するボルテージフォロア回路が2個あるということ,オペ
アンプの入力インピーダンスはとても高いので,ないものと考えて
も差し支えないこと,コンデンサへの充電がもたもたしていると,
入力電圧が刻々と変わっていく変化に対応できない,などを頭にい
れておきましょう.
AはOFFになる直前,BはONのとき(入力電力の値がコンデンサの
両の電圧値として記録されるタイミングがサンプリングなので),
Cは十分短い,となって,4番が正解となります.Bを,出力電圧
Vaを次段の回路が参照するとき,と思ってしまうと,3番かなとふ
りまわされてしまうかも.
誘導形は高周波ではインピーダンスが高くなり使いにくい(コイル
ですからね)ので除外,整流形はダイオードの周波数特性の問題か
ら最適とはいえないので除外,可動鉄片形は高周波では磁化の速度
が追いつかないので除外,可動コイル形はそもそも直流用で除外,
ということで,熱に代えてしまうため周波数に依存せず,また波形
が正弦波であるかの如何を問わない,熱電対形が高周波特性には適
していることになります.5番が正解.欠点は速い電流の変化には
追随できないことでしょうか.
周波数が高くなると,電流が導体の内部を流れにくくなる,という
のが表皮効果,でしたね.それを頭にいれて常識を働かせていけば,
自然に解けるでしょう.
一本の導線に交流電流を流すとき,この電流の周波数が高くなるに
つれて導線の[4:中心]部分には電流が流れにくくなり,導線の[7:
表面]部分に多く流れるようになる.この現象を表皮効果といい,
高周波では直流を流したときに比べて,実効的に導線の断面積が
[6:狭く]なり,抵抗の値が[3:高く]なる.この影響を少なくするた
めに,送信機では終段の[10:出力]回路に中空の太い銅のパイプを
用いることがある.
…ん〜,「影響を少なくする」という言い方ではピンときませんが,
つまり同じ銅の量で実効的な導線の断面積を稼ぐために,電気の流
れにくい中心部の銅を取り去って,その分を導線の直径を大きくす
るためにまわす,ということですね.
普通のトランジスタはバイポーラ,FETはユニポーラ,と覚える
ところですね.金属-酸化膜-半導体は,Metal-Oxyde-Semiconductor
すなわちMOS形ですね.マイクロ波に使われるということは高周波
特性が優れていること.NiCd?って電池のことじゃんよ,じゃガリウ
ムひ素ってやつでしょ,とくれば,エ以外はするする答えられそう
です.「ガリひ素」っていう言葉を頭の片隅に入れておけばOK.
(1) トランジスタを大別するとバイポーラトランジスタとユニポー
ラトランジスタの2つがあり,このうちFETは[1:ユニポーラ]トラ
ンジスタに属する.また,FETの構造が,金属-酸化膜(絶縁物)-
半導体により構成されているものを[3:MOS]形FETという.
(2) シリコン半導体に変わり,化合物半導体の[10:ガリウムひ素
(GaAs?)]を用いたFETは,電子移動度が[7:大きく],[4:高周波]特性
が優れているため,マイクロ波の高出力増幅器等に広く用いられて
いる.
アは誤り.中間周波数を高くしても,近接混信を起こす入力との周
波数の差は変わりませんから,近接周波数に対する選択度の向上に
は寄与しません.
イは誤り.Qを小さくすると,中間周波変成器(IFT)を通過する周
波数の帯域幅が広がってしまって,選択度の向上につながりません.
ウは正しい.通したい周波数だけ通して,不要な周波数の入力を
厳しく遮断できるほど選択度が向上します.
エは正しい.中間周波数を高くすれば,イメージ混信を起こす周波
数と受信したい周波数との差を大きくできますから,選択度の向上
に寄与します.
オは正しい.高周波増幅器は同調回路を含めて考えるので,目的の
周波数だけを入力し,イメージ混信を起こす入力の排除に寄与しま
す.
CM形電力計は,送信機の出力電力を測定するために用いられる測定
器ですね.機器の働きを含めて暗記してしまいましょう.
CM形電力計は,送信機と[2:疑似負荷]またはアンテナとの間に挿入
して電力の測定を行なうもので,容量結合と[6:誘導結合]を利用し,
給電線の電流および電圧に[8:比例]する成分の和と差から,進行波
電力と[5:反射波]電力を測定することができるため,負荷の消費電
力のほかに負荷の[1:整合状態]を知ることもできる.CM形電力計は,
超短波(VHF)帯における実用計器として,取り扱いが簡単なことか
ら広く用いられている.
新問題はないようです.過去問題のおさらいで十分合格点がとれた
でしょう.奇をてらわないよい問題ではなかったかと思います.
A-16は,昨今の無線機の流行(混変調特性についての)に追随した
問題といえるでしょうか.
コンデンサの静電容量の公式C=ε_r×ε_0×(S/d)に数値をまともに
いれて解く問題ですね.単位に気をつけて解きましょう.ε_r=6,
ε_0=9×10^(-12),S=30×10^(-4)(親切に書き直してありますね),
d=9x10^(-3)(こちらは書き直していないので注意して扱いましょう)
を代入してC=6×9×10^(-12)×30×10^(-4)/(9x10^(-3))
=(6x30x10^(-1))x10^(-12)=18[pF]となって2番が正解.指数をとも
なう計算がちゃんとできますか?という出題.
電荷に対するクーロンの法則F∝(Q1×Q2)/(r^2)を思い浮かべて解く
問題.正解は5番.
(1) 二つの点電荷Q_1[C],Q_2[C]が距離r[m]離れて置かれているとき,
両電荷の間に働く力の大きさは,[A:Q_1×Q_2]に比例し,[B:r^2]に
反比例する.
(2) このとき働く力の方向は,両電荷が互いに異符号のときは,
[C:吸引]する.
いろいろ解き方がありますが,I_1を未知数とした方程式を立てて解き
ましょう.3kΩの抵抗と7kΩの抵抗にかかる電圧は同じはずですので,
7kΩの抵抗に流れる電流をI_2と書けば,オームの法則V=IRより,
3×I_1 = 7×I_2が成り立つはずです.また,回路全体に流れる電流は
10[mA]だというのですから,I_1+I_2=10が成り立つはずはずです.
これをI_1について解くと,3×I_1=7×(10-I_1),10×I_1=7×10,
I_1=7[mA]となって,4番が正解となります.
共振回路の共振周波数を求める公式f=1/(2π√(LC))を使って解く
問題.求めるのはCなので,上の式をC=..となるように変形すると,
f^2=1/(4π^2×LC)ですから,C=1/(4π^2×f^2×L)となります.
π^2=10が与えられていますから,C=1/(40×f^2×L).これに
f=7x10^6とL=5x10^(-6)を代入すると,C=1/(40x49x10^12x5x10^(-6))
≒(1/(40x50x5))x10^(-6)=(1/10000)x10^(-6)=10^(-4)x10^(-6)=
10^2x10(-12)=100[pF]となって3番が正解となります.
FETの知識を問う問題.正しく覚えてしっかり答えましょう.2
番が正解.普通のトランジスタはバイポーラ,ですよ.
FETは,[A:ユニポーラ]トランジスタとも呼ばれ,半導体中のキャ
リアの流れを,ゲート電力に[B:加える電圧]によって制御する.
こんどは普通のトランジスタの知識を問う問題ですね.正解は4番
です.図2で,ベースからエミッタへ矢印が付いているということ
は,この向きが順方向であること,すなわちベースがP,エミッタ
がNであることを示しています.したがってこちらが図1のトラン
ジスタであり,NPN形です.図3はPNP形です.
(1) トランジスタの中央の層の名称をベースといい,増幅素子とし
て用いる場合は,ベース・コレクタ間には[A:逆]方向の電圧を加え
る.
(2) このトランジスタは,[B:接合形]で,図記号は[C:図2]で表さ
れる.
トランジスタにおける固定バイアスのかけ方を問う問題.なかなか
硬派な出題だなあ.ベース電流(ベースからエミッタに流す電流)が
多少大小しても,V_BEはほぼ一定値(0.6V)に保たれる,というのが
トランジスタの動作の基本ですので,9-0.6=8.4[V]の電圧が常に
R_Bにかかる,ということです.あとはオームの法則R=V/Iを使って,
R_B=8.4/(40x10^(-6))=(8.4x10^3/40)x10^3=210[kΩ]と計算できま
す.4番が正解.
PLLに関する出題.誘導がない分今回の1アマの問題よりむずかし
いかも.ここは位相比較器がくるわけですね.2番が正解.
周波数混合器は送信機や受信機で周波数を上げたり下げたりすると
きに使う回路,比検波器は周波数弁別器(FM受信機の復調器)に用
いる回路,周波数逓倍器は入力の数倍の周波数の信号を作る回路,
振幅制限器はFM受信器で復調波のひずみを防ぐために周波数弁別器
の前段に入れる回路,となります.
電信級のころから出ている問題ですなあ.1番はキークリック,2
番は電源の電圧変動率が大きい(容量不足),3番は電源のリプル
分が多い(質が悪い),4番は寄生振動を起こしている,5番はチ
ャタリング,ということで,5番が正解です.
TVIやBCIを防止するための対策についての問題.1,2,3番は正
しいとすぐわかります.4番か5番か.高域フィルタとはHigh Pass
Filter,つまり高域を通すフィルタ,ですから,高調波を放射した
くない,つまり高域をカットしたいのに高域フィルタではおかしい
ので,4番が誤り(つまり正解)となります.5番は低域フィルタ
で,Low Pass Filter,つまり低域を通し高域をカットするフィルタ
ですから,電力線上の交流に対してずっと高い周波数をもつ電波を
カットするには低域フィルタが有効,ということで正しいわけです.
1番の平衡変調回路が正解ですね.
2番のIDC回路はFM(F3E)送信機で使われる回路.3番のクラリファ
イヤ回路はSSB受信機で使われる回路,4番のプリエンファシス回
路はFM送信機で使われる回路となります.
この手の問題は,正解だけを覚えるのではなく,選択肢に出てきた
回路が送信機で使われるか受信機で使われるか,SSBで使われるか
FMで使われるか(問題で聞かれるはたいていどちらかなので)を,
丁寧に復習しておくとよいです.
3番が誤り(正解)となります.イメージ周波数による混信は,中
間周波数への変換を行なうスーパーヘテロダイン受信機特有のもの
であり,帯域フィルタによって除去はできません.帯域フィルタが
有効なのは近接周波数による混信です.
マークが電波が出ているとき,スペースが出ていないとき,という
のはすぐわかりますね.Cは「マーク」.ビート音がしていたら,
マークとスペースは聞きとれることになりますから,Aは「クリッ
ク」.これで2番と正解を絞り込めます.モールスを普通の短波ラ
ジオで聞くと,マークからスペースへ,スペースからマークに移る
ときにカッとクリック音が一瞬聞こえます.BFO(Beat Frequency
Oscillator, うなり発振器)というのは,SSBやCWを普通の短波ラジ
オで聞くための負荷装置として,昔の電子工作の定番でありました.
トランジスタ1個とAMラジオ用のIFTで作れました.(ダブルスー
パーではだめでしょうね.シングルスーパー用.)
アンテナの名前を答える問題.2番のキュビカルクワッドが正解.
昔は商品でよく売っていましたね.1番のスタックドアンテナは,
複数の指向性アンテナを組み合わせて利得と指向性を高めたものの
つもりでしょうか.3番はフォールデットダイポール,昔のVHFテ
レビアンテナの放射器によくつかわれたタイプ.4番の反射器付き
スリーブアンテナってのはどんな用途で使われているんでしょうね.
1番がいきなり誤り(つまり正答).静止衛星のアマチュア衛星は
現在は存在しません.静止衛星の軌道は地球から3万6千キロ弱とい
いますから,この高さまで衛星を打ち上げるのはかなりお金がかか
ることや,通信衛星や放送衛星などの重要な役目をもつ衛星が優先
されること,各国で静止衛星が打ち上げられており過密気味である
こと,などを考慮すると,アマチュア無線用の静止衛星の実現とい
うのはこれからもハードルが高いであることが容易に想像されます.
アップリンク,ダウンリンク,トランスポンダ,ドップラー効果,
円偏波などが,衛星通信にまつわるキーワードでしょうか.
地上から100キロ,というのがキーワードで,E層のこと,すなわち
2番となります.60〜90キロ,ならD層,200〜400キロならF層,と
いうことになります.スポラジックE層は,高さはE層と同じだが,
地域によって発生する季節や時間が異なる,電子密度の時間的変化
が大きい,日本では夏の昼間に多く発生するが夏の夜間にも表れる
ことがある,などの不安定さが特徴です.
Aは「臨界周波数」が入ります.LUFは電離層反射を利用した見通
し外通信における周波数の低い方の限界のことです.Bは「入射」
ですね.そもそも屈折角は電離層から出ていくときの角度ですから
「電離層への屈折角」とは言わないと.これで1番に正解が絞り込
めますが,Cの「跳躍」はすぐわかりますね.見通し距離は,目で
見える範囲のことを言いますから,跳躍距離は見通し距離より一般
に大きくなり,跳躍距離より小さく見通し距離より大きい範囲は
「不感地帯(または不感帯)」と呼ばれます.
分流器についての問題.電流計で測定できる電流の範囲を拡大する
ためのものですね.要は,電流計に流れ込む電流のいくらかをバイ
パスさせて,ただしバイパスの量は流れ込む量に比例させるように
してやるということです.具体的には,電流計に1の電流が流れ込
むとき,その(N-1)倍の電流がバイパスに流れるようにしてやれば,
電流計は本来の最大測定電流のN倍の電流まで測定できるようになる
というわけです.バイパスは,電流計に並列に抵抗を接続すること
によって実現できます.オームの法則により,電流計の内部抵抗の
1/(N-1)倍の抵抗をバイパスとすれば,バイパスに電流計の(N-1)倍
の電流を流すことができますね.ということで,Aは「並列」,B
は「r/(N-1)」で,1番が正解となります.
縦軸は1目盛あたり2Vということで,尖頭値が2目盛分すなわち4Vあ
るわけですから,正弦波の実効値はその1/√2,ということで,
2.8x1.4=3.92で,選択肢の中では一番近くなりますから,Vは2.8V
を選ぶのでしょう.周波数については,横軸が1目盛あたり50μs
で,1周期は4目盛分すなわち200μs分ということですから,周波数
はその逆数でf=1/200[MHz]=5[kHz]となります.3番が正解.
暗記問題ということで.Aは「並列」,Bは「自己放電」,Cは
「リプル」.5番が正解.基本的には蓄電池から負荷への電力供給
であり,いわば使って減った水槽の水をちょろちょろ足すのが整流
装置の役目ということですね.整流装置の出力に含まれるリプル分
は,いわば蓄電池がコンデンサの役割を果たして,負荷に供給され
る電圧には表われにくくなるということです.
電流と電圧の概念に関する基礎を問う問題です.アは「電気量(4)」.
1秒間に1Cの…と,クーロンという単位が出てきていますからすぐ
わかりますね.イは「交流(9)」.交流という言葉の定義そのもの.
脈流は,流れる方向が変わるまでにはいかないが,流れる量が変化
する電流をさします.電圧と電流の関係を表す定数,ということで
ウは「オーム(8)」.エが「抵抗(7)」,オが「コンダクタンス(3)」
になります.
半導体素子の名称を問う問題.アがトランジスタなのはわかるでし
ょう.PNPかNPNか.ベース(左)からエミッタ(右下)に矢印が向
いているので,この方向が順方向,すなわちベースがP,エミッタ
がNということですから,アは「NPNトランジスタ(5)」ということ
になります.イはFETの記号.PチャネルかNチャネルか.矢印がゲ
ートから内向きになっているので,この方向が順方向,すなわち
ゲート電極がP,チャネルがNになっていることを示します.イは
「Nチャネル接合型FET(8)」.ウはダイオードだがコンデンサとして
の機能を用いる素子,すなわち「バラクタダイオード(7)」です.
可変容量ダイオードとか,バリキャップともいいますね.エはダ
イオードだが光を放つ,というわけで「発光ダイオード(6)」.LED
(Light Emitting Diode)という用語もすっかり一般用語になりつつ
ありますね.オは「定電圧ダイオード(1)」.ツェナーダイオード
のほうがなじみ深いでしょうか.負極側のかぎ印を両端につける記
法のほうが一般的かと思います.
アですが,SWRはStanding Wave Retio,すなわち「定在波比」で,
これにVが付くとVoltage SWR,すなわち「電圧定在波比(5)」とな
ります.イは当然「定在波(6)」ですね.定在波比というぐらいで
すから,ウは当然「比(3)」という言葉が入ります.ここまで順調.
さて,オを先に考えます.VSWRは,と聞いていますから数値が入る,
数値の選択肢は,4番の「0」と9番の「1」だけです.SWRは1
以上の値をとるから「0」はあり得ない.したがってオは「1(9)」
が入ります.SWRが1ということは反射波がない,つまりインピー
ダンス不整合が起きていないということですから,エは「等しい(7)」
が入ることになります.
熱電形電流計は,電流で温めた熱線の熱を熱電対を使って計測する
仕組みの電流計で,交流の真の実効値を求めることができます.熱
電対の出力は直流電流ですから,可動コイル形の電流計で測定でき
ます.アは「熱線(9)」,イは「熱電対(7)」,ウは「可動コイル(8)」,
エは「実効値(1)」が入ります.電流計は回路に直列に入れるので,
内部抵抗が低いほどよいわけです.高周波電流ならば,インピーダ
ンスが低いほど,と読み変えてよいわけで,オは「小さい(4)」が
入ります.
中間タップつきのトランスを使った全波整流回路で,リプルを除去
するためのコンデンサC1がショートしたらどうなるかという質問で
す.トランスの2次側に電流を流そうとして1次側にも大量の電流
が流れますので,ア,イ,ウは起こるでしょう.つまり正しい(1).
さて,C1がショートしたら,負荷もまたショートしていることにな
りますので,負荷にもチョークコイルにも電流は流れなくなります
から,エ,オは起こりません.つまり誤り(2).
全体として,計算力や正しい基礎知識を求める出題が多く,1アマの
問題よりかえって難しく感じた受験者が多かったかもしれません.
(暗記戦術が通用しにくいという意味で.)なかなか硬派な出題だな
あという印象です.
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