初心者向けピアノ講座 / そもそも練習って何をどうするの?


そもそも練習って何をどうするの?

初心者から上級者まで、練習は誰もがします。しかし、練習といっても一体何をどうすれば良いのか、戸惑う人もいるのではないでしょうか。

正直執筆者も良くは分かっていないのですが、ここで皆さんと一緒に練習の中身について理解を深められれば、という思いで以下書き進めていきたいと思います。

「上手くなる」ってどういうこと?

誰もが練習するのは上手く弾けるようになりたいからです。でも「上手くなる」というのはどういうことなのでしょうか?段階を追って見ていくことにしましょう。

  • 1. 曲を覚える
  • 2. 楽譜通りに指が動くようになる
  • 3. 曲中の細かい指示(強弱など)をしっかりと再現できる
  • 4. 自分なりの解釈を加えて仕上げる

ここでは2、3に絞って見ていくことにします。

楽譜通りに指が動くようになる

今これを読んでいる方々の多くが、ここを最大の難関だと思っていることだと思います。

普段使わない動きで指を使うのは大変なことでしょう。そこで何をするか。基本的には

  • ゆっくり
  • 少しずつ
  • 片手ずつ
  • 繰り返し

練習するのが基本です。地味ですが、王道は無いのです。

※練習時に手首や腕などに余計な力はかけないように

ゆっくり

確実に指と頭がついてこれる早さでしっかり弾けるように練習します。最初はゆっくり弾くのは特につまらないと思います。速く弾けたりすると格好良く思えたりするものです。

しかし、しっかり弾けるようになってしまえば、テンポを上げて弾けるようにするのは大した手間ではありません。最初から速いテンポで弾くとアラが目立ちにくくなり練習の意味も半減するので、「テンポを上げるのはいつでもできる」と肝に銘じて練習しましょう。

少しずつ

一部分だけ練習し続けるのは単調で無味乾燥な作業に思えることもあります。

しかし、いっぺんに沢山の箇所に注意を払って練習するのは難しいので、練習の効率から考えても、苦手なところをピンポイントで練習しましょう。

片手ずつ

いきなり両手の動きに注意を払うのは難しいものです。まずは片手でしっかり弾けるようにしてから両手であわせる練習をした方が、結果としては近道です。

繰り返し

言わずもがな、何度もやっていれば体は覚えてくれるものです。

しかしここで肝心なのは心構えです。「とりあえず○回弾いて終わらそう」などと、繰り返しの数を稼ぐだけのような練習をしていると、中々上手くならないばかりか悪い癖がついてしまうことだってあり得ます。どの音のどんな所をどう直したいのか、集中力を保って意識し続けるのが大事です。

その他には、繰り返すフレーズに変化をつけてみるものもあります。スタッカートで弾いてみたり、タッカタッカ… タタタタンタタタタン… など色々な方法があります。こうした方法はハノンなどの練習曲の本の冒頭に載っているので、今のところこのページで詳しく書くつもりはありません。

こういう練習を通して、自分が楽にいい音が出る動かし方を見つけていく訳です。練習・演奏にあたって気をつけるべきポイントを以下にまとめます。

指使い(楽譜に書いてあることもあります)
練習曲以外は原則弾きやすいように変えても構いません。
背筋
丸めこんではいませんか?
椅子
鍵盤に近すぎたり遠すぎたりしませんか?
上半身の動きを支えれる位置にありますか?
手腕が左右に動くときに体の移動を先導できていますか?
フレーズに合わせて手を最適な位置に運べていますか?(ひじ・肩の関節に無理な力を入れない)
手首に力が入っていませんか?手のひらの傾け方は大丈夫ですか?(トリル時に重要)
指先
少し丸めていますか?(鍵盤に垂直になるほど立てるのはやり過ぎ)
リズム・テンポ
弾きにくい場所でテンポが揺れていませんか?(弾いていて知らない間にテンポが速くなってしまう(走る)ならそこが弱点です) 左右同時に鳴らす音をしっかり同時に鳴らせていますか?(俗に「縦の線をそろえる」とも言います) フレーズを通して適切なテンポを維持していますか? テンポの緩急を効果的に付けて表現出来ていますか?
強弱
音の強さは揃っているでしょうか?(例えば一つだけ不自然に強い/弱い音があるのは良くありません) 強弱を効果的に付けて演奏できていますか?(同じフレーズを2回繰り返すような曲の場合は1,2回目で強弱やアーティキュレーションによって雰囲気を変えて演奏することが多いです。)(クレッシェンド・デクレッシェンドでは「いきなり」強く/弱くしない。逆に急激に強く/弱くすることでダイナミックな演出をすることもある) 強弱の変化は曲を「フレーズの組み合わせ」から「物語」へと生まれ変わらせる最も基本的な道具の一つです。

ありとあらゆる方策を尽くして、「手指」ではなく「全身」で演奏する心構えが大切です。

(書きかけ)