記述の集積 / キュトス / 悪魔の九姉


hatena:悪魔の九姉
記述の集積/キュトスに関する記述
記述の集積/キュトス/結界の六十二妹

悪魔の九姉

1番目:ヘリステラ
2番目:ダーシェンカ
3番目:カタルマリーナ
4番目:サンズ
5番目:エトラメトラトン
6番目:ラクルラール
7番目:シャーネス
8番目:ビークレット
9番目:アーザノエル

悪魔の九姉(守護の九姉)

250 名前: 言理の妖精語りて曰く、 投稿日: 2006/04/28(金) 07:17:41

一ケタ台のキュトスの姉妹、つまりヘリステラからアーザノエルまでの九人は、格別に特異な能力を持ち、「悪魔の九姉(デビル・ナイン)」として畏れられている。

251 名前: 言理の妖精語りて曰く、 投稿日: 2006/04/28(金) 08:21:46

とはいえ、他の姉妹にとっては「守護の九姉(ガーディアン・ナイン)」である。 姉妹を魔術の実験や研究対象にしようと企む阿呆どもは後を絶たず、その度に「九姉」は異能を揮う。

252 名前: 言理の妖精語りて曰く、 投稿日: 2006/04/28(金) 15:10:25

さすがに時代が新しくなると「阿呆」はいなくなる。「九姉」の力と意思が知れ渡ったためでもあるが、 「姉妹」たちがその永い人生で蓄え育んだ知恵を活かして組織や共同体の内部に入り込むようになるためでもある。

253 名前: 言理の妖精語りて曰く、 投稿日: 2006/04/28(金) 19:48:00

クレンデルヒは自信作である「単身眼の群」が「悪魔の九姉」により 全滅させられたことを知ったとき、思わずニヤニヤと笑ってしまった。

254 名前: 言理の妖精語りて曰く、 投稿日: 2006/04/28(金) 20:12:52

「単眼神の群」―――軍に買い取られた試作機五号「タケダケしい神」オルクパレルの発展型。 のちに軍に移籍したクレンデルヒが育て上げた兵器たち…クレンデルヒはまた笑う。 「よろしい…よろしい…じつに…よろしい!」

255 名前: 言理の妖精語りて曰く、 投稿日: 2006/04/28(金) 20:52:10

錬金術師クレンデルヒ「ちょうどモデルチェンジの頃合ではないか。 さて、魔女を狩れる機械をどうやって創ろうか?」

256 名前: 言理の妖精語りて曰く、 投稿日: 2006/04/28(金) 21:45:04

そして一ヵ月後、クレンデルヒはビークレットに挑戦状を叩きつけた。 それはそれは凄絶な火力戦になったという。

257 名前: 言理の妖精語りて曰く、 投稿日: 2006/04/29(土) 01:43:26

そして、時の流れと共に「九姉」は役割を終え、それまでの戦いに明け暮れた日々とは対照的な静かで穏やかな生活へと入っていった。 「九姉」の手はあまりにも多くの人間たちの血で汚れており、人と共に暮らすことは人々が許さず、そして彼女たち自身も己に許さなかった。 やがて、人々の前から姿を消した「九姉」は、「血まみれの九姉(ブラッディ・ナイン)」として人々の間で語り継がれてゆくだけの存在となった

by 一行記述スレッド(>>250-257)

パレルノ山六千人殺し

109 名前: 言理の妖精語りて曰く、 投稿日: 2006/04/28(金) 19:13:11

 「悪魔の九姉」の初期の活動のうち、最も有名でかつ最も大規模なものが、「パレルノ山六千人殺し」である。
 当時リクシャマー帝国領土内最大の鉱山であったパレルノ山では、マグドール商会による大規模な坑道の中に、鉱山で採れる貴重な鉱物を用いた錬金術研究所が密かに設けられていた。
 ここで行われていたのが、キュトスの48番目の姉妹ミュリエンティと70番目の姉妹カスミストを用いた人体実験である。
 度重なる薬物の投与と、副作用に対抗するための魔術による強制的な肉体補強により精神崩壊寸前にまで陥っていた二人を救ったのは、「九姉」第三位の歌姫カタルマリーナと第七位の白炎のビークレットであった。
 アーズノエルに報を届けられ、ヘリステラとシャーネスの助けによりこの地に辿り着いた二人は、白昼堂々と真正面から襲撃を行った。
 まず朝方に発掘物輸送の拠点であった山麓の街が、続いて抗夫たちのねぐらである山中の小村がビークレットによって焼き討ちにされ、女子供を含む三千人が死亡した。
 麓の村から異様な白い炎が噴水のように燃え上がったのを目撃した発掘監督官は、すぐに坑道の抗夫たちを呼び寄せ、それを見た抗夫たちは急いで山道を下っていった。
 そして夕方、山道で二人と抗夫たちが鉢合わせし、山彦に響くカタルマリーナの歌によって二千人が発狂死。狂気と戦いながらかろうじて逃げ延びた少数の抗夫は、帝国の役人に二人の恐るべき力を上告し、翌々日付けで帝国軍部は「単眼神の群」百人を含む軍隊千人をパレルノ山に派遣した。
 一方、「九姉」の二人は坑道に進入し、外の騒ぎに無関心だった哀れな抗夫を殺害しながら研究所に突入。暢気に研究に没頭していた錬金術師を弱火でじっくりとあぶり殺し、囚われていた二人を救出。そのまま山中で一夜と一日を明かし、ミュリエンティとカスミストの介抱に専念したが、容態は芳しくなく、カタルマリーナとビークレットは二人を背負って下山することを決意した。
 明朝。帝国軍は、まず山道を封鎖し歩兵による山狩りを行った。山中に潜伏し様子を伺っていた二人はまもなく三人の歩兵と遭遇し、ビークレットが歩兵を炎で瞬殺。炎を目撃した帝国軍司令官はその近辺に向けて弓による射撃を行うも、狙う対象が森の中で直接見えないことと山の下から上へという無理な地勢、それにカタルマリーナの歌による弓兵の混乱によって攻撃は失敗、まんまと四人を包囲網から取り逃がしてしまう。その後、救出した二人を山中の安全な場所に安置し、奇襲による各個撃破を行いながらカタルマリーナとビークレットが麓に下りた時には、帝国兵の数は五百人に半減していた。そして麓の平原での正面衝突で、帝国側は虎の子の「単身眼の群」を含む残存兵力による突撃を敢行、結果は全滅。山中の二人の妹を回収し、「九姉」の二人はようようと引き上げていった。

 この事件は大陸全土に衝撃を与えた。「キュトスの魔女に手を出してはならない」という通達が各国で出され、しかし圧倒的な魔女の力に恐れおののいた人々はますますキュトスの姉妹を迫害することをやめなかった。そのおかげで、この事件の後しばらくは、人里にいたキュトスの姉妹の大半が身を隠し、その中には「九姉」を逆恨みするものもいたという。
 しかし、この一件の後もキュトスの姉妹が不逞の輩によって拉致監禁されては九姉に報復されるという事件が後を絶たず、姉妹は自分たちが九姉の庇護を必要としていることをまざまざと認識させられ、また人々はキュトスの姉妹たちを本格的に忌み嫌い遠ざけるようになった。
 このような事態が緩むのは、やっと大暦が三つ下った頃、西域にトロス三国が興る時代に入ってのことである。

by 汎用記述スレッド

トランプのゲーム

【悪魔の九姉】

 最初に71枚の魔女にアルカナ1枚を加えた72枚のカードをよく切って参加者に配ります。すべてのカードが配られたら、参加者は自分の手札を開いて数字か名前の文字数が同じカードを2枚一組にして、場に表向きで捨てます。どの参加者も手札から捨てるカードがなくなったら、各自自分の手札の表面を他の参加者にわからないように持ち、順番に右隣の参加者からカードを1枚ずつ取っていきます。誰かがカードを引く度に、手札に組になるカードがないかを調べ、組ができるたびに場に出します。こうして手札をなくした参加者は自分の魔女を全員逃したことになり、ゲームから抜けることができます。
 アルカナは番号がなく名前の文字数が同じ魔女もいないので、必ず最後まで残ります。他の参加者が全員ゲームから抜け、最後に魔女とアルセスを1枚ずつ持っている参加者はアルセスに捕まったことになり、ゲームで負けとなります。

※トランプ豆知識※
 表記の関係上名前の文字数を合わせるのが非常に簡単になってしまうため、本国で発売されているトランプでは、それぞれの魔女に二つ名(あだ名のようなものです)をつけることで文字数を不揃いにしています。
 脳髄洗いコキューネーのようないかにも魔女といった恐ろしい名前や白炎のビークレットのようなかっこいい名前、何もしないミュリエンティといった愛敬のある魔女の名前は、こうした理由で生まれました。実は、トランプ発祥の地であるケゼビアにはこういう魔女の呼び方はないのです。

by 文化・風俗(7)

ヘリステラ

hatena:へリステラ


概要

一番目のキュトスの姉妹。

悪魔の九姉、或いは守護の九姉の第一、『路の女王』ヘリステラ/『列算者』ヘリステラ。

自分が一番目のキュトスの姉妹であると自負し、世界中を歩き回って他の姉妹にナンバーを振り分けた。

馬車の車輪などにはヘリステラの意匠が刻まれていることが多い。これはヘリステラは道の守護者として旅人や行商のあいだで信仰されていたからだという説と、魔女であったヘリステラに罰を与えるためだという説がある。

by ゆらぎの神話 ポータル

ダーシェンカ

hatena:ダーシェンカ

概要

二番目のキュトスの姉妹。

悪魔の九姉、或いは守護の九姉の第二、『燦然たる珠』ダーシェンカ。

by ゆらぎの神話 ポータル

カタルマリーナ

概要

三番目のキュトスの姉妹。

悪魔の九姉、或いは守護の九姉の第三、『歌姫』カタルマリーナ。


歌声

50 名前: 言理の妖精語りて曰く、 投稿日: 2006/06/26(月) 19:56:56

『歌姫』カタルマリーナの歌声が精神に直接作用するものである事は有名だが、その作用については発狂する、混乱するといったものから催眠作用がある、気分を昂揚、あるいは鎮静化する作用があるなど諸説ある。
実際の所、どこからが本当なのか、或いは全て本当なのかは定かでない。

by キュトス71姉妹

サンズ

概要

四番目のキュトスの姉妹。

悪魔の九姉、或いは守護の九姉の第四、『黒の』サンズ/『万色の』サンズ。

エトラメトラトン

五番目のキュトスの姉妹。

悪魔の九姉、或いは守護の九姉の第五、『呪姫』エトラメトラトン。

ラクルラール

六番目のキュトスの姉妹。

悪魔の九姉、或いは守護の九姉の第六、『傀儡師』ラクルラール。


シャーネス

概要

七番目のキュトスの姉妹。

悪魔の九姉、或いは守護の九姉の第七、『七つの風の主』シャーネス。

ルスクミウォーズに食べられた唯一の姉妹。

4 名前: 言理の妖精語りて曰く、 投稿日: 2006/06/04(日) 16:12:54

(前略)最初に喰われたのは
7番目の姉妹『七つの風の主』シャーネスであった。

5 名前: 言理の妖精語りて曰く、 投稿日: 2006/06/04(日) 16:48:14

ルスクォミーズは率いたモロレク(悪鬼)の群れの輪の中心で
まる五日かけて全身あますところなく食べ尽くした。

7 名前: 言理の妖精語りて曰く、 投稿日: 2006/06/05(月) 18:55:33

ルスクォミーズが喰らった姉妹は、シャーネスで最初で最後となった。
シャーネスは生きながら食われる間、ルスクォミーズへの敵意と憎悪と怒り
を発散し続け、それがアーザノエルを通して全ての姉妹にまで波及した。
姉妹はルスクォミーズに喰われて一つのキュトスとなることを拒否した。
ただ一人、ルスクォミーズは何も知らずにシャーネスを喰らい終え、
悠々と次に目星をつけた姉妹のもとへ向かった。(後略)

by キュトス71姉妹(4-7)

ビークレットと行動を共にする事

20 名前: エル・ア・フィリスが語りて曰く、 投稿日: 2006/06/24(土) 00:39:52

ある時、アルセスの投げた槍が偶々『七つの風の主』シャーネスと『白炎の』ビークレットをまとめて貫いてしまった。二人はその時から常に行動を共にするようになった。

by キュトス71姉妹(20)

24 名前:言理の妖精語りて曰く、 投稿日: 2006/06/24(土) 04:51:54

勿論、シャーネスとビークレットが未だに槍に貫かれている訳ではない。
2人は槍と同じ位固い絆で結ばれている。

by キュトス71姉妹(24)

27 名前: 言理の妖精語りて曰く、 投稿日: 2006/06/24(土) 19:57:32

シャーネスとビークレットが槍に貫かれた時、彼女らは如何にして元に戻ったのか。
まず二人は槍を抜こうとした。しかし二人が渾身の力を込めても、シャーネスが風を吹き散らし、ビークレットが炎を燃え上がらせても槍はびくともしない。二人はアルセスに会いに行くために旅に出た。

一方、誤って二人に槍を投げてしまったアルセスも二人を探していた。
しばらく道を行くと、アルセスはキュトスの姉妹の一人、フィラルディアと出会う。アルセスは二人の居場所を訊ねた。姉妹ならば、居場所がわかるのではないかと期待したのだ。

しかし、アルセスは訊く向きを間違えていた。彼はフィラルディアの右側に話し掛けてしまったのだ。
右側のフィラルディアは彼に嘘の居場所を教えたのである。

しばらく経って、シャーネスとビークレットがやって来た。
彼女らは心得たもので、左側のフィラルディアにアルセスの居場所を尋ねた。
左側のフィラルディアは快くアルセスの向かった先を教えた。
二人はアルセスの後を追っていった。

アルセスが向かった先で出会ったのは、こともあろうにレストロオセであった。彼女はアルセスを唆し、二人の姉妹が彼の槍を奪い、アルセスを亡き者にしようとしていると思い込ませた。
義憤に身を振るわせ、二人を成敗せんと姉妹と対峙するアルセス。v 二人の言い分も聞く耳持たずと襲い掛かるアルセスに、シャーネスは言う。
「貴方が何にお怒りなのかは解りません。けれど私たちに何か咎があるのであればその責は私が負いましょう。私は七番目、ビークレットの姉です。妹までも害するというならば、どうか二人分の制裁を私に与えてください」

するとビークレットが言う。
「いいえ、姉に責があろう筈がありません。至らぬ点があったとすれば、妹であるこの私に違い有りません。姉を傷つけるのであれば、どうか私を」
お互いに庇いあう二人を見て、我に帰ったアルセスはようやく理性を取り戻し、話を聞いて深く謝罪した。

アルセスは槍を抜き、今後何かがあれば必ず二人の力になることを約束した。
それ以来、シャーネスとビークレットの絆はキュトスの姉妹の中でも屈指と言っていいほどに深い。

by キュトス71姉妹

ビークレット

19 名前: 言理の妖精の語りて曰く、 投稿日: 2006/06/24(土) 00:35:31

白炎のビークレットの美貌は天上を照らし、その歌声は天下を砕く。

by キュトス71姉妹(19)

hatena:ビークレット
酔狂な人ね、キュトスの魔女にわざわざ会いに来るなんて。
私?そう私はキュトスの姉妹よ。8番目。名前はビークレットって言うの。名前あるのかって?当然。紛らわしいでしょ?71人もいるのに。
死んだことないのかって?私はないわ。あの世界の中心だとほざいてる槍に突付かれでもしない限り死なないみたい。でも前の27番目のキュトスは下手なこといって突付かれちゃったみたいよ。
宝石がどうのこうの言ってたけど。あの子、光モノ好きだったし。
あれ、それは34番目だったかしら?まぁいいわ。
他の姉妹たちの場所を知ってるか?ええ、知ってる子もいるわ。時折お茶をするの。41番目の子はケーキを作るのが上手でね。
でも大体の子は知らないわ。興味ないもの、少なくとも私はね。知ってる子は向こうから会いに来た子ばっかりよ。
全員集まってキュトスに戻らないのか?
そうね、面倒だわ。キュトスのときは何でもできたけど色々つまらなかったから。完璧だったし。だからあの槍にキュトスを突付かせたのよ。自殺みたいなものよ、でもキュトスは死なないから。
何か欠けている方が人生豊かに過ごせるわ。力は弱くなってるから、自由自在というわけには行かないけれど。
畑仕事に精を出してる子もいるらしいわ。笑っちゃうわよね。でもキュトスのときはそれができなかったの。したいとも思わなかったわ。
でももしこの生活に飽きたら、そのときは集まるかもね。集まってもう一回槍に突付かれて、今度は違う分け方すればまた新しいキュトスの姉妹が生まれるわ。


概要

九番目のキュトスの姉妹。

悪魔の九姉、或いは守護の九姉の第九、『白炎の』ビークレット。

by ゆらぎの神話 ポータル

炎について

21 名前: エル・ア・フィリスが語りて曰く、 投稿日: 2006/06/24(土) 00:44:07

33番目の姉妹ニースフリルの発見した遺跡には、ビークレットが残した『永遠に燃え続ける炎』が祭壇に灯っていたという。

22 名前: エル・ア・フィリスが語りて曰く、 投稿日: 2006/06/24(土) 00:48:32

地獄が解放された際、ビークレットの炎はその一端を焼き払った。
この事から、地獄の対となる概念として『炎』が有効だと示された。

23 名前: エル・ア・フィリスが語りて曰く、 投稿日: 2006/06/24(土) 00:54:10

ビークレットの白炎は地上太陽の中心核から直接召喚したものであり、凍える者を温める癒しの力と全てを焼き尽くす破壊の力の両方を象徴する。
又、北辺帝国内では地上太陽がひどく身近で生活に直結している為に「キュトスの魔女につれていかれるよ!」という言葉はよく「ビークレットに焼かれてしまうよ!」と言い換えられる。

by キュトス71姉妹(21-23)

シャーネスと行動を共にする事

20 名前: エル・ア・フィリスが語りて曰く、 投稿日: 2006/06/24(土) 00:39:52

ある時、アルセスの投げた槍が偶々『七つの風の主』シャーネスと『白炎の』ビークレットをまとめて貫いてしまった。二人はその時から常に行動を共にするようになった。

by キュトス71姉妹(20)

24 名前:言理の妖精語りて曰く、 投稿日: 2006/06/24(土) 04:51:54

勿論、シャーネスとビークレットが未だに槍に貫かれている訳ではない。
2人は槍と同じ位固い絆で結ばれている。

by キュトス71姉妹(24)

27 名前: 言理の妖精語りて曰く、 投稿日: 2006/06/24(土) 19:57:32

シャーネスとビークレットが槍に貫かれた時、彼女らは如何にして元に戻ったのか。
まず二人は槍を抜こうとした。しかし二人が渾身の力を込めても、シャーネスが風を吹き散らし、ビークレットが炎を燃え上がらせても槍はびくともしない。二人はアルセスに会いに行くために旅に出た。

一方、誤って二人に槍を投げてしまったアルセスも二人を探していた。
しばらく道を行くと、アルセスはキュトスの姉妹の一人、フィラルディアと出会う。アルセスは二人の居場所を訊ねた。姉妹ならば、居場所がわかるのではないかと期待したのだ。

しかし、アルセスは訊く向きを間違えていた。彼はフィラルディアの右側に話し掛けてしまったのだ。
右側のフィラルディアは彼に嘘の居場所を教えたのである。

しばらく経って、シャーネスとビークレットがやって来た。
彼女らは心得たもので、左側のフィラルディアにアルセスの居場所を尋ねた。
左側のフィラルディアは快くアルセスの向かった先を教えた。
二人はアルセスの後を追っていった。

アルセスが向かった先で出会ったのは、こともあろうにレストロオセであった。彼女はアルセスを唆し、二人の姉妹が彼の槍を奪い、アルセスを亡き者にしようとしていると思い込ませた。
義憤に身を振るわせ、二人を成敗せんと姉妹と対峙するアルセス。v 二人の言い分も聞く耳持たずと襲い掛かるアルセスに、シャーネスは言う。
「貴方が何にお怒りなのかは解りません。けれど私たちに何か咎があるのであればその責は私が負いましょう。私は七番目、ビークレットの姉です。妹までも害するというならば、どうか二人分の制裁を私に与えてください」

するとビークレットが言う。
「いいえ、姉に責があろう筈がありません。至らぬ点があったとすれば、妹であるこの私に違い有りません。姉を傷つけるのであれば、どうか私を」
お互いに庇いあう二人を見て、我に帰ったアルセスはようやく理性を取り戻し、話を聞いて深く謝罪した。

アルセスは槍を抜き、今後何かがあれば必ず二人の力になることを約束した。
それ以来、シャーネスとビークレットの絆はキュトスの姉妹の中でも屈指と言っていいほどに深い。

by キュトス71姉妹

クレンデルヒとの関わり

253 名前: 言理の妖精語りて曰く、 投稿日: 2006/04/28(金) 19:48:00

クレンデルヒは自信作である「単身眼の群」が「悪魔の九姉」により 全滅させられたことを知ったとき、思わずニヤニヤと笑ってしまった。

254 名前: 言理の妖精語りて曰く、 投稿日: 2006/04/28(金) 20:12:52

「単眼神の群」―――軍に買い取られた試作機五号「タケダケしい神」オルクパレルの発展型。 のちに軍に移籍したクレンデルヒが育て上げた兵器たち…クレンデルヒはまた笑う。 「よろしい…よろしい…じつに…よろしい!」

255 名前: 言理の妖精語りて曰く、 投稿日: 2006/04/28(金) 20:52:10

錬金術師クレンデルヒ「ちょうどモデルチェンジの頃合ではないか。 さて、魔女を狩れる機械をどうやって創ろうか?」

256 名前: 言理の妖精語りて曰く、 投稿日: 2006/04/28(金) 21:45:04

そして一ヵ月後、クレンデルヒはビークレットに挑戦状を叩きつけた。 それはそれは凄絶な火力戦になったという。

by 一行記述スレッド

アーザノエル


概要

キュトスの姉妹の9番目。

悪魔の九姉、或いは守護の九姉の第九、『紀なる』アーザノエル/『すべてを見つめる』アーザノエル。

他のキュトスの姉妹の矛盾する概念を全部含んでいる、キュトスの姉妹のうちただ一人の『紀姉妹』。数多の姉妹たちのうち、紀神たる『一人のキュトス』からただ一人その紀性を受け継いだ存在。他の姉妹すべてを統べる者であり、同時に他の姉妹すべてに縛られる者。彼女という存在から他の姉妹たちへ存在が投影されていて、また他の姉妹たちすべてからの存在の投影が即ち彼女自身でもある。

彼女には他の姉妹たちがどこで何をしているか手に取るように判るらしい。

紀神くらいしか辿り着けない『紀家』に住んでいる。

アーズノエルとも。

「私はみんなであって同時にみんなじゃない。」

ルスクミウォーズとの関わり

3 名前: 言理の妖精語りて曰く、 投稿日: 2006/06/04(日) 16:03:21

・・・九姉だけではなく六十一の妹をも喰らい、「キュトス」になるべきである、という「結論」はアーザノエル によって共有される【姉妹】の願いであった。初めは九姉を喰らって 姉妹を超えようとしたルスクォミーズも、結局はアーザノエルによって結合された 姉妹達の意思の支配下にあったのである。

4 名前: 言理の妖精語りて曰く、 投稿日: 2006/06/04(日) 16:12:54

しかし逆もまた然りで、全ての姉妹もルスクォミーズの影響下にある。姉妹の心の奥底にある 「一なるキュトスに戻るという願い」に乗じ、ルスクォミーズはアーザノエル からの警戒を解いた。アーザノエルはルスクォミーズの企みを他の姉妹に 伝えることはなく、姉妹達ですら無意識のうちにルスクォミーズの餌食となること を望んでいたのであった。(後略)

by キュトス71姉妹

アーザノエルとミュリエンティ

16 名前: :リーデ・ヘルサル語りて曰く、 投稿日: 2006/06/23(金) 23:51:10

姉妹を内包するアーザノエルと姉妹と断絶したミュリエンティの矛盾概念はそのままにアーザノエルが内包するが、内包と不干渉という概念が反発した上にアーザノエルが不干渉概念を内包したことによる不干渉対不干渉と言う反発概念が形成されて一種のケイオス領域、ゆらぎの空間を生み出す。
アーザノエルとミュリエンティが近付くと発生するこの現象を、【無為の内包】と呼ぶ。

17 名前: 言理の妖精語りて曰く、 投稿日: 2006/06/24(土) 00:27:06

「:リーデ・ヘルサル語りて曰く、」の署名があることからわかるように、
アーザノエルとミュリエンティは姉妹のなかでも特に【猫】との因縁が深い。

18 名前: 言理の妖精の語りて曰く、 投稿日: 2006/06/24(土) 00:32:59

ミュリエンティの不干渉は言い換えれば何物にも干渉されない自由であり、
アーザノエルの全であり一である性質もまた猫のそれと近しい。
この二人は【猫】の性質を生まれつき持っているのである。

by キュトス71姉妹