PLC問題 / FAQ(良くある質問と答え)


PLC問題

FAQ 良くある質問と答え 「Frequency Asked (Attacked) Questions」

これは http://hfplc.jpn.org/old/faq.htm からの情報です。

「電灯線インターネット」って?

「電灯線インターネット」は、100ボルトあるいは200ボルトの電力配線に高周波を乗せて通信し、それをインターネット接続に用いようという試みです。

家庭内やビル内でのLANに用いる内線系と、柱上トランス〜各家庭の部分を用いる外線系があるようです。海外では「変電所から家庭まで」という考えもあるそうですが...

正式な呼び方は「電力線搬送通信」または PLC(Power Line Communication)のようです。

「電灯線インターネット」は 何が便利やの?

推進側が主張している利点は以下の通りです。

   * 工事することなく高速回線の敷設が可能
   * 工事することなく情報家電同士のネットワークを構築可能
   * 電源コードを繋ぐだけでインターネットに接続可能
   * 2〜30MHzを使えるようになれば、理論上は20Mbps程度の高速通信が可能 

詳細は各電力会社の頁やニュースサイトをご覧下さい。

「電灯線インターネット」は 何が問題やの?

電灯線インターネットが短波を使った場合、現段階で想定される問題は以下の通りです。

  1. 短波通信に重大な影響を与える
  2. 多くの電気機器(医療・医用機器を含む)に障害を与える
  3. 伝送情報が漏洩電波として漏洩する
  4. 通信路、つまり屋内配線やそこに繋がっている電気機器の構成が各家庭によって大きく変化するため、通信の品質を保証するのがきわめて困難(実用上は理論値の1/10以下と見られる) 

1. に関しては計算から求まり、また実験結果が公開されています。2. に関しては電波障害を与えた事例やその原因解析、そして計算によって予想されます。3. 4.は ImpressやHotwiredといったニュースサイトや関連開発会社で報じられています。

また、現状の通信媒体である ADSLやケーブルテレビに対する速度的な利点もあまり有りませんし、柱上トランスまで光ファイバが到達していることが前提なら 普通はファイバをそのまま引くか、無線・電話線・ケーブルテレビなどのもう少し変動要素や他への影響の少ない媒体を用いるでしょう。敢えてリスクを冒してまで電灯線インターネットを選択する価値がどの程度あるでしょうか? ホンマに問題なんかぁ?

ホンマに問題なんで、多くの人から反対の声が挙がっていますし、国会でも答弁がされております。ここではアマチュア無線に関する話が主に挙がっているかのように見えますが、これは愛好者が多いことに加えて微弱な信号を相手にすることが多い為です。短波通信全てに対して影響があってはならないとの考えは異論を挟む余地もありません。

アマチュア無線家や短波放送受信愛好者など、短波に関わる人にとっては無茶に映る方策なんす、電灯線インターネットは。

インターネットより短波が大事だってこと?

いいえ。双方とも大きな価値を持つと思っております。違うのはそれら価値を持つ背景です。

短波の価値は、簡易な設備で中継無しに数千km単位の遠距離通信を行える唯一の手段という点にあります。これは電波の中でも中波の一部と短波のみが電離層(地上80〜400kmにある層)に反射するためです。そのため、短波は国際的に 放送・船舶・航空・観測・軍用など幅広い用途に用いられています。

インターネットの価値は、IP プロトコルに準拠さえしていれば 実際にデータが送られている搬送路が何であっても機種間通信が可能という柔軟性と それがもたらす相互接続性の高さにあります。その性質によってインターネットは世界規模のネットワークとなっているのです。

このように、同じ世界規模の通信を行う技術でありながら その背景が全く異なることがご理解いただけると思います。


短波使っている奴なんて少数派だろ。無視無視。

短波は利用価値が減っていますね。

他の通信手段が便利になっているため、相対的に短波の利便性が小さく見えるだけです。「小電力の送信設備と簡便な受信設備だけで国際的な遠距離通信が行える」という特徴はあらゆる通信方式の中で短波のみが持つ特徴ですので、短波の価値は普遍です。もちろん、他の通信手段を用意できない事情のある国や地域では短波は便利かつ貴重なインフラです。

なぜこういうことを言うのかというと、電灯線インターネットが数十万・数百万世帯単位で本格的に普及すれば、そのような地域までノイズが届き 放送や通信を妨害する可能性があるからです(NATOがノイズ増加に対する懸念を示しています)。電灯線インターネットによって被害を受ける人数は あなたが思っているほど少ないものではありません。今の日本だけ見てぢゃ駄目ですぜ。

短波放送は衛星やインターネット経由のストリーミング放送に切り替わると言うけど?

いまだ全ての放送局と視聴者がインターネットに接続する環境にあるわけではありません。ましてや衛星を打ち上げられるほど豊かな国なんてほんの一握りです。海外から日本に来ている人にとって 短波放送は祖国の声を直に聞く唯一の方法であることをお忘れ無く。

他に方法があったとしても「そを聞きにゆく」ためだけにPC一式を買って高速回線の契約をしろとか衛星用のチューナを買って受信契約をしろとか言うわけにもいかないでしょう。

短波放送の本質は短波ラジオ一つだけで祖国の声を聞けるというシンプルさにあり、本質の点でまだ互換とは言えない衛星・ストリーミング放送は短波放送を駆逐するものではありません。Webpageが広まったからといって本や新聞が駆逐されないのと同じ論旨です。

電波は公共の物でありインターネットのパケットは公共のインフラでは無いのか?

インターネットのパケットが公共のインフラだから、同じ公共のインフラである電波の環境を犯しても良いとは言えませんよね。短波の価値とインターネットの価値、双方の意味を考えればどちらの「公共」が引くべきかは言うまでもありません。

こんな暴言を吐く人間が電灯線インターネット推進に邁進していることに 私は疑問を感じます。 注:暴言を吐いたのは投稿者(中村さん)では有りませんのでご注意おば。

短波帯の「既得権益」なぞを尊重してたらITなぞ進まない

「既得権益」の駆け引きは短波通信業務同士で発生するものです。 電灯線インターネットが短波に影響を与えるということは、短波という全世界で共有する資源を本来の通信以外の用途によって一方的に搾取する暴挙です。権益以前の問題だからこそ多くの人が反対しているわけで。

また、日本在住で試験にさえ通れば誰でもアマチュア無線局を開設できます。短波受信は言わずもがなです。「アマチュア無線家の利益」や「短波受信愛好者の利益」と「それ以外の人の不利益」を天秤に掛ける人は、誰でもアマチュア無線局になれる、誰でも短波が受信できるという基本的な点をご確認頂きますようお願いいたします。


コンセントに繋ぐだけでインターネットに繋がるんでしょ。便利じゃないですか。

貴方の家にある殆ど全ての電気機器は電源に高周波を通すように設計されていませんし、配線から電波が放射されている状態での動作が保証されていません(電磁界下の動作保証に関する規定がないんです)。また、電気機器の電源部に入っているコンデンサが電灯線インターネットの通信品質に悪影響を及ぼしますので、最低でもフィルタ入り電源コード(インピーダンスアッパーと呼ばれているものと同一ではないかと推測しています)を入れる必要があります(→参考:アダプティブ・ネットワークス社)。

本当に便利だと思いますか?

電灯線インターネットは情報家電ネットワークに使えるって聞いたよ?

情報家電同士でネットワークを構築できるのが電灯線インターネットの利点と言われていますが、別に情報家電ネットワークに電灯線を使わなければならないということはありません。むしろ、普及までの期間−−セキュリティモデル策定とIPv6の普及、そして情報家電への買い換え浸透−−を考えれば、情報家電の通信方式を電灯線に限るのは危険ではないかと考えられます。

また、情報家電ネットワークの応用例を考えると、いまWeb上で議論されているような利便性とプライバシーのトレードオフ問題が生じ、また悪意あるユーザや不正プログラムの侵入に対してもある程度(自分の使っている製品名を記憶した上でニュースに着目する程度)神経を払うことになると思われます。 それによるケーススタディの積み重ねも含めて、一般家庭に浸透するのはもう少し先となるでしょう。

電灯線インターネットは雇用を生むので景気が回復するぞ

ええ、放送の受信障害や電気機器の電波障害が増えるため、それに対処するために多くの雇用が生まれるでしょう。さらに、現状では電波障害に対処できるサービスマンはそう多く居ません(過去の電波障害に関する経験談から推察されます)。彼らの教育にも相当の人的・時間的コストがかかると予想されます。

そういえば「二千円札の発行が自販機の更新を促し、雇用を増す」という眠いこと言っていたオッサンが居ましたね。闇雲に雇用を創出しさえすれば良いというわけではありませんよ。

じゃあ既存の短波環境に影響が無ければいいの?

電気機器への影響をお忘れなく。特に電話回線は漏洩電波を拾いやすい上に電話機に高周波対策がなされていないことが多いので、悲しいほど電波障害を受けやすい(耐力が低い)のが現状です。

また、電波障害に対する「耐力」が古くから規定されてきた欧米でも、医用機器に対する耐力でさえ 3[V/m]までの保証しか規定されていません。高周波を阻止するテーブルタップを必ず通すのであれば問題ありませんが、普通の人が こういった高周波混入に必ず気を遣い、また誤動作の原因を突き止められると思いますか?

そんなことを言うアマチュア無線家は何か社会に貢献しているのか?

電波という資源をお借りしている以上 何らかの社会還元をするべきと主張する人も居ます。そして、そういう主張をする人は 積極的に非常通信を補佐するよう心がけ、また実践しています。

ただ、アマチュア無線業務の本質は 高周波回路を構築し決められた電波を放射する「権利」が 潜在的には日本在住の人全てに与えられていることそのものだと私は考えています。非常通信を補佐している人たちは その「権利」行使の一形態として補佐しているわけで、本来の意味での volunteer と言えます。 ですから、アマチュア局を開設してさえいない人が「アマチュア局は社会の役に立つべきだ」と言うのは、ボランティアを強制するのと同様に本質を蔑ろにする暴論であり、さらに「役に立たないなら必要ない」と続けるのは「あなたの票は役に立たないからあなたに投票権は必要ない」と言っているのと同じことではないでしょうか。

もちろん 電波を出す「権利」はそれに必要な「義務」と表裏一体であることはいうまでもありません。例としては 資格の取得、他の無線局や受信設備に混信妨害を与えないこと、電波防護指針や運用規定に従うこと 等があります。 違法出力やそれを是とする風潮を慎むべきなのは言うまでもありません。ちなみに私は移動する局としてアマチュア無線局を開設していますので、出力は50ワットです。

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