【回答】
昭和15年度の対ソ戦予定兵力は,陸軍の師団総数49個の内,34個師団を必須としていた.
しかし現実には,27個師団は中国で戦っている.
独ソ戦に呼応した対ソ戦計画である関東軍特種演習では,南進用の師団が更に引き抜かれ,わずか25個師団で作戦が計画された.
参謀本部も,これだけの兵力では,極東ソ連軍32個師団に対して兵力が少なく,目標を達成できないとして,
「師団数が41年9月までに半減すれば武力発動」
としたが,ソ連軍は動かず,計画は流産.
ここまでは計画の話ですが,仮に強行発動したとして何が得られるでしょうか.
自信過剰の陸軍ですら,二の足を踏む兵力不足.
ドイツがモスクワを落とすかも未知数ですし,(参本ロシア課すらドイツによるソ連占領は不可能,ソ連の徹底抗戦は必至と判断していました),アメリカもいかに動くやら.
仮にシベリアを手に入れても,地下資源は豊富かもしれませんが,開発には絶望的な時間がかかるでしょう.